あらすじ
私立雷辺(らいへん)女学園に入学した時夜翔(ときやしょう)には、学園の名探偵だった大伯母がいた。数々の難事件を解決し、警察からも助言を求められた存在だったが30年前、学園の悪を裏で操っていた理事長・Mと対決し、とともに雷辺の滝に落ちてなくなってしまった……。
悪意が去ったあとの学園に入学し、このままちやほやされて学園生活を送れると目論んでいた翔の元へ、事件の依頼が舞い込んだ。どうやってこのピンチを切り抜けるのか!?
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Posted by ブクログ
かつて大叔母が在校生探偵として名声を馳せた私立雷辺女学園。
主人公、時夜翔(ときや しょう)の家庭は父の営む探偵事務所の閉所に端を発し、高校進学すら危ぶまれる状況だったが、かつての大叔母の学園への貢献にあやかり無償での学園生活の切符を得ることができた。
だが、入学後に待ち受けていたのは大叔母の親族という宿命。
何かにつけて手に余る相談事を持ち寄られ、手枷足枷になるかと思いきや、持って生まれたその場を取り繕う能力をここぞとばかりに発揮し、満更でもない日々を送る。。。
惜しいな。
もうひと声、もうひと捻り、もうひと角度違う切り込みがあれば星5。
『探偵小石は恋しない』に続いてゆるめな探偵ものを読んだが、あっちが良すぎただけにどうしてもやや上っ面な物足りなさを感じてしまう。
ただ、この主人公のキャラはありそうでない、たぶん自分はこれまで出会ったことなかったタイプなので面白かった。
純粋にデキる、健気に頑張る、表面上ちゃらいけど実は能力高い、のほほんの中に煌めきを潜めている、男性社会への反骨的なものも含めてか、世には色んなパターンの女性主人公がいるけれど、言っては悪いがいわゆる「くず」パターンできたかと。
「身の丈を超えた尊敬や賞賛を浴びるのが、とっても気持ちいい」という発言に「清々しいまでの俗物」と評され、美術部員にスケッチを描いて貰えば、それを観た先輩からは「小賢しい感じがよく出てる」と皮肉られる。
自身のスタイルや矜持を尋ねられても、「その場しのぎて嘘を重ね、他人に頼るのが私のスタイルなんですけど」、「プライドってなんでしょうね」。
ここまで素直にさらけ出されると一周回ってかっこいい!
まぁさらけ出しているのは、自身の評判に影響を与えない者や読者にだけで、基本は良いカッコしぃでやってるわけだが。。。
謎解きだったり、二重底の部分は可もなく不可もなくといったところだろうか。
Posted by ブクログ
マンガだと思って読むとちょうどいい
キャラ設定やわかりにくい名前もしっくりくる
先の展開は見えつつも、テンポよく進み、ずっと感じてた師匠の違和感も最後に納得。意外と素直に騙されてしまった…
また読みたいかって言われると悩むけど面白かった
Posted by ブクログ
亡き大叔母が名探偵として名を馳せた学園に進学した翔。やがて、彼女が解決した事件をなぞるように難事件が発生。地縛霊となった頭脳明晰な協力者とともに、「名探偵の子孫」の名は守れるのか―!?
面白かった。
黒幕の存在と正体については、イニシャルによるヒントもあったため早い段階で察することができたが、それでも最後のどんでん返しは楽しめた。
ラストのMとの会話にあった、「自身の悪意が長い年月をかけて摩耗していくこと自体が一番の罰かもしれない」という趣旨の言葉には深く頷かされた。悪を完膚なきまでに懲らしめるとは、まさにこういうことなのではないだろうか。
文章はライトで読みやすく、登場人物も親しみやすい。こういった探偵ものにおいて、天才的な推理力を持たない主人公が、名探偵の引き立て役に終わることなく、世渡り上手な個性で物語を引っ張る存在として描かれている点は新鮮だった。
Posted by ブクログ
YouTubeの本ためで紹介されていたのをきっかけに読みました。
真舟さんが2代目Мぽいなとは観客の記録からなんとなく察していましたが大叔母さんだと思っていた幽霊がМだったとは全く気が付きませんでした。
サクサク読めるのと主人公がなかなかない正直者なキャラクターで楽しく読むことができました!
Posted by ブクログ
【収録作品】
第一章 消えたポラロイド
第二章 悪王の死
第三章 無意味な足跡
第四章 密室毒薬遊戯
終章 月とナイフ
名探偵として有名な大叔母・時夜遊が通っていた学園に入学した時夜翔。望まないのに2代目として期待されるのをのらりくらりとかわしていたが、周りの期待は高まるばかり。
キャラも設定も面白いのだが、一つ一つの事件が小粒。大叔母の死の真相も、途中に出てくる「観客」の正体も、翔が助言を求める相手も、ラストも、お手本通りでそつはない。
Posted by ブクログ
再び…と書いてあるが何かの続編ではない。多分。
主人公は女子校に入学する。その女子校には30年前に大叔母が通っており、数々の難事件を解決したため銅像や名所や読み物にまでなっている。
ポラロイドカメラで下着姿を撮りあって大浴場でその写真を撮られて脅された事件。大叔母の亡霊と滝壺で出会い、推理してもらう。写真は持ち込んだ後水に流されたので、脅迫状に写ってた人は犯人。
美術室でイーゼルで殴られて昏倒した傷害事件。最後に入室したヤツが犯人。
新聞部合宿で先生側が刺殺された事件。先生が自分でイタズラしてて落ちた拍子に腹を刺してしまった。
これら三つの事件が、名探偵大叔母が挑んで最後に滝に真犯人Mと身投げした事件と似ており、真犯人がいるのでは?という話や、影から大叔母の亡霊と推理しているのを見ている人の視点が間に挟まる。
そして、大叔母のルームメイトで寮長の真舟が二代目Mだと告げる。そして、どんでん返しは、翔が頼ってきた亡霊は実は大叔母ではなくMであり、その事実は提示済みであり、寮長は既に警官につけられていたこと。