あらすじ
芥川賞受賞作&30万部のベストセラー
世界各地で翻訳続々!
最高に不穏な仕事×食べもの×恋愛小説!
解説:一穂ミチ
「二谷さん、わたしと一緒に、芦川さんにいじわるしませんか」
真面目で損する押尾は、か弱くて守られる存在の同僚・芦川が苦手。食に全く興味を持てない二谷は、芦川が職場で振る舞う手作りお菓子を無理やり頬張る。押尾は二谷に、芦川へ「いじわる」しようと持ちかけるが……。どこにでもある職場の微妙な人間関係を、「食べること」を通してえぐり出す芥川賞受賞作!
共感が止まらない!
「わかりすぎてえぐい」職場ホラーNo. 1
サイコホラー小説? ミステリー小説? それとも恋愛小説? 不思議な感覚で読めた小説です。(文教堂横須賀MORE’S店/矢部直利)
喉の奥に詰め込んだ言葉や感情を吐き出したくなるような気持になった。(くまざわ書店サンシャインシティアルパ店/河口茜)
表紙・タイトルのほっこり感と内容とのギャップを、ぜひもっともっと多くの方に感じてもらいたいです。(明屋書店喜田村店/高橋杏奈)
感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
自分の体を労われ、そのために自炊をしろ、ちゃんとしたものを食べろ
これの考え自体には私は肯定する
それは体という資本がなければ、何もできなくなるから
だが、それは私がそれを重要だと感じているからであり、そうでない人にとっては枷になるのだと感じた
私はいろんなことを経験して生きたいという志向性があるが、そうでない人にとっては日々生きながらえればいいだけ、そこに価値を置いていないのならば、世間一般の「体を労われ」というメッセージは拒否感を示すものになるのだと思う
二谷の、残業してスーパー行って自炊して風呂入ってなどしていたら生きてる時間はこれっぽっちしかないというセリフは、まさに現代人が感じていることだと思う
それは自炊をしている私も思う
何に時間を割くのか?限られた24時間の中で何に時間を割くのかは、人によって違う
飲み会に割くのか、自炊に割くのか、スキルアップに割くのか、睡眠に割くのか
自分を労われという言葉は、極めて一般的で非の打ち所がない普遍的に正しいと思える言葉だからこそ、その言葉が孕む攻撃性に目を向ける機会ができた本
再読後も不思議な感覚になる本だった
Posted by ブクログ
このほっこりするタイトルとゆるい装丁のイラストから誰がこんなストーリーを想像するだろうか。
それくらい裏切られた作品だった。
整えられたキッチンで作ったおいしいご飯を大切な人と囲む時間がメインに描かれたごはんもの小説だと思いページを進めていくと、そんな描写はどこにもない。
ギスギスしたオフィスでのやりとり、「生きるための義務」のような形で食事を摂る男の人、彼の食生活を想って手作りを届ける彼女。
なんだかざらざらした空気を感じずにはいられない。
いろんなごはんが出てくる食べ物系小説はいつも読みながらお腹が空くがこの小説は逆だ。
食べ物の描写はたくさん出てくるのになぜか食欲が削がれるので要注意だ。
芦川さんのような人、職場にいるんだよなあと思いながら読んだ。善意の押し付け、って断る方が嫌なやつにされちゃうんだよなあ、とも。
このタイトルはきっと芦川さんが伝えたいことであり、二谷さんを苦しめるワードでもある。2人の中を隔てる一文だなと。
忙しくても体にいいものを!なんて手軽に口にしていたが、忙しい人にとってはそれは呪いの言葉にもなるんだなと知った。
手作りを押し付けてくる彼女に嫌気がさしながらも、かわいいところもあり、自分にはこれくらいの人がおあつらえ向きなんだと受け入れて付き合う二谷。
芦川さん目線の描写がないのでわからないが、私的に彼女は二谷の思っていることには気づいていると思う。気づいていて、見ないふりをしながらも
「私みたいな人が結婚相手に相応しい」と実感しているからこそ、付かず離れずの距離をとっているのかなと思う。
お互いの利害の一致で一緒にいるのではないかなと。
短いページの中にこんなにも居心地の悪さの詰まった小説は初めて。
結婚後の2人を少し見てみたくもある。
Posted by ブクログ
この毒々しさと真実が語られてる感じ好き、
私は正面からぶつかってく押尾さん推し!
そして二谷のような卑怯な人間が大嫌い(笑)
“正しいか正しくないかの勝負に見せかけた、
強いか弱いかを比べる戦いだった。
当然、弱い方が勝った。
そんなのは当たり前だった。”
の文章に詰まってる理不尽と
人生かけて戦ってるけど
たしかに弱い方が勝つ確率は圧倒的に高い。
けど時として【正しいか正しくないか】の戦いに
引き戻してくれる外的力が加わることもあって
そうすると必ず勝てる。正義は勝つ!!!
これだから人生って楽しいよね、と私は捉えてる。
“正しさ”が全てではないと去年学んだけれど
少なくとも私は正しい人間でありたいから。
Posted by ブクログ
めちゃくちゃ面白くてめちゃくちゃ胸糞悪かった
この本を読んで誰にムカつくかでその人の人となりがわかるなと思った
ちなみに私は、押尾全肯定派、芦川死ぬほどムカつく派、二谷サイコパスすぎて怖い派
押尾芦川については、読者が女性であった場合、女性であることで損をしてきた場面が多かった人、特をしてきた場面が多かった人で感じ方が異なるんじゃないかと思った
愛され専業主婦的なブログをしてる人が芦川全擁護で押尾全批判だったのがリアルだった
二谷サイコパスすぎて怖い派については、もう本当に怖かった
好きなタイプの女性に苛ついてるのに、そういうタイプの女性にしか欲情しないって怖すぎるなと思うなどしました
なんで居心地悪い思いしながら面倒な女を選ぶのか最後まで理解が出来なかったけど、苛つく女を屈服させることに快感を覚えているのかもしれないという自分なりの結論に至って余計に怖くなった
だけど実際に職場に二谷がいたら、押尾と同じような感じになったと思う
男性が読んだら二谷についてどう思うのかめちゃくちゃ気になります
押尾は共感出来るところが多すぎてしんどい気持ちになった
めちゃくちゃ嫌いだけど人として一番強いのは芦川だと思う
Posted by ブクログ
ご飯を通じて人間関係の妙を描いた作品。
芦川さんとは建前、押尾さんとは本音の付き合いという感じかな。
会社での人間関係って、こんな感じになってる部分は大いにあると思う。
Posted by ブクログ
タイトルや表紙からは想像がつかない話だった。
勝手にほっこりした話やエッセイみたいなご自愛本なのかと思って購入したので、驚きましたが面白かったです。
私はご飯に楽しみを感じているタイプだし、料理を作ることも好きなので共感は少なかったですが、食事をただただ栄養補給としている人にとって食事に質や意味を求められるのは本当に苦痛だろうなと思いました。
唯一共感した部分は味に感想を求めてこないからただ私が美味しいと感じるだけでいいのが良いみたいなニュアンスのセリフでした。
Posted by ブクログ
人が持ち得る悪意の塊を書き起こした本だった...。表紙・タイトルと内容のギャップがありすぎてさすがに危険では?笑
登場人物みんな嫌い、だけど実際その中で私も生きてるという大変複雑な気持ちになる本だった。
弱そうな人ほど立ち回りが上手いのは世の常なんだよな、残念なことに。だからといって自分が同じ土俵に下がるわけにもいかず(それはプライドが許さない)。始終イライラしながら読んでた。
が、人が人を変えることはできないから自分が変わるしかない。押尾さんはこのタイミングで転職できてよかったと思うが、押尾さんの悪意が一番無理。
全体的にすごくすごく嫌だけど、一部共感してしまう自分もいた。それも怖い。