あらすじ
芥川賞受賞作&30万部のベストセラー
世界各地で翻訳続々!
最高に不穏な仕事×食べもの×恋愛小説!
解説:一穂ミチ
「二谷さん、わたしと一緒に、芦川さんにいじわるしませんか」
真面目で損する押尾は、か弱くて守られる存在の同僚・芦川が苦手。食に全く興味を持てない二谷は、芦川が職場で振る舞う手作りお菓子を無理やり頬張る。押尾は二谷に、芦川へ「いじわる」しようと持ちかけるが……。どこにでもある職場の微妙な人間関係を、「食べること」を通してえぐり出す芥川賞受賞作!
共感が止まらない!
「わかりすぎてえぐい」職場ホラーNo. 1
サイコホラー小説? ミステリー小説? それとも恋愛小説? 不思議な感覚で読めた小説です。(文教堂横須賀MORE’S店/矢部直利)
喉の奥に詰め込んだ言葉や感情を吐き出したくなるような気持になった。(くまざわ書店サンシャインシティアルパ店/河口茜)
表紙・タイトルのほっこり感と内容とのギャップを、ぜひもっともっと多くの方に感じてもらいたいです。(明屋書店喜田村店/高橋杏奈)
感情タグBEST3
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Posted by ブクログ
読後に思ったのは、【この話好きだなぁ】だった。タイトルからは、ほっこり系を思わせられたが、全然違うし、「現実ってこうだよね!」「こういう人いるよね!」と思いつつ、「あれ?自分はこの中だったらどの人物に当たるんだ?」なんて考えたりもして面白かった。
一穂さんの解説を読むと、さらに頷けた。
しかし、二谷の【食】に対しての考えは、【食】に恨みがあるのか?と思わせるものがある。【食】の在り方は個人でバラバラでいいのに、強制されるのが嫌なのだろうか?【食】ぐらい弱い立場でいさせて欲しいという心の現れか?
芦川さんをよりモンスターに仕立てたのは藤さんと原田さんだと思う。ああいった人たちが1番やっかい。持ちつ持たれつというのなら、君たちが仕事を肩代わりすればいいんじゃないかな?と思う。芦川さんは箱入り娘で厳しい環境を体験していない。家族に馬鹿にされても、【馬鹿にされる代償として護られること】を選んでいる。顔がある程度可愛くなかったら無理だろうなぁ、と冷めた感想も浮かぶ。二谷は芦川さんがある程度可愛いからと、【結婚しなきゃいけない】から芦川さんといるんだろうし。
無理に結婚しないで好きに遊べばいいのに、とこれまた冷めた感想が浮かんだ。
押尾さんは、まともに芦川さんを喰らいやすいから余計に巻き込まれて【意地悪する】行為に至ってしまった。芦川さんに巻き込まれないようにするにはどうしたらいいのか…おそらく、1番上の人が自分の感情ではなくみんなの気持ちを代弁してくれる人だったら少し回避しやすいかもしれない。ましてや「材料費をカンパしよう」なんていうアホ上司じゃなければ救われていた。「休んだのに手作りのお菓子をもってくる、ということがどれだけ反感を買うか」を芦川さんに教えてあげれる職場だったら良かったのに。せめて週明けにお菓子作って配るならわかるけど。そもそも、【手作り】が苦手な人もいるという前提を理解せず押し付けるのが意味がわからなかった。
こんな風に自分の黒い部分を刺激される、面白い話だった!
Posted by ブクログ
芦川さん嫌い。イライラした。
そういう私は押尾さん側の人間だからだ。
繊細ヤクザ的な、弱い人間が周り人に気をつかうのを強要してくるのが辛い。
Posted by ブクログ
まずこの本はめちゃめちゃ薄いんですよ。すぐ読めるかなって思って買ってみた。この薄さにこれだけ濃い内容詰めれるのすごい。舞台も本当に狭いで身近すぎる。自分の席の隣で起こっててもいいくらいな。二谷には感情移入できないし、芦川さんまじで身近にいてほしくない。押尾さんの最後にメンバーに放った言葉にはガッツポーズ。書評の通り、このタイトルが良い意味じゃないことってあるんだ。
Posted by ブクログ
私は「食べること」は人生を豊かにするものだと信じてやまない側なので、二谷には共感できなかった。
でも、善意でお菓子を持ってくる芦川さんにも、嫌悪感を抱いた。
それってなんか、旅行に行ったらお菓子を買ってこなきゃいけないみたいな、半ば強制的な、そういう感覚ともちょっと似ているんじゃないか。
一人暮らしだと、同じものや大したものではないものを「摂取する」という行為だけど、誰かと一緒の時は「おいしい」を共有できる「食べる」という味わう意味合いになると思う。
「食べること」を共に楽しめる人との関わりを大切にしていきたいと思った。
Posted by ブクログ
スッキリしない終わりだけど、なんだか満足するお話し。
私は芦川さんのように、度々体調を崩して早退したり休んだりするが、周りにこのように思っている人がいるのだと思うと、申し訳ない気持ちが今までよりもグッと大きくなった。でも、体調が悪いから早退しているのに、お菓子を作る余裕がある芦川さんは理解ができない。
だから、私は同僚の押川さんの意地悪したくなる気持ちも理解できた。
二谷さんは芦川さんと結婚したら、どんな食生活を送っていくのだろう。きっと変わらずカップラーメンを深夜に食べているんだろうなぁと思った。
Posted by ブクログ
いやぁ、全然共感はできなかった。食べ物雑に扱うところとか、好きではない。なのにあまり不快感なくするする読めてしまった。二谷の食に対するアレルギーに近い心情が、なぜか説得力があったせいかもしれない。
Posted by ブクログ
タイトルとは違って内容はなかなかダークな感じの内容。
芦川さんは弱くて、みんなが守ってあげないといけない、配慮しないといけない存在で、でもそれには納得いかない気持ちの人も沢山いて……
どちらかと言うと自分は押尾さんの気持ちの方に共感できるな、と思いました。
でも強いものが勝つんじゃなくて、弱いものが最終的に勝ったことは少し複雑な気持ちになりました。
芦川さんは弱いように見せて、本当は神経が図太かったり、嫌なことには鈍感で居られる強さがあるんじゃないのかなと思いました。