【感想・ネタバレ】札幌誕生のレビュー

あらすじ

すべてはここからはじまった――幕末から大正にかけて、未知の土地・北海道にわたり、近代都市・札幌を作った、島義勇、内村鑑三、バチラー八重子、有島武郎、岡崎文吉の熱き物語!

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Posted by ブクログ

ネタバレ

はるか原野の奥の闇に、ぽつりぽつり、橙色の点が横に並んでいる。星の列のようにも見える。
目的地の銭函でかがり火を焚いたのである──。

──まさしく北海道でなければ、しかも民家などの建て込まぬ開拓時代でなければ不可能なやりかた。最長距離の道しるべ。
 
 
 
この物語は、まだ北海道が蝦夷地だった頃。ロシアからの侵略に対して応戦する為、北の障壁となるべく都市の開拓が急務だった。それらの目的の為、世界的にも類を見ない速さで開拓・発展を遂げた近代都市札幌。幕末から昭和にかけて、未知の北海道で生きた5名の男女にフォーカスした、史実に基づいた物語。

島義勇の章では、『北海道開拓の父』と呼ばれ、碁盤目状の街路やインフラ整備など、札幌の基礎を築いた物語を描いた。
内村鑑三の章では、クラークが去った後の北海道開拓の上で切っても切れない、『札幌農学校(現・北海道大学』の学生たちの物語を描いた。
バチラー八重子の章では、アイヌを鼓舞する為に自身の半生を歌集に乗せ、和人と共存していくアイヌとしてのアイデンティティを描いた。
有島武郎の章では、農地解放を行い、小作人による農業組合が日本で初めて立ち上げられるまでを描いた。
岡崎文吉の章では、氾濫の多かった石狩川河川の現代にまで生きている治水事業を描いた。

下手な感想なんてありません。ただただシンプルに、自分の地元をまた一段と好きになりました。

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2025年09月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

札幌の成立過程を、幕末から昭和にかけての5人の人物のドラマを通じて描いた連作短編、門井先生自身が語った創作意図・作品で最も強調したかったのは、「人が住んで街になるのではなく、人はいないが街をつくる」という、極寒の大地で大規模な都市計画をゼロから推進した先人たちの信念と情熱、そして現代にも通じる「自制心」を持った5人らしい・・・が、小説ならば特定の主人公を通過した5人という書き方の方が馴染みある、つまり札幌誕生というタイトルに相応しい観察者が不在なため、読者はバラならの5人の先人話を読まされただけに終わった(辛口)バチラー八重子や有島武郎の話は札幌誕生ストーリーに何も寄与していないと断ずる

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2025年09月23日

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