あらすじ
心臓移植以外に助かる方法が見つかった逞。しかし、その手術はとても難しいものだった。繭は逞の手術を受けることを望むが…逞の決心は!?感動の完結巻!!
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Posted by ブクログ
最終巻。びっくりするくらいサクサク読めた。この作者さんの漫画は完結してから一気に読む方が合ってる気がする。逞が学校を辞めるかどうかの家族会議。逞のお父さん本当にいい人だと思う。涙流さずに読めなかったよ。そして繭のお父さんな。繭のお父さんも良かったよ。なんだろうね、この父親たちは。母親たちは心配してるから故の反対なんだろうけど、ちょっと言葉がきつすぎるよね。本当に憎まれ役を買って出ただけなんだろうか。逞と繭の人前式。高校生だとは思えない誓いの言葉だった。
最後の終わり方は逞の遺書を読む形。捉え方は人それぞれでいいという作者さん。1回目に読んだ時は、逞は助かったんだなーと思って読んだ。高架下の場面からパパの顔だけなかなか出て来なかったから、読者にあれあれ?と思わせて、やっぱり逞でしたー生きてましたーみたいなやつだと超ポジティブに捉えた。
2回目以降読んでみた時には周りのレビューや映画のレビューを見てから読んだので、繭が泣き崩れて遺書を読んでる背景が夜になってるとか、心電図がおかしくなってるとか言われて読んだら、確かに逞死んでそうだなーた思った。映画ではホラーだったそうで。そこまで言われると全ては逞の夢で、やっぱり亡くなっちゃったのかなとも思う。全12巻のカバーが逞の夢だって言うくらいだもんね。私個人としては、くじ運が悪い逞だからこそ、成功例が1件しかない誰しもがダメだと思うような手術で成功して生き延びたんじゃないかなとも思う。
Posted by ブクログ
主要キャラクター
垣野内逞(かきのうち たくま)種田繭(たねだ まゆ)
鈴谷律(すずや りつ)鈴谷昂(すずや こう)
前作『僕は妹に恋をする』の主人公、頼が進学した高校の男子寮長と女子寮長が主人公。重い心臓病を患って幼少時から入退院を繰り返している逞と、一番近い所で支えたいと願う繭の恋物語、全12巻。6巻で『僕は妹に恋をする』と繋がる。
『僕妹』を読んだ時に番外編で寮長の話はないのかなと思ったけれど、やっぱりあったかと言う感じ。それも、番外編の域を超えて立派な作品に仕上がっています。
『僕妹』で寮長のピルケースに色んな種類の薬が入っている絵があったけれども、それ程そこに深く触れていなかったのが気になったのですが、きっと青木先生の中では、その時からこちらの話のことを考慮してたのではないかと。寮長の関西弁の理由も明かされてましたね。
『カノジョは嘘を愛しすぎてる』で興味を惹かれて、青木先生の漫画を読むのは3作目ですが、好みの差はあれど、どのストーリーも内容が入り組んでいて濃い作品で、読者の心をあっちこっちに振り乱し、少女漫画に求めているものより遥かに上のレベルで、訴えてくるメッセージがあるのだなと。
幼少時代から中学生頃のエピソードは、年齢の割に言動が皆大人っぽ過ぎて、若干読むのに不快感が。そこを我慢して読み進めると、作品の良さが見えて来た様に思います。
昂先輩の交通事故、脳死は想定外だったので、かなり残酷に落としてくるなと言う印象。残された律くんのダメージが、かなり大きいですよね。
賛否両論あるラスト、私はこれ以上に良い物語の締め方はないと思います。少女漫画で良くある、なんだかんだあっても最終的にはドレス着て結婚式をして、子供も出来ましたと言う絵を最後の1、2ページに載せるエンディングは、おとぎ話過ぎて抵抗がある為、重厚に終わったところに価値があるなと。
個人的にエンディングを付けるのならば、昂先輩が意識を取り戻し(かなり無理があると思いますが)、逞の叶わなかった夢をかなえると言う感じにしたいかなと。
軽くきゅんきゅん出来る、心のオアシス的な少女漫画ではないので、読後の爽快感を求めることは出来ないと思いますが、ずっしりとした重みがあって、読む価値はあると思います。
『僕は妹に恋をする』、『僕の初恋をキミに捧ぐ』そして『カノジョは嘘を愛しすぎてる』どれもメインキャラクターを男の子にしているのも青木先生の特徴でしょうか。今後の作品も楽しみです。