あらすじ
宝の持ち腐れのような袋小路に、僕はいた――。シニカルな笑いと冷徹な観察力で、都会の人々のままならぬ人生を写した、令和の《没落小説》、爆誕! 日常版「滅びの美学」――麻布競馬場推薦。
「宝の持ち腐れのような袋小路に、僕はいた。」
元ストーカーと暮らしながら他人のストーカーを覗き見る、落ち目のミュージシャン
極度の無駄嫌いで、ビジネスのため東京駅至近の高層マンションに住むM&A会社社長
緑豊かな公園前の低層マンション生活を送るも、突然樹木伐採が始まり困惑する女……
麻布競馬場(作家)、 推薦!。
“日常版「滅びの美学」――極限まで乾燥したユーモアが、人生の空虚を容赦なく照らし出す。”
シニカルな笑いと冷徹な観察力で、都会に生きる人々のままならぬ人生を写す、令和の《没落小説》爆誕!
『バックミラー』発売記念 著者コメント
初の短編集です。厳選した12作の中には、名刺がわりにしたい作品が幾つもある一方、「これは見られたくない」という、作家や人間の恥部そのものを表出させつつ、思わぬ角度から光を当ててくる作品もあり――。結果的に、代表作と思える一冊になりました。
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Posted by ブクログ
羽田圭介さんの短編集。一番気に入ったのっとりの感想を少し書く
合理性を求める主人公が同族嫌悪に陥って、彼らと一線を画すために、さらなる成長を目指し、成長に必要なものを買う。だけど、同じようなものはすでに買っているよねって話
自分の現状を受け入れられないから、同族嫌悪が生じるのである。そういう人が、現状を打破しようと成長するのは至極当然だなって思った。しかも、その人は合理性を求めるから、完璧主義が入っていて、よりそうなるのかなとも思った。
でも、羽田さんは、その合理性を使って、よりよい自分でいたいと思いつつ、いつも同じ研鑽しかしていない主人公を冷笑していたのが面白かった