あらすじ
「枝を落として光と風が通るようにするんです」
若手庭師の錦木の新しい仕事場は鬱蒼と緑が生い茂るお屋敷。
不愛想だが美しい家主・倉岡は、児童文学の小説家だという。
ある日、錦木は倉岡から「小説のモデル」を頼まれ、観察されることに。
苦手だと思っていたのに、倉岡のことがだんだんと気になってきて――。
庭師と小説家、まったく交わらない世界にいた正反対の二人。
互いの世界に新しい風が通り、恋が色づいていく。
静謐で美しい世界観で綴られる、心に沁み込むロマンス。
電子書籍は雑誌掲載時のカラーページを再現&描き下ろしマンガ1ページを収録。
感情タグBEST3
ステキな作品・・・萌え🖤
人の気持ちは言わないとわからない。
でも、上手く表現できなくて誤解させたり誤解したり 本当は近付きたいのに上手くできない。
⋯それが良い!あれこれと思い悩んで⋯良い!
いや〜萌え🖤ました。
描かれているものが綺麗で、学び要素もあって好きです。
Posted by ブクログ
【この家もこの庭も他人事のように思っていたのに・・・ここはもう俺の場所だったんだ(倉岡)】
エロス度☆
おやおや。緑に包まれた小さな箱庭・・・そこで紡がれる純愛がとても尊いですね。
錦木と倉岡が紡ぐ祝福の恋物語・・・・・・開幕。
精悍な庭師と孤独な小説家・・・・・・タイプが真逆なふたりですが少しずつ距離が縮まっていく様が穏やかな時間が流れているようでエモい。
また、倉岡のことを意識していってしまう錦木の懊悩している姿がニマニマだったり、誤解からすれ違ってしまいもどかしい距離感にヤキモキさせられるのもたまらなく、錦木との出逢いで孤独だった倉岡の世界に新たな風が吹き、景色が広がっていくのが尊いです。
Posted by ブクログ
孤独な童話作家と庭師。ゆっくり近づく青年たちを緑いっぱいの庭が優しくとり囲む。綺麗な絵柄で語られる純文学のような理解と癒しの物語。
絵がうまくて綺麗。カバーイラストもブックデザインも各章の扉絵も綺麗で、マイナスイオンを感じる。野鳥の声が聞こえてきそう。BLとしての萌えよりもこうした雰囲気を楽しむ作品だと思った。ここに濡れ場など入れるとぶち壊しになる。
個人的には成人女性同士の出会いと友情として読みたい物語かもしれない。程よい距離感でいたわりと気遣いが続く様子は男性同士のやりとりというよりOLのようで、男たちのホモソーシャル的ないちゃ付きとは異質に感じた。鳩山郁子の描く「少年」であれば成立するかもしれない世界観。成人男性同士でも恋愛とも友情とも分からないまま、BLにならないまま、どこまでも深まる情感みたいな物語だったら逆に萌えたかもしれない。宮沢賢治『銀河鉄道』のジョバンニとカンパネルラのような。