【感想・ネタバレ】垂直線上のストイシズムのレビュー

あらすじ

「まあ、やってもいいくらいには、あんたのこと好きなんじゃねえの?」そんな言葉でそばにいることを許す十四歳年下の男・佐倉朋樹に、新進気鋭の映画監督・弥刀紀章は翻弄される。恋人とも言い難い曖昧な関係の中、弥刀の前に過去の恋の相手でもある志澤靖那が現れる。佐倉との関係に、わざと歪みを作り出そうとでもするかのように振る舞う靖那に弥刀は…!? 崎谷はるひが贈る大人気シリーズ待望の第2弾登場! ※こちらの電子書籍については、口絵や挿絵は収録しておりません。ご了承ください。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

 白鷺シリーズ、スピンオフ2作目です。

 うまくいったようなうまくいかなかったような微妙な距離感の弥刀紀章と佐倉朋樹。
 紀章が新作の追い込みになり、朋樹も警察官になるために寮生活へと入り、すれ違いの二人。
 そんな中、紀章の前にかつての恋人、志澤靖那が現れる。何のかんのと、紀章に干渉してくる靖那に煩わされるけれども、以前より心が揺れない自分に気がつく。
 けれど、靖那に図られて、薬を飲まされ、あられもない姿にされたところで朋樹が紀章の家にやってくる。
 その時の朋樹の反応にショックを受けた紀章は、朋樹に「帰ってほしい」と伝える。
 どうしても自分の温度になってくれない朋樹にじれた紀章だったが……

 という話でした。
 大人が子供で、子供が大人なお話の続きです。
 朋樹に焦れる紀章と、何も言わない朋樹の弱さが最後には見える話。
 完璧に見えた朋樹だったけれど、朋樹には朋樹の事情が実はあって、朋樹だって完璧ではないのがとても切なくて苦しい。

 朋樹の完璧さが崩れて、切なさが見えた分、何だか人間に近くなった気がします。でもその分だけ、普通の話に近づいてしまった気がして残念かなあ。
 ここからもう一踏ん張りかなあ、と思っていて。
 ここはまだ二人にとっての通過点……最後の総まとめな話がすごく楽しみです。

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2018年02月05日

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