【感想・ネタバレ】This is the Airportのレビュー

あらすじ

私は、ずっと前から、滑走路で助走していたのかもしれない――パリからの留学生と暮らしを共にすることとなった夫婦、自分の強みを生かして奮闘するツアーコンダクター、もう辞めようかと悩む書店員、ある事件の影響で飛行機はおろか空港にすら近づけない女性……。空港では、多くの人びとがすれ違い、時に交差する。みなそれぞれに屈託や葛藤を抱えながら、それでも明日を信じて。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

短編集だけど、1話1話に読み応えがあってとても面白かったです!
空港にはさまざまな人がいる。
幸せな気持ちへ旅に向かう人も、
悲しい気持ちでどこかへ帰る人も。
そんな当たり前のことに気付かされました。
そして旅立つ人だけではなく、そこで働く人たちのお話もあるのが面白かったです。
グランドスタッフや、航空署で働く人、はたまた空港内のディスプレイ製作者や書店員まで
さまざまな職種に光が当たっていて新鮮でした。
中でもやはり書店員の矢崎さんのお話が興味深かったです。普通の書店に比べて、空港の書店に来る人はもう2度とその書店に来ることは無いかもしれない。そんな中で本を紹介する緊張感だったり、空港という場所だからこその棚作りになやむ姿など読んでいてなるほどなぁ…と思ってしまいました。
そして連作ということでさっき出てきた人が…!というシーンが度々あって楽しく読むことができました!

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2025年08月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

6編からなる短編小説。ゆるくつながる感じ

最後のタイトルと同じ「This is the Airport」が一番良かった。

3.11のテロで飛行機に乗れなくなった瑠美。そのために大好きな夫裕也と別れることになる。辛い展開だった。

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2025年10月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

一話目であまりにも知識レベルが自分と違う人の話が出てきたので、どうだろう〜…と思いながら読み進め。
ツアー添乗員10周年目で自分の進退に迷う早織さんの話が一番好き。ロンドンツアーのメンバーが揃った時、私もうるうるしてしまった。その話を読んだ日は幸せな気分で眠れた。

小人になりたかったディスプレイ会社の人の話も好きだな。相容れないと思っていた石丸さんといい仕事ができて良かった。でもドレスは相談してからの購入の方がいい。

ラストかなり重い話での締めくくり。トラウマって言葉が軽くなってしまったけど、本来のトラウマってこういうレベルだよなあ。
そんなしんどい過去を抱えながら、周りを助けていく登場人物たちは本当に強くて、優しい。どうかこの人たちが報われる社会であってほしい。

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2025年08月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

空港を舞台に、6つのストーリー。

表紙のイラストに誘われて、ふわっと読める。

空港ーいろんな人が集まる場所、というイメージ通り、それぞれのストーリーが紡がれています。

この本では6話のうちで4話が、そんな空港をそこを職場(の一部)とする人たちが主人公になっていて。

海外旅行添乗員、グランドスタッフ、空港の書店員、ディスプレイ業者のリーダー。

きっと、そこで働く人たちの多くは、「人」とても興味があるんだろうなーという感じがして、

そして、そこで働く人じゃなくても、空港は、他者に思いをはせる場所でもあるのかもしれないなーと。

人をそんな姿勢にさせる場所。

各短編では、パートナーとの関係や、結婚についての話などもまあまあ出てくる。

出会いがない、難しい時代、と言ったりするけれど、

最近急にとある職場の人が、私はぜったい誰かを見つけたほうがいい、と、すごく素直に真剣に言ってきて、全然それは不快でもなくただちょっとびっくりしたのだけれど、

その後、なかなか難しいよねー、でも、人を普段からどういう目線で見るか、だよねーとか話してくれた。

なんだか普段の日常では出会わないような人と出会ってみたい、

とか、もしかしたら出会えるかも、とか、

非日常への「出会い」へのセンサー、みたいなものを、なんだか感じさせられました。人への興味。恋愛だけではなく。それは同じ人でも、空港というところに対するイメージとかが重なって、そこに近づくと自然と働くとかかもしれない。みんなではないだろうけど。そんな人も多くいる、だからいろんなストーリーが生まれる空間。トキメキ、をちょっと探してみているような。

あと、時折出てくる、コロナとか、同時多発テロとか、東日本大震災の影響。

それぞれの生活に、後を残していった出来事。自分はその時どうだったとか、また少し思い出したり、そしてフィクションではあるけれど、ストーリーを読みながら、他者の経験にも想像を広げる。

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2025年05月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

空港に行き交う人、仕事で関わる人の六つの物語からなる短編集です。

第一話は、初めて空港に来た家族が、ホームステイする留学生を迎え入れ、過ごすなかでの気持ちの揺れが描かれていました。次にツアーコンダクター、空港内の書店員、グランドスタッフ、ディスプレイを施す人の物語が順に語られていきました。これらの五つの物語は、空港から飛行機が飛び立つように、前向きに明るい未来がうかがえる内容でした。

最後の「This is the Airport」だけが震災、テロ、コロナ禍を扱った物語で、一人の女性の人生を中心として描かれていました。震災やテロを経験したときの恐怖や絶望、その後の人生の変化に思いを寄せることができました。立ち直るまでの大変さ、出会った人や友人との絆が描かれていました。最後は、もう一度会ってほしい人と会える場面があり、とてもいい場面でした。少しかけ足で描かれたようにも思いましたが、最後は希望が見える終わりかたでよかったです。

第一話 外国の女の子
第二話 扉ノムコウ
第三話 空の上、空の下
第四話 長い一日
第五話 夜の小人
第六話 This is the Airport



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2025年04月30日

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