あらすじ
「戦費調達」の絶対使命を帯び欧米に向かった高橋是清と深井英五。彼らを待ち受けたのは、急速に進化した二十世紀初頭の金融マーケットであった。未だ二流の日本国債発行を二人はいかに可能にしたのか? 当時の市場の動きを辿ることで外債募集譚を詳細に再現し、全く新たな日露戦争像を示す――これはもう一つの「坂の上の雲」だ!
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Posted by ブクログ
これはすごい本です。
日本人全員が歴史教育課程で読むべきです。
ドラマティックに語られる日本史において
常々抱いていた疑問、
「それ、誰が金を出してるの?」
日露戦争における、
その疑問を完璧にクリアにしてくれました。
副題の通り「高橋是清と欧米バンカーたち」の
活躍(暗躍?)が見事に描かれております。
他の著作も読んでいきたいと思う。
Posted by ブクログ
・学校の教科書で習った「日露戦争」。司馬遼太郎『坂の上の雲』で描かれる英雄的な明治期の日本人たちの雄姿は記憶に新しい。本書は華やかな戦物語の裏で戦費調達の使命を帯び欧米に向かった高橋是清と深井英五を中心に、当時の金本位制を元に為替レートを安定させた20世紀初頭の国際金融市場の動きを追う。二人は、当時二流以下の扱いだった日本国債発行をいかにして可能にしたのか?この物語は資金調達に奔走した人々の軌跡、金融版「坂の上の雲」だ。
・当時、日露のGDP/人は大体同じ水準だった(しかし人口や国土の広さ等国力のその他要素はロシアのほうが上)というのが意外だった。
・この本を読んでユダヤ資本(JPモルガン等)や貨幣制度について興味が湧いた。