あらすじ
かつて一大遊郭が栄えた、閉ざされた島。独自の文化が息づく島で、美貌の姉弟・白亜とスケキヨは互いのみを拠りどころに生きてきた。しかし、年頃になったふたりは離れ離れに売られてしまう。月日が流れ、島随一の遊女となった白亜は、スケキヨの気配を感じながらも再会を果たせずにいた。強く惹きあうがゆえに拒絶を恐れて近づけない姉弟。互いを求めるふたりの運命が島の雷魚伝説と交錯し…。
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Posted by ブクログ
容姿の美しい姉弟がすれ違う物語。
姿は見えないけれどお互いに存在を必要とし、嫌われることを怯えていたのは同じだったのだという姉弟愛に惹き込まれました。
回想によく出てきたあの夜の出来事は、白亜を誰かの手によって汚されたくないというスケキヨの人間味溢れる気持ちからきたことだとわかったところが良かったです。
読み終えてから、もう一度冒頭のほうにある雷魚の伝説のお話を読み返しました……!
Posted by ブクログ
千早茜さん、5冊目でした
没入感あり、美しくて儚い遊郭の世界。
夢を見ない島の人々。
悲哀感、暴力もありながらも、わたしはこの浮遊感に浸りました。
スケキヨ,白亜、好き
深い愛、嫌われるくらいなら、、そうか
好みの一冊でした!
Posted by ブクログ
すべての出来事が白亜の知らないところで起こっているのがなんとなく恐ろしくまた悲しくもある。二人はお互いを心から大切に思っているからこそ嫌われたくないと感じ踏み込めなくなっている。そのもどかしさにこちらがなんだか落ち着かなくなる。最後は白亜が自暴自棄のようになり遊郭に火をつけ、その後スケキヨに買われる。二人が無事あえてよかったと素直に思えない。もし、もっと早い段階で会えていたら、お互いが恐れず歩み寄っていたらとつい考えてしまう。
Posted by ブクログ
こうゆうお話好きだ...となった作品です。
蓮沼のキャラ良すぎるな
スケキヨは欲を言うならもう少し掘り下げて欲しかったなという感じです。そしたらもっともっっと素晴らしい作品になったのに!と個人的に思いました。
Posted by ブクログ
遊郭の島、閉ざされた島で、生きる姉弟、白亜とスケキヨ。互いを存在意義として生きている二人のたどり着く先は?というお話。
世界観、舞台設定、吉原的、時代設定とか、どこでもないけど、どっかにありそうな既視感、好き。
表紙とタイトルに惹かれて、衝動買い。
白亜目線からの語りなので、スケキヨの存在と正体がハッキリしていない。
でもそれが不思議で謎めいていて、ついついページ捲ってしまう。面白い。
結局、彼は雷魚の化身だったりするのか?
タイトルの「魚神」が、効いてくる展開になっていてよき。
二人の互いへの執着、特にスケキヨから白亜への想いが、読者み含めて周囲にはバレバレなのに、白亜にはさっぱり伝わってないのがもどかしいと感じつつ良い。
蓮沼の「子どもなんだな」という表現がピッタリ。納得。
だからこそ美しく映るし、残酷でもある。
そういう関係性を描き出しているのがとても面白い。
綺麗だった。耽美、っていうのかな?こういうの。
ところで、蓮沼、好き。
白亜が彼を選んだのは非常に好感がもてた。
最後まで格好良かったし。
二人の未来に光がないのは明白で、その闇に白亜を巻き込まないように自分だけで死を選ぶ姿に、男の美学を感じたわ。
冷酷な面も含めて、一種カリスマ性がたまらないです。昔の任侠映画とかにいっぱいいたタイプの人。
ホント、嫌いじゃない。
蓼原、生きてて良かった。
いっぱい死亡フラグたっていて、気が気じゃなかったわ。
しかし、これはハッピーエンドじゃないんだろうね、、、スケキヨが白亜を取り戻すまでのお話なんだろうな。
Posted by ブクログ
【2023年150冊目】
鮮烈なデビュー作ですねぇ…。ありそうだけれど、実際にはない架空の世界。そこで紡ぎ出される白亜を中心とした物語。
登場時から、おっ、て思ってましたが、やはり蓮沼、好きになるキャラクターでした。こういう役どころはずるい。かっこよすぎる。後半になるにつれ、一言一言がぐさぐさ刺さる。命の炎が激しい。
スケキヨは、あの、とりあえず名前、なんでこれにしちゃったんだろうという思いが。完全にあの一家がチラつきました。ほとんど出てこないのに、印象の強い人物ですが、好きか嫌いかを聞かれるとよくわからない感じでしたね。
しかし、本来であれば白亜の強い感情の向かう先がストレートにスケキヨに行きそうなものなのに、そうじゃなくて蓮沼という登場人物に向かったところが、刺さりました、深く、私に。
首絞めはあれかな…そういう性癖が生まれちゃったのかな、ちょっとそこはよくわからなかったですが。
鮮烈、でした。