あらすじ
夫が姿を消して傷心のまりあは、一人訪れた南の島で助産院長の鶴田亀子と出会い、予想外の妊娠を告げられる。家族の愛を知らずに育った彼女は新しい命を身ごもったことに戸惑うが、助産院で働くベトナム人のパクチー嬢や産婆のエミリー、旅人のサミーや妊婦の艶子さんなど、島の個性豊かな仲間と美しい海に囲まれ、少しずつ孤独だった過去と向き合うようになり――。命の誕生と再生の物語。
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Posted by ブクログ
最初のうちは肩に力が入り、私が痛いのを治してあげようとおごった考えを持って失敗した。そう思うことは、自分がその人よりも上に立っているということだから、どうしても傲慢な心が芽生えてしまう。大事なのは、心を空っぽにすることだった。ただただ、相手の呼吸に合わせていく。
ザ、小川洋子。困難から逃れてきた女性が優しい人や環境の中で立ち直っていく話。すごい揺さぶるほど大きな出来事が起こるわけじゃないけど、一つ一つが女性の心や考え方を変えていく。
お産がテーマということで、奥さんが妊娠中やそれまでに読んでおきたかったなーと思った。体のことも心のことも、やっぱり作家さんが言語化するとよくわかる。ご本人は経験がないそうだけど、たくさん取材されたんだろう。
緩やかに過ぎ、人に必要とされ愛されていき、いよいよ出産。まさか悲惨なことはないと思っていたけど、最後は島で同じような暮らしを続けていくエンドか、と思っていたけど、それはちょっと都合が良すぎるエンド。何をしれっと戻ってきとるねん。入り口が入り口だけにハッピーエンドとしてはちょっと読めなかった。
Posted by ブクログ
『つるかめ助産院』は、夫の失踪で心を閉ざしていた主人公が、南の島で個性豊かな人々と出会い、支えられながら少しずつ前を向いていく姿が印象に残った。
最後に夫が戻ってきた展開には、少し意外な印象を受けた。主人公が島で多くの人と出会い、自分の力で前を向いてきたからこそ、その経験を胸に、自分自身の人生を選ぶ姿をもう少し見てみたかった。
この作品を通して、人とのつながりに支えられることで、人は再び前を向くことができるのだと感じた。人の温かさと、生きることの大切さを考えさせられる作品だった。
Posted by ブクログ
南の島の助産院で赤ちゃんを産むお話。
皆辛い過去を経験しながらも今を生きている。
前向きな話ばかりではなく、人が亡くなるという悲しみも描かれていて、主人公のまりあが成長していく様がとても良かったです。
私は出産を経験したことがありませんが、なんと尊いことかと感じました。
世のお母さんは皆凄いですね。
唯一残念だったのが、行方不明の小野寺君がラストに突然現れたこと。
ハッピーエンドで良いのですが、まりあは島でゆったり子育てするのかと思っていたので驚きました。
Posted by ブクログ
穏やかに流れる島の暮らしを
そっと覗けるような作品。
最後の再会のところはなんだか
あっさりすぎて?!?!?!だったけど、
よかった!
Posted by ブクログ
優しげな物語を描く作者とは知ってたけど、本音としては「まあ、こんな感じだろうな」という範疇で特別驚きや感動は無かった。というか、単純に読み手の性別や年齢によって大きく受け取り方が違って自分には刺さりきらなかったというところか。
主人公のまりあが妊娠とか、失踪した夫を探して島に来るとか、そういうのはさておき、なぜか島に滞在することになったとして十ヶ月!?とか夫の件は…?とかなんか妙に現実味の無さを意識したのが多分楽しみきれなかった敗因。
失踪の原因とか、帰るに至った経緯とかオカルトにより切らず。ちょっとは回収して欲しいものである。
でも、「努力すれば全員が天才になれるはず」とか「命を産み落とすのもまた命懸け」とかいいことは書いてあった。