あらすじ
夫が姿を消して傷心のまりあは、一人訪れた南の島で助産院長の鶴田亀子と出会い、予想外の妊娠を告げられる。家族の愛を知らずに育った彼女は新しい命を身ごもったことに戸惑うが、助産院で働くベトナム人のパクチー嬢や産婆のエミリー、旅人のサミーや妊婦の艶子さんなど、島の個性豊かな仲間と美しい海に囲まれ、少しずつ孤独だった過去と向き合うようになり――。命の誕生と再生の物語。
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Posted by ブクログ
島ののほほんとした話かと思いきや艶子さんが流産きっかけで想像妊娠で人形を産んだり、まりあが捨て子で亀子が子供堕したのと両親自殺、パクチー嬢が父親に襲われ妊娠経験ありと中々ハード。「食堂かたつむり」で飼っていた豚を殺した場面を思い出した。
人見知りぽいまりあが亀子に打ち解けるのが早すぎたように思ったのと何故小野寺君が失踪し戻ってきたかは気になったが、面白かった。
タコを今度食べさせてやる、が死亡フラグで長老が死ぬのは読めた。
Posted by ブクログ
優しげな物語を描く作者とは知ってたけど、本音としては「まあ、こんな感じだろうな」という範疇で特別驚きや感動は無かった。というか、単純に読み手の性別や年齢によって大きく受け取り方が違って自分には刺さりきらなかったというところか。
主人公のまりあが妊娠とか、失踪した夫を探して島に来るとか、そういうのはさておき、なぜか島に滞在することになったとして十ヶ月!?とか夫の件は…?とかなんか妙に現実味の無さを意識したのが多分楽しみきれなかった敗因。
失踪の原因とか、帰るに至った経緯とかオカルトにより切らず。ちょっとは回収して欲しいものである。
でも、「努力すれば全員が天才になれるはず」とか「命を産み落とすのもまた命懸け」とかいいことは書いてあった。
Posted by ブクログ
今まで周りに「育む人」がいたことがないから、生命の誕生にしっかり触れる初めての機会になった気がした。
島の人の心のゆとりとか、考え方の違いは私もとても魅力的に感じることが多かったので、それをうまく表現してくれていて、読んでいて心地よかった。
最後の終わり方はキレイすぎると思いつつも、幸せに包まれる最後だったので、良かった。