あらすじ
法廷×デスゲーム×本格ミステリ! 第28回日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作。大学生の実帆に届いた裁判員選任の案内状。事前オリエンテーションとして呼び出された裁判員たちに異例の事態が訪れる。一方、事件を担当する弁護士の羽水は検察のストーリーに疑問を抱き、見逃された謎に着目する。被害者の靴下が片方だけ持ち去られたのはなぜか? それを元に事件の洗い直しを始めるが……。伏線だらけのタイムリミット脱出劇。
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Posted by ブクログ
とっっても面白いミステリーでした!
話が二転三転、こっちに決まったと思ったら
それが覆されて実は…!と最後の最後まで真相が分からず急いで読み進めてしまいました。
裁判員制度で集まった(集めた)人々に復讐することが目的かと思いきやそれは土台で、
本当の相手はさらに…と驚かされっぱなしでした。
また、最初の実帆の印象は私の中でそんなに気の強くない女の子、といった印象でしたが物語が進むにつれ、推理力・思考力のすごさや物怖じせず答える場面があったりと、強く賢く優しい人だなと感じるようになりました。
これは想像ですが、佐藤のお母さんと似ているような気もしました。
実帆のその後が知りたいです。
Posted by ブクログ
裁判員裁判への問題提起。
裁判員裁判をちょっとでも知っていたら、舞台設定が不自然なのがわかる(弁護士事務所でアルバイトしている実帆がそこに気づかないとか…)が、そこはスルーしないと話が進まない。
裁判の対象になっている事件と、それを巡って集められた人たちの事件と、二つの事件を扱っている。
復讐、なのだろうが、最も悪い相手(=事情もわからなずバッシングしてくる外部者)には復讐できないジレンマがある。
言論の自由をはき違えている輩にはそろそろ黙ってもらいたいものだが、諸刃の剣なので難しい。マスコミにはプロの矜持を見せてもらいたいものだ。