【感想・ネタバレ】ぼくが生きるということは、きみが死ぬということのレビュー

あらすじ

ブラック企業で疲弊し切った航平と、末期がんで余命宣告を受けた一児の母、美羽。満開の桜の下で二人は入れ替わってしまう。「死にたい」航平と「生きたい」美羽は願いを叶えたはずだったが、〝それぞれ〟の人生を送るうちに本当の気持ちに気づき、お互いを思いやっていく。果たして「死ぬ」のはどちらなのか。ラストにあなたは涙する。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

このページにはネタバレを含むレビューが表示されています

Posted by ブクログ

ネタバレ

最初は「よくある“入れ替わり”ものかな?」と思って読み始めましたが、この物語はこれまで見てきた入れ替わり作品とはまったく違いました
多くの入れ替わり作品がコメディや青春を描く中、この作品は「生」と「死」という重いテーマを扱っています

生きることが辛く死を望んでいた航平と、末期ガンで小さな娘を残して死にたくない生きたいと願っていた美羽
二人の思いが満開の桜の下で交差し、入れ替わるという設定はとても印象的でした

入れ替わった後、二人は最初こそ戸惑いますが、お互いの人生を演じるうちに、相手の想いや苦しみに触れ、本当の意味で「戻りたい」と願うようになります
特に「桜が満開になるまで、癌の身体は耐えられるのか」という問いかけが、時間の残酷さをひしひしと感じさせました

航平が美羽として、美羽の両親と話すシーンはとても泣けました。娘のふりをしながらも、彼自身の言葉で気持ちを伝えようとする姿に、航平の優しさと覚悟が強く伝わってきました
家族の愛情や絆の深さを感じる、忘れられない場面でした

ラストはとても切なく、読み終わった後もしばらく心に余韻が残りました
入れ替わりという“奇跡”が、ただの奇跡ではなく、互いの人生を深く理解するための“試練”だったように思います

物語の中で、航平に「夢を諦めないで」と伝える美羽が、小説を書いていた航平のノートを見つけ、タブレットをプレゼントする場面がとても素敵でした
そんな美羽は本当にかっこよかったです

そして航平も、美羽として生きる中で、慣れない化粧を動画を見ながら一生懸命にしている姿に、彼の優しさと真剣さがにじみ出ていて心を打たれました

0
2025年10月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

生きたいと願う末期癌の女性と死にたいと願うブラック企業で働く男性が入れ替わってしまう。抗がん剤の治療の場面の描写はリアル。癌を患う前にはバリバリ働いていた美羽は入れ替わっている間に業績をグングン伸ばした。ラストは涙が止まらなかった。

0
2025年06月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

その目でまた桜を観て(入れ替わりを)願わなければという気持ちが、生きる原動力にもなり、死のトリガーにもなる。
矛盾するようにも感じるけれど、誰かのためでなく「自分のためにちゃんと生ききる」ためなら、自分もこの選択をするだろうなと読み終えて思いました。
普段あまり考えないけど「自分のための人生」って何なんだろう、ってちょっと考えさせられました。

美羽さんの全方向でのシゴデキぶりが眩しかった!

0
2025年11月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

美羽さん出来杉さんでした( ・ᴗ・̥̥̥ )
生きたくても生きられない人もいる中で、自分は恵まれていることを忘れないように、無駄にしないように生きたいです

0
2025年05月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

胃がんの治療はNivo+SOX療法だろうか。ひょんな事から他人の人生を生きることとなった2人の、理想と現実の乖離が描かれていた。「幸せ」だったり「生存意義」ってのは人それぞれ価値観違うし、置かれている環境によっても感じ取り方は異なると思う。死を目前にすれば一つ一つの小さな幸せを大事にできる。だけど、他人の人生を生きるということはその人生すらも変えてしまうということ。自分の人生は自分で生きる。自分に責任がある。目一杯、精一杯生きてみようと思えた。消して今の境遇や環境が理想的であったり望んでいるものでは無いのかもしれない。他人と比較して劣等感を感じるかもしれない。それでも自分は自分として、この素晴らしい人生を無駄にせずやりたい事をやってもがいて苦しんで生きていこうと思う。

0
2025年05月17日

「小説」ランキング