あらすじ
一度、逃げだしたわたしでも
また、ステージに立っていいのかな
部員がつぎつぎやめて
自分も幽霊部員になってしまった過去をもつ冴島。
部長なのに、と悔やみつづける彼女は、
真意の読めない後輩、高科から
卒業公演で主演をするよう勧められる。
とまどいながらも、冴島は
部員とともに中学最後の舞台にのぞむ。
演劇部シリーズ第2作!
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たくさんのものをみんながくれた。
おかげで、こうしてここに立てた。
わたしは、こんなふうにみんなと作る演劇が大好きだ。
ツラいこともあった。けど、それでもやっぱり演劇が好きなのだ。幽霊部員になっても、退部届はだせなかった。それくらいには好きだった。
やめなくてよかった。
つづけられてよかった。
そう思えるようになれて、本当によかった。
(本文より)
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Posted by ブクログ
自分に自信が持てないのに、演劇部の部長になってしまった冴島結海。
部員は次々にいなくなり、部の存続の危機に直面し、幽霊部員になってしまった。
けれど、今年の新入生たちが部を立て直してくれた。
頼りない部長で申し訳ない、という想いは拭いきれず、ネガティブな考えが止まらない。そんななか、最後の公演となる文化発表会で、主人公をやったらどうか、と2年生の高科に推薦されて…。
私も自己肯定感低め人間なので、冴島さんの気持ちがよくわかる。
ポジティブで、ハキハキと自分の意見を主張できる人には敵わないと思う。
リーダーなんて柄じゃない。
でも、傍から見ていると、冴島さんにはすごい長所や魅力があることがよく分かる。
もし私が冴島さんの家族や先生や友だちなら、もっと自信を持っていいんだよ、と伝えたい。
最後まで自分に自信なさげな冴島さんだったけど、そんなに簡単には変われないよな、と現実味があった。
けれども彼女が、自分のやりたい道を見つけて、未来に踏み出す気持ちを持てたことが、嬉しかった。
シリーズ続編、あるかなぁ。次は高科くんのエピソードも読んでみたい。