あらすじ
――あなたは不幸じゃない、あなたの幸福観がまちがっているだけだ。人は大人になるにつれて、生きる上での価値観をお金や権力や美や若さから、精神的なものへとスライドさせることができなければ、生きていることがとてもつらいものになるのではないか――
質問に答え、解放に導く。銀色夏生が今、思うこと。
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Posted by ブクログ
読んでいて、背筋が伸びる本。
一発目が原発についてで、お、ここからなんだ~とちょっと意外だったけど、銀色さんらしい解釈。
うんうん。なるほど、そう考えると気持ちがいいねって感じ。
ご自分でも、武士の挿絵を書いてらっしゃるけど、本当にそんな感じ。
臆することなく、自然体でいろんなものごとに静かに対峙し、すっと決断し、必要とあらば、バッサリ切り捨てるという気持ちの良さ。
Posted by ブクログ
―――私たちはもうヒマじゃない―――
銀色夏生さんが読者の質問をバッサバッサと斬ってく一冊。
質問に近い体験をしていたり、わかることは、自分の言葉でいっぱい回答してくれるんだけど、自分がわからない部類の質問にはハッキリ「ごめん、わかんない」と言ってくれるスタンスがおもしろい。
憂鬱な感情は自分とは違う、ということについて書いていた章が魅力的だった。
憂鬱には勝手に暗いことを考えさせといて、自分は他のことをしていなさい。という教え。
「憂鬱」という自分の一部をさも他人のように扱うのは、悟りの境地だ。
それから結婚について。
恋愛も結婚もみんな他人の意見を参考にするけど、恋愛も結婚もひとりひとり違うのだから、自分で悩んで自分で決めるしかない。
人に相談すると遠回りになるよ。一見、早いように見えて。
これは、よくぞ言ってくださいましたという感じ。
当たり前なんだけど、当たり前のことしか言ってないんだけど、ぐらぐらしちゃうんだよな、にんげんって。
大きな怒りを忘れる方法について。
小出しに削っていくのが無難だけど、たまに、誰かに会ったことで消えてしまう時がある。
あれはたぶん、気持ちの、魂のレベルが引き上げられるからだろう。
穏やかで、寛大でやさしく慈愛に満ちて。
あれがなあ、ああいう時間が長ければいいのに。
私にも、誰にでも身に覚えがある事を、まとまりよくわかりやすく言ってくれる。
銀色さんの言葉で、私の魂のレベルも引き上げられたような気がする。
Posted by ブクログ
このコンセプトで書いた文章が商品になるってすごいなー
ほとんどの人は鼻につく自分の意見の押し付けになりそう。
銀色さん自身が「これのここは取り入れるけどここはいいや」
とかいう他人の意見の取り入れ方をしてて、
自分の意見もそういう風に取ってくれればいいみたいな、
開いて自由で自己責任な感じにとても安心して救われる。
ところで表紙がわりとこわい。
Posted by ブクログ
お悩み相談の本かと思ったけど、銀色夏生さんのエッセイのような本だった。
なんとなく銀色夏生は男性かと思ってたんだけど、実は女性だったのね。
あんまり性別を感じさせない人だなぁと思いました。