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Posted by ブクログ
最初に読んだ時は、なんだか蜻蛉の置かれた立場が辛すぎて、そんなに萌えられなかったんですが、再度読み直したらめちゃくちゃ萌えました! よかった!
とりあえず物語は少し前に戻って、まだ蜻蛉が傾城になりたてのころの話。
吉原にある男の遊廓・花降楼で人気の傾城・蜻蛉は、娼妓の身でありながら仕事で抱かれることに嫌悪感を抱いてしまい、ちっとも客の相手をしようとしなかった。
見かねた遣り手の鷹村に蜻蛉は「いったいどういうお客様ならいいんです」と尋ねられ、「最高に金持ちで、けちじゃなくて金払いがよくて、若くて美男で上品で教養があって顔がよくて話が面白い、優しくて粋で筋肉質で身体もよくてあれも上手」とめちゃくちゃな条件を付ける。
もちろん、そんな男なんて見つかるはずがないと思っていたのだが、その条件に見合う理想の男して鷹村は、目下売り出し中の俳優・水梨慎哉を登楼させる。
ところが、その初会の座敷には水梨だけでなく、お職争いのライバルである綺蝶とその上客の東院も一緒に居て、綺蝶のことを憎からず思っている蜻蛉は心が痛む。
そんな蜻蛉に水梨は優しくしてくれて、ようやく抱かれることに嫌悪感は薄れたのだけれど、蜻蛉は水梨が綺蝶を抱き合ってるところを見てしまう。
怒りに駆られた蜻蛉は……
という感じで、ちょっと切ない話。
もちろん、綺蝶のことが好きなのに、綺蝶にすげなくされてる蜻蛉が切ないのは切ないんですが、蜻蛉が綺蝶のことを憎からず思ってるのを知っていて、自分は蜻蛉のことが大好きで本当は誰にも触らせたくないのに、蜻蛉のためを思って冷たく振る舞ってみたり、放っておけなくて助けてみたりしてる綺蝶も相当切なくて、ぞわぞわします。
もちろん、最後はハッピーエンドなのも知ってるので、そういう意味では安心なんですが、でも切ないです。
ちなみに、そういう切ない話で終わりなのではなくて、ちゃんと綺蝶と蜻蛉が幸せになった後の大団円的な話も入ってます。