あらすじ
孫正義と三木谷浩史。日本を代表する天才経営者、二人に「参謀」として仕え、楽天イーグルスの創業やPayPayの立ち上げなど、ビッグビジネスを成功裏に収めてきた仕掛け人ーー。それが、本書で事業論を教える小澤隆生である。
小澤氏はみずからも起業した経験もあり、現在はベンチャーキャピタリストとしても活動する。過去に投資した企業は19社中11社がIPOを果たすなど、起業家育成でも定評がある、
ネット業界やスタートアップ業界のカリスマ、小澤氏は、「おざーん」の愛称で幅広い起業家や経営者、ビジネスパーソンから慕われている。
このおざーんさんのビジネス立ち上げに関する要諦を徹底解説したのがこの一冊だ。
おざーん流の事業立ち上げの方程式で最も重要なのが「凡人でもできる」というポイントである。起業や事業の立ちあげというと、一部の限られた天才しかできないように思うかもしれないが、おざーんメソッドに従えば、才能がなくても、スキルがなくても大丈夫。誰だって着実に成功できるビジネスを立ち上げることができるのだ。
極めて実践的であると同時に、単なるノウハウには留まらない深い人間理解と実践の知見もある。 「天才じゃなくても成功できる」という、確率論に基づく事業立ち上げメソッドを教える。
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Posted by ブクログ
ゴール設定で51点の状態、戦略の肝としての打ち出し角度、打ち出し角度を実現する最重要事項をセンターピン、を定義すると言う、とてつもなく重要なことを素晴らしい言語化能力で伝えて頂けた良書
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事業作りで読んでてかなり良かった。
具体的なHOWというよりは、大枠の戦略論的な話。
この本読んで一番刺さったのは、「才能よりやり方」。
最初に決めるゴールと、どの方向に走り出すか(=打ち出し角度)がめちゃ大事って話がすごく納得できた。あと、「センターピン」っていう絶対外しちゃいけないポイントを見つけるとか、市場選びのコツも具体的で分かりやすい。良書。
Posted by ブクログ
執行力
正しいゴール設定
打ち出し角度
センターピン
市場選び
失敗は挑戦の裏返し
仮説検証
小さく試し失敗から学ぶ
執着心と逃げ足の早さ
分かりやすく表現することで組織に戦略を浸透させる
危機管理のポイントは、誰かが意思決定できる状態にしておく
最悪なのは何も決められない状態
正しくても間違っていても、判断して決着をつけられる状態が正解
Posted by ブクログ
めちゃくちゃ参考になった。
・ゴール設定
・打ち出し角度
・センターピン
・根源的欲求と市場選び
・戦術は失敗力を高めて試行錯誤とスピード勝負
・執着心
・大きい組織を動かすには「ワンフレーズ」
・決められないがリスク。緊急時は、現場に意思決定させる。決められない状態を作らない
Posted by ブクログ
小澤さんの取材をもとに執筆された一冊。
「事業家」として事業の立ち上げ方の考え方が具体的なエピソードとともに紹介されている。
面白いのは周りの方が「再現性の高い事業立ち上げの方法論」だと口を揃えて語っている点。
事業立ち上げの方法
1. 最低限達成すべきゴールを決めて、事業の「センターピン」を見極める
2. 仮説を立て、テストを繰り返して、ゴールに最短で到達する「正解」を見つける
3. 見つかった正解を、徹底的に「実行」する
ポイントだと捉えたこと
・事業としてのゴール設定(ゴールの51点を決める)を行う
・打ち出し角度を決め
・センターピンを定め
・徹底的にやり切る
楽天イーグルスの場合
①ゴールの51点:
・シーズンの開幕日に対戦相手と試合できるチームがあること
・プロ野球の試合が成立するスタジアムが完成していること
・チケットを売り、購入したお客さんが球場で試合を観戦できること
→ 最低限のゴール(成り立つ状態)を決めて、その上で積み上げる
②打ち出し角度:
・「チームの強さに頼らない経営」
・チームが強いから観たくてお客様が集まるというチームだよりの経営が初年度は難しい。
・それであれば、チームが弱くてもお客様が来場するだけで楽しんでもらえる状態を創ることを打ち出し角度として置いた
③センターピン:
・「球団と球場の一体経営」
・やることは無限にある中で1つを倒せば全部が倒れるセンターピンを見つけることが重要
・球団経営においては球場と運営が別で、どれだけ工夫をしても売上の手数料が球場にマージンとして発生することで儲からない。だったら一体経営にしてグッズ販売などに対してもインセンティブを持つことができる状態を実現することがセンターピン
その他面白いと思ったところ
・どの事業の立ち上げでも基本の型が当てはまるのが面白い。スタフェスさんのビジネスのケースにおいては
└ 打ち出し角度:料理を「作る」のではなく「売る」ことにおいて「売るに集中する」
└ 「美味しいか」よりも「美味しそうか」がセンターピン
→ 結果として写真・店の名前・メニュー名が鍵になると置いて磨いていった。
Posted by ブクログ
勤めている会社の元社長ということで手に取ったが、本当に良い本だった。キャリア観について明確な指南書だと感じた。
小澤さんがコマース管轄時代、リーダー(課長)レイヤーの名前まで覚え、交流していたのが新卒ながら印象的だった。
今回本書を読み、小澤さんがどういうマインドでそのような行動をしていたか気づくこともできた。
以下は自分のためのメモ。
* 事業を成功させるには目指すべき正しいゴールを定めて、正しい優先順位をつけて、そこに向けて実行していくこと(シンプル!)。事業づくりに奇策は不要(たしかに、、?)。
* ビジネスパーソンは発想力よりもエグゼキューション(執行)力を磨こう
* 「ゴール」を、51点として設定する、絶対に達成しなければならない最低ラインのこと。まぁ、そうだよねという感覚のライン。
* そのあとは、とにかく調べる。自分たちが思いついているようなアイディアは、どこかもやっている。成功•不正解の要因を徹底的に調べる。
* ゴールを目指す上で、どの方向性を目指すか?打ち出し角度を設定する。
* 優先度づけは何より大事、やることが多いと発散してぶれてしまう。
* ⇨しっかり情報を集めて、分析して、正しい打ち出し角度で事業を走らせる。
* 人の欲求に応えるということが事業の根底にある
* 市場の大きさを見極めることも大事。まずは市場の規模が大きいか?
* その業界には、どんな要素分解ができるか?そのうちどこに集中すると良さそうか?また、センターピン(どこが一点突破できるか)は何か?
* 人の行動には理由がある。それをじっくり観察する。
Posted by ブクログ
とにかくスピード感持ってやりきる「執行力」が必要。
スピード感持って迷わず進むには優先順位付け(やらないを決める事)が大事。
優先順位付けには知的好奇心を持ったインプットをし続けられるかが鍵。
何をやるのか(発想)よりどうやってやるのか(執行)。アイデアを探すのは最後でいい。
正しい事業の進め方が分かってればどんな事業案でも楽しく熱中できる。
自分が身を置く環境の良し悪しは事業性より執行力を発揮してるかで見極める。
人を動かすのではなく大義で巻き込む。
Posted by ブクログ
事業会社で働いた経験もほぼない中で、
事業論って何だろうというところから読み始めました。
新しい事業を考えて、初めて、成長させて、成功させるにはどうしたらいいか、
というような感じでしょうか。
小澤さんについては、知らずに読み始めてしまいましたが、楽天イーグルスやPaypay、Yahoo!ショッピング、すごい豆まき、などなど、これまでの大活躍についても知ることができました。
とにかくビジネスへの熱量が半端なさそうだし、
仕事を通して人生を楽しむ、その生き方を私はまだ取り組んだこともないけれど、
そんな人々も少なくないんだなーとあらためて思ったりしました。
とにかく人生のなかで自分のやりたいこと、を明確にできていることはすばらしいですね。
自己認識力という言葉も少し出てきましたが、
それは何かしたいことがある、ということではなくてもいい、
起業家だけではなく事業家という、やることはその時々に変わるけれども、
やりがいのある仕事はどんな立場にいても実現できるのだなーと感じました。
やはり一番印象に残ったのは、徹底的に取り組む、というところでした。
気持ちの入れ方の度合いが違うのかもしれないですね、そして、その始まりは、そうせざるを得なかった状況から始まったこと、つまり父の会社の経営状況が悪化し、億単位の借金を抱え、それをどうにかしないといけない、という中で、本気で取り組まざるを得なくなったこと。そしてそこで始まった回転がうまく回ったこと、というかうまく回るまでまず失敗をやめず、試行錯誤して取り組み続けたこと、そしてそれが成功体験になり、成功要因や型を検証して見出し、徹底的に取り組んだことが一つの重要な要因として割り出されて、それを続けられているということですね。やっぱそこまでできる人は本当に少ないからやっぱ凡人ではないのですが、
基本を徹底すること、つまり誰にでも取り組めること、という意味ではほんとうに皆にとっての教訓というか、励みになりますね。
Posted by ブクログ
巨大ビジネス成功の影にはいつでも小澤さんのような方がいるのかもしれない。影でもないか。
胆力とやり抜く力は改めて大切だと思わされた。
tipsも実践的。明日からの仕事に生かせそう。
Posted by ブクログ
本書は、「凡人でも素質がなくても成功できる」という章から始まり、日本を代表する起業家である小澤隆生さんの経験を通じて、「事業を作り上げるための執行力」の重要性を描いた一冊だ。
ビジネス書というと、読んだ後に「意識して取り入れよう」と漠然と思うことが多いけれど、本書は具体的で実践的なエピソードが豊富で、すぐに現場で試してみたいテクニックが満載だった。
例えば、市場を選ぶ際には「市場の成長性」と「シェア率」を基準にすることや、戦略の核となる「センターピン」や、人間の根源的欲求に基づく話。また、チームのモチベーションは数字目標ではなく、希望やワクワク感を呼び起こす言葉で動かすほうが効果的だという話も興味深い。どれも、実際に事業を立ち上げたり運営したりする立場としてはすぐ活かせる内容ばかりで参考になる。
特に後半、小澤さんが強調するのは「意思決定力」の重要性だ。意思決定力こそが「やりきる力=執行力」の源泉で、「決められないリーダーにはそのポストにいる意味があるのか」と厳しく指摘する場面もある。この箇所を読みながら、会社員時代のさまざまな上司の姿を思い出した。決断力のある人とない人では組織の雰囲気も成果もまったく違うことを改めて感じ、自分自身もフリーランスとして独立したことで、小さな意思決定を積み重ねることが成長につながっていると実感できた。
また、小澤さん自身の人物像として印象深かったのは、自ら立てた仮説に対する圧倒的な執着心だ。仮説が正しいかどうかに夢中になれるのはそれ自体が才能であり、一方で執着は苦しみも生むため、適切なバランス感覚が重要だとも感じた。この「こだわり」と「手放す勇気」の両立は、キャリアや人生をデザインするうえでとても大切だと思う。
他にも、本書の具体的なエピソードで面白かったのは「弁当」の話だ。どれだけ弁当自体が素晴らしくても、ネットで買う場合は写真が大きな判断基準になる。実店舗なら行列や匂いといった周辺情報で決めることもあるけれど、オンラインは視覚的要素が意思決定の大半を占める。自分の経験にも照らして、「確かにそうだな」と納得した。
事業をつくり運営する立場になったら、「再現性」のあるシンプルな言葉で戦略や戦術を部下や仲間に伝えることも重要だという話も参考になった。組織としてのゴールをはっきり示し、それをみんなが理解し、自分の言葉で語れるようになることで成功体験につながるというのは、リアルで納得感があった。
小澤さんは、孫正義さんや三木谷浩史さんのようなカリスマ経営者の例を挙げつつも、成功には「天才的なアイディア」もそうだが、「やりきること」が重要だと繰り返し述べる。この「やりきる執行力」は特別な才能がなくても身につけられるものであり、そこには常に「意思決定力」が関わっているのだという。このポイントは自分がフリーランスとして独立したいま、さらに強く共感できた。
僕自身も趣味の山登りを通じて、あらゆる行動が小さな意思決定の連続であることを感じている。どこで休憩を取るか、どのタイミングで何を食べるか、細かな判断がすべて最終的な目的達成に影響する。人生や仕事も同じで、小さな意思決定の積み重ねが結果を大きく左右するのだと思う。
今後、自分で事業を立ち上げたり会社を起こしたりすることを考える上でも、本書は非常に役立つ内容だった。意思決定という視点を軸に、「やりきる力」を身につけていきたい。
Posted by ブクログ
経歴を見ると凡人ではない著者だが、事業立ち上げ時の下記3点の重要項目は、規模に関わらず大変参考になる。
■51点目標
■打ち出し角度
■センターピン
早速こちらを参考に自社の新規事業でも活用を始め
どのように事業を進めていくかの指標を確認できた。
また、楽天球団やPayPayなどを運営していた当時を知ることができるため興味深い。
Posted by ブクログ
目標設定ももちろん大切ではあるが、まずは市場があること、確実に勝てる手段を粘り強く続ける胆力、など振り返ると王道で当たり前なことが書かれているかと。
だが、これを緻密に、戦略的に、かつ、愚直に実践するからこそ、というのはあるので、その点を改めて見直してみるよいきっかけになった。
良書です。
Posted by ブクログ
仕事をするうえで参考になった。
下記、備忘録。
打ち出し角度...ゴールを達成するための戦略(方向性)
センターピン...打ち出し角度の方向に進むための最重要事項(やるべきことが多数あった場合、一番インパクトの大きなピンを選ぶ)
その下にKPI(重要業績評価指標)がくる感じ
市場の大きさ
シェアの状況(寡占業界は厳しい)
戦略(Why)
戦術(How)→ここは失敗したから次々変える
何故やるかを伝える
1対多数の場(平場)のコミュニケーション(判断基準の浸透、緊急時の初動)
率先垂範
リーダーは間違っても決めるのが大事
肩の力を抜いて、プレッシャーを楽しむ。好奇心を維持できるくらいに頑張る。真面目に頑張りすぎると融通が効かず環境変化に適応できない。
特に根拠はなくても大きく環境を変えてみる。
Posted by ブクログ
様々な事業を成功させた事業家。
TCAのセミナーを踏まえて拝読。
話していることは極々当たり前のことだが
一番重要なのはそれをやりきること。
Posted by ブクログ
memo:
・最低限達成するゴールを決め、センターピン/打ち出し角度を見極める
・仮説をたてテストする/人間の根源的な欲求を満たしているか?良い市場か(拡大しているか?独占されているか?デジタル化は進んでいるか?)
・見つかった正解を愚直に実行し続ける/不可逆性の低いものはどんどん意思決定する
Posted by ブクログ
元ヤフーCEO、その他数々の輝かしい実績により多くのビジネスパーソンから尊敬される小澤隆生さんの珠玉のインタビュー。
これはすごい!めちゃくちゃ勉強になるー!!と思って、この感動をみんなに伝えなきゃ!つって。えっほえっほ言って。感想を書き出したんですけど。
あれなんか、むずい。これ伝えるの。
要約して書くと、ごく普通のことを大声で言ってる人みたいになっちゃう。
言ってしまえば普通のことを、めちゃくちゃちゃんとやろうぜってことになるんだけど。
そのちゃんとやるの部分がすごいんだけど。
なんて言いったらいいのこれ。
小澤さんのやってきたこと、
エピソード込みでインプットしないとこのニュアンス伝わらないのかもしれん。ううむ。
仕方ないのでとにかく刺さったワードをメモしていきます。
- 事業づくりに奇策は不要。
- ゴールを定めて、優先順位をつけて、そこへ向けて実行していく。
- この当たり前のことをやりきれる人はほとんどどいない。
- 問題があまりにも多いため優先度がつけられない人が多い。
- アイデア「何をやるか」はなくていい。とにかく「どうやってやるか」というエグゼキューションが大事
- 「打ち出し角度」を定めて
- それを倒せば他も倒れる「センターピン」を狙え
- なぜ失敗するのか?→ほとんどの人は今まで自分がやってきたことの延長でビジネスを考える。
- たとえ経験したことがなくても、市場が成長している分野でやるべき。 (→ どうしても自分が得意なことをやろうとしてしまうの、すごい分かる・・)
- 戦略は一度決めたら原則変えない。戦術は間違えたと思ったらいくらでも変えていい。
- マネジメントはとにかく決めること。たとえ悪手でも決着がつけられるようにする。意思決定が正しかろうが間違っていようが、とにかく判断して決着がつけられる状態にすること。
とにかく執行力。
天才じゃないからこそ勝てる。という話で。とても勇気をもらいました。
仕事柄、なにか素晴らしいアイデアがどこかにあるんじゃないかと考える時間をやたらとかけてしまう傾向があるし、そういう会議もいっぱい増えてしまうんだけど。
いいからやれ。能書きはいらん。実行しろ。と。
言われている気がしました。
うん。
やろう。