あらすじ
外天楼と呼ばれる建物にまつわるヘンな人々。エロ本を探す少年がいて、宇宙刑事がいて、ロボットがいて、殺人事件が起こって……? 謎を秘めた姉弟を追い、刑事・桜場冴子は自分勝手な捜査を開始する。“迷”推理が解き明かすのは、外天楼に隠された驚愕の真実……!? 奇妙にねじれて、愉快に切ない――石黒正数が描く不思議系ミステリ!!
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第5回マンガ大賞(2012)ノミネート作品。『それでも町は廻っている』の石黒正数先生の短編マンガです。
レビューを書いてはいますが、出来れば予備知識なしで読んでもらいたいっ!!とにかく構成が凄すぎる作品です!
ストーリーは少年たちが、エロ本を如何に買うかというところから始まります。思春期の少年たちの何気ない日常が、面白おかしく描かれています。しかし、読みすすめていくと…。
読み始めの頃と、読了後に感じるものがまったく違います。しかしながら、1つの作品として違和感はありません。完成された物語に鳥肌が立ちます。読み終わったあと、間違いなくもう1度はじめに戻って読んでしまい、さらに何度も読み直したくなります。読めば誰もが石黒先生を天才だと思ってしまう傑作です。
感情タグBEST3
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ギャグじゃないよ
それ町作者の石黒正数ということで購入
最初はエロマンガに情熱を注ぐ中学生の話から打ち切られたヒーロー番組、殺人事件の事情聴取や取調べをギャグテイストで進めていく
一見ギャグマンガかと思えばロボットや人工生命、生命倫理などシリアス要素も含み、それらの伏線が終盤一気に収束され、どこかかなしいラストを迎える
1冊の本として非常に高いクオリティでまとめられた作品
作者の作風が好みであれば是非ともオススメしたい
めっちゃ面白かった
読み初めはシュールギャグ系でそこそこかなと思ったのですが徐々に世界観が見え始めると一気に入り込みました。何度も読み返すと疑問に思ったことも晴れてくるのでおすすめです。
ここからネタバレあり
教授は何でキリエのフェアリーを生み出したんでしょうかね。親元離れて寂しかったんでしょうか。最期にオリジナルのキリエと孫の顔を見れずに死んでしまって少しかわいそうでした
Posted by ブクログ
知人と「人工知能と心」というテーマの話をしていたら熱く薦められたので読みました。
九龍城のような増築アパート“外天楼”を舞台としたオムニバスかと思いきや実はすべての話が繋がったミステリ。
コメディタッチの出だしから星新一を思わせるブラックジョークなオチをはさみつつぐいぐい引きこまれ、核心に近づく頃にはもう目が離せません。後味の悪いラストですが、深く考えさせられます。
一度読み終えた後再度読み返したくなる内容でした。
こういう話、大好きです。
Posted by ブクログ
「それ町」と比較して内容がハードだったので
意外性もあり面白かった。
始まりはゆるーい探偵物で、相変わらず
こういう展開が好きな作家さんなんだな~位にしか
思っていなかった。
なのに、途中からことごとく予想を
裏切られ、この世界が外天楼を舞台にした
人工生命体ロボットの話一本に結びつき
構成力の高さに度肝を抜かれた。
奇妙な連作というイメージから
刑事さんたちやロボット等が色々出てきて、全体のテーマも見えてくるとだいぶ印象が変わりました。ある意味、ホムンクルス を作る話で、擬似家族ものでもあり、意外にマッドサイエンティストものでもありました。
ちょっと悲しい結末ですが、作品としては中途半端感もあり、思っていたほどでもなかったかも知れません。
人造人間とでも子孫を作れるようでしたが……
Posted by ブクログ
本の整理してたら出てきたので久々に読んだ。
もう何回読んだかわかんないのに、読む度に感情が迷子になって、読み終わるとしばらく引きずる…。
ラスト、真実を知って産みの親に立ち向かい、警察に撃たれて重傷を負ったアリオと、生命維持のための栄養を摂らずにアリオの元にやってきたために生命維持ができなくなったキリエが、雪の中から意識が昔の明るいC404号室に飛んでいくところ、毎回涙が出る。
哀しいのだけど、でもこの2人にとってはこれがある意味救いで、切なくてたまらない。
工場勤務の女の子のロボットのラストも切ないんだよな…。
バカ話、ミステリ、社会風刺、そしてSF(石黒正数さんの作品は一見日常系に見えてゴリゴリのSFテーマ入れてくるのたまらない)、色んな要素が入っていて、本当によくできた連作短編集だ…。決して「面白い!」ってわけじゃないのに定期的に読んでしまう。
ニヒルなコメディ
前半のコミカルな話しが後半のシリアスな流れに絡まりあい、伏線を回収しながら一気に物語が進展していく。
せめて救いがあればよかったのだが。そうはいかないところが作品をより深くしていると感じた。
Posted by ブクログ
短編ミステリ+長編ドラマ
第1話
少年3人がエロ本を求める話
主人公が自分たちより下位のエロ・カーストのためにゴミ捨て場に戻そうとして「それでもあんたが最下層よ」「明日がゴミ回収日だから」のフィニッシュストロークが見事
第2話
11人いる!戦闘員を殺したのはだれ?奇襲を仕掛けたヒーローしか偽装できません!
からのメタ構造が見事
第4話
遺体発見時の部屋の窓の傾きから『斜め屋敷』と推理
ギャグとしても優秀でした
第5話
ダイイングメッセージはわかりやすく!
この話を含めて以降、人工生命を巡るドラマが展開されていく
全編の登場人物が繋がっていくが、ラストは皆さまバッドエンド
明るい桜場刑事の死に顔が(´・ω・`)