あらすじ
私たちが充実した暮らしを送るには“右肩上がりの経済成長率”という物差しが本当に必要なのだろうか。むしろ個人の幸せを実感できる社会へと舵を切れないか? 日本全国の実状を知る地域エコノミスト藻谷浩介(『デフレの正体』)とコミュニティデザイナー山崎亮(『コミュニティデザイン』)の歯に衣着せぬ対談からヒントを得る!
...続きを読む感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
山崎さんの幸福論を藻谷さんの経済論が説明するような展開。藻谷さんの的確な論理が素晴らしい。
SY(数字が読めない)だった自分に反省しながら、示された数字を吟味。日本のストックや豊かさがわかる。
日本は文化を認められる国にならないといけない。
先日読んだ池上さんとダライ・ラマ14世の本と共通する点だ。
以下メモーーー>
富山・福井は所得は高いがまちはお洒落ではなく、人通りも少ない
→京都・大阪、金沢、東京に買い物に行ってしまう。
徳島→神戸大阪へ
延岡は九州で時間距離が一番遠い(空港から)
経済成長と幸福度(実感)が違う4つの理由
①過程を積み重ねてつくられた経済成長率の計算が実態とずれてしまう
②経済成長率の計算が仮に正確にできたとしても、それは平均の話なので、そのなかにいる個人個人の富の増加ペーストはずれている。
③経済成長率が本当に高い地域に成長を実感できている人がいたとしても、そこで測っているのはフローであって、過去その人がどれだけストックを蓄積出来ているかという話ではない。
④経済的にストックがあってかつ成長していたとしても、その人が人間的に幸せになれるとは限らない。
マクロ経済学は平均で全てを語れるというイデオロギー
フローの年収があるポイントを過ぎればそれ以上伸びても実感はさほど伸びない
税収がない→貧乏ではない
どの自治体も半分以上は国からの金
一部は国や県が持っていく仕組み
税収がいい→国にとられる→ストックがない
お金で住む場所を決めたら鳥取県の人はみんな大阪に移住
2011年も輸出は殆ど落ちていない
燃料の輸入で1割輸入額が増え僅かに赤字
所得黒字=外国へお金を貸したり投資をしたりの配当
は14~16兆円/年間の黒字(16兆=3.11の被害額相当)
日本は海外との競争で負けて追い詰められている
→根拠不足の脅迫概念
対中国、韓国、米国で国際収支でずっと黒字。
貿易収支で赤字なのはスイス・フランス・イタリアなど
高度な消費が文化を生み、文化がお金を稼ぐステージ
ブータンの幸福論を取り入れたら?
日本人は他人が下がると自分が上がったと思う
→互いに相手を落とすかもしれない
平均点の高いクラスに入っても平均点を下げるだけ
マイナス成長という言葉
成長しないといけないのか
「経済成長がなければ私たちは豊かになれないのだろうか」
ラミス氏は2000年に「放射能つきのユートピア」という言葉を登場させている
Posted by ブクログ
「経済成長がなければ幸せに生きることはできないのだろうか」という主題のもと、地域コミュニティづくりを行なっている山崎さんが現場で日々感じていることを藻谷さんがわかりやすく解説していく。
経済の目的は、「みんなが幸せに生きること」であって、そのための方法はお金を稼ぐことだけではない。
事業を通じて、友達が増えた。人からありがとうと言ってもらった。そういった儲けも幸せを生み出すことができる。
経済成長ありきの経済偏重主義を見直し、文化的な成熟した社会を造っていくためには、「いかにして稼ぐか」と同時に、「ゼロ成長で豊かに暮らす方法」や「少ない人口で楽しく生活する方法」をデザインしていこう!
感想
幸せの定義って人それぞれで、「お金だけが幸せじゃないよね」って議論は、ある程度お金を持っている人の幸福論のような気がしてた。だけど、友達を作ることとか、人からありがとうと言われることは、お金を持っている持っていないに関わらず、幸せを感じられることだなって思った。
日本は震災後の幸福度が上がったそうだけど、他人との比較ではなくて、感謝や共感を通じて幸せを感じられる世の中になったらいいなぁと思うし、自分もそうしていきたいなと思った。
Posted by ブクログ
経済学のうわべ、一般論だけをなぞっただけではわからない、
数字の意味や統計のからくり、そして現実との擦り合わせ。
今後、日本の地域社会を考える上で、
地域経済、国の成長、地域の成長やストックについてどのように捉えるべきか、
今後20年の課題として何を考えるべきか、
何を指標としたどのような地域づくり、社会づくり、国づくりを目指すべきか。
一つ確かなのは、
確固とした指標やものさしも、あるわけではないということです。
地域が抱える問題はそれぞれだし、
今後の日本の未来だって誰かが正確に占えるわけではないのですから。
良い本です。
Posted by ブクログ
自分がいわゆる地方出身、現在都市部に住んでいるので、今後の人生を考えさせられる一冊でした。
都市部にはおもしろい事が多数ある反面、暮らしにくい部分も多々あり、今後今以上に地方が発展し、日本に多様性が生まれ、おもろい国になるチャンスがあるのかなと、明るい未来を想像したくなる一冊でした。