あらすじ
多様な都市国家の思惑が交差する海峡地域。その盟主、一ノ谷には「高い塔の魔法使い」と呼ばれる老人タイキがいた。歳のころ六、七である孫娘マツリカは、早くに両親をなくし祖父のもとに身を寄せている。
ある日、タイキを中心に密談が開かれた。海を隔てた潜在的敵国・ニザマとの海戦に備えてのものだった。一方、マツリカは好物の海老饅頭の味が落ちたことを疑問に思い、その理由を解き明かそうとする。
国家の大計と幼女の我が儘が平行し、交錯していく……。
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匿名
図書館の幼魔女
栴檀は双葉より芳し。マツリカ様は、六歳の頃にはもうマツリカ様だった。
図書館の魔女のエピソードゼロであり、歴代キリヒトと牛目の因縁の始まり。
牛目がなぜ盲目なのかが本作でわかります。
Posted by ブクログ
やっぱりよかった。
まさにエピソード0。
主要人物がどんどん現れ、まさかの登場とか驚いた。
タイキのリーダーとしての凄まじさ、ハルカゼに語った話、マツリカの人を動かす賢さ、ハルカゼがマツリカに感じたこととそれによる愛しみ深さ、全て何度も感じたい。
Posted by ブクログ
暴動 とは、多数の市民・民衆が集合的に暴行・脅迫・破壊などの暴力的な活動を行うこと。
たぶん著者の言いたいことは全体主義の怖さと理不尽への怒り=気安くあるいは安易に暴力に訴える・加わってはいけない。
何のための暴動か?目的に対し、暴動という手段は違うということ。
Posted by ブクログ
海老饅頭の味が変わったことに気付き、それを政治面で解決出来るマツリカの優秀さ。そして、その小さいマツリカがいずれ背負うかもしれない大きな重責を思って心痛めるハルカゼ。これからの二人の交流をもっと読んでいたいと思いました。
Posted by ブクログ
呪いとは。信じるとは。
マツリカやタイキ、ヒヨコやロワン、キリヒトといった錚々たる登場人物が出てくるもの二国を巡るゴチャゴチャっとした政治小話。
実は大戦争が起こらなかった、”起こらなかったことであるから、いつ起こらなかったか、どのように起こらなかったのか、そのように問うても答えはない”という起こらないことの裏の詳細を細かに練り上げた物語。
1番おもしろかったのはキリヒトがミツクビに叩きつけてきた書簡とその解説部分。そこには、呪いという怪奇的なものが、実に心理的な駆け引きをもって科学的に行われるとするならこういうことなのだとハッとする。
また、信じているとはどういうことかをマツリカとタイキが問答する場面がおもしろい。トマサコという人物が二ザマから引き抜かれた丘老師と一同に会し話すこと避けているとマツリカが気づき、話し方の中で名詞の複数形単数形の受け方といった母語以外を学んだ際の過剰訂正といった使い方の誤りについて細かな気づきを指摘する。そして、トマサコが丘老師と同じ二ザマの出身であること、丘老師の言の裏を取る目的で居るが、丘老師への信頼とは別であることが話題となる。では、高い塔は疑うことを仕事としているのか、とマリツカが問う。このような、人や団体に対する信頼性は私たちの日常生活でもよく遭遇するので、ふと身近な関係におとしこんで考えることになる。
他のレビューをみて、これがエピソード0の位置づけだったとようやく気づいた。前作を読んでから時間が経ちすぎていた。なるほど。それは、この時点で才の片鱗をみせている末恐ろしさと幼い心の動きが見られたのはとても面白い一冊だった。