【感想・ネタバレ】熱血のMSG ―BLOOD IN THE GARDEN― 1990年代 “いきすぎ”ニューヨーク・ニックス激闘譜のレビュー

あらすじ

勝つために叩き潰せ! ぶっ飛ばせ!! それが俺たち「ニューヨーク」の流儀

ニューヨーク・ニックスが強烈な輝きを放った90年代の激闘譜を、200以上のインタビューを基に辿る物語。すべては勝利のために、なりふり構わず頂点を目指す選手・監督・フロント、そしてそれを支えたニューヨーカーたちの熱狂の歴史がここに!

【目次】
プロローグ
1 力という新言語
2 手榴弾を渡していたらどんなことになったやら
3 ライリーの改革
4 マイケル・ジョーダンをぶったおせ
5 MSGのゴール下は犯罪現場?
6 猛牛の群れに舞い降りた蝶
7 夜明け
8 36時間のブレイクタイム
9 アンソニー・メイソンの謎
10 躍動するニックス
11 夢、追跡、そして悪夢
12 信頼関係の問題
13 罪人たちの駆け引き
14 次々と生じる問題
15 ライリーの申し子
16 大炎上
17 打ち砕かれて
18 心臓移植
19 長すぎたつきあい
20 逆境を乗り越えて
21 終止符
「あと一歩」の不屈の精神 エピローグ

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Posted by ブクログ

私が大学生の頃(1990年代前半)、NHKのBSでNBA中継をよく視聴していました。当時人気だったのはシカゴ・ブルズのマイケル・ジョーダンや、フェニックス・サンズのチャールズ・バークレーなど。そしてその対抗馬として本書で採りあげられているニューヨーク・ニックスが存在していました。
当時はジョーダンの全盛期。ニックスは常に同じカンファレンスのチームとしてレギュラーシーズンを闘い、そしてポストシーズンにはNBAファイナル進出を掛けて闘いました。そのプレースタイルは、”肉弾戦”。とにかくタフにディフェンスし、相手を気持ちよくプレーさせずに自分たちのペースに引きずり込む。ダンクを阻止するためなら危険なファールも躊躇なく実行する、正にブルーカラーを地で行くようなスタイルでした。このスタイルを確立したのが、ロサンゼルス・レイカーズで4度のNBAチャンピオンを獲得した名将パット・ライリー。ライリーが着任してからのチーム改革、そしてブルズとの死闘、ライリー離任までが本書前半部。

パット・ライリーは4シーズン指揮を執った後に同ディビジョンのマイアミ・ヒートへ移籍。ニックスのヘッドコーチにはアシスタントコーチだったバーカンディーが就任します。パット・ライリーの元でチームとして一つの完成形だったチームは主力メンバーの高齢化という問題を抱え、様々な問題が発生します。大黒柱だったパトリック・ユーイングの長期離脱など、大きな困難に直面しながら、宿敵マイアミ・ヒートや、ライバルとなったインディアナ・ペーサーズとの激闘を描くのが本書後半部。

パトリック・ユーイング、ジョン・スタークス、チャールズ・スミス、チャールズ・オークリー、アンソニー・メイソン、ディレック・ハーパー、ラリー・ジョンソンなどなど当時の主要メンバーの数多くのエピソードが盛り込まれています。他チームの選手も、ジョーダンだけではなく、スコッティ・ピッペン、アキーム・オラジュワン、レジー・ミラー、等々当時のスター選手の名前が次々と登場し、当時NBAを夢中で視聴していた私としては、非常に懐かしく読み切りました。
超人気チームを主人公にしているわけではない(あくまでも日本国内では)ですし、しかも今から30年ほど前のチームが主人公なので、読み手を選ぶのは仕方がないと思います。でも当時のNBAを視聴していて、上記の選手名を聞いてプレーが思い浮かぶ人だったら、また泥臭いプレースタイルのニックスが好きだった人なら、これ以上の本は無いのではないかと思います。訳者の島本和彦氏も、当時のBSの中継で頻繁に解説者として登場し、それもまた懐かしさを感じさせられました。

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2025年06月04日

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