あらすじ
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人気シリーズ「乙女の本棚」第45弾は、文豪・森鷗外×イラストレーター・今井キラのコラボレーション!
小説としても画集としても楽しめる、魅惑の1冊。全イラスト描き下ろし。
「わたくしの杯は大きくはございません。それでもわたくしはわたくしの杯で戴きます」
夏の朝、温泉宿から泉に向かう七人の少女たち。そこで、彼女たちとは様子の異なる第八の少女と出会う。
森鷗外の名作が、乙女心をくすぐる作品で知られ、本シリーズでは太宰治『待つ』、『女生徒』を担当するイラストレーター・今井キラによって描かれる。名作文学と現代の美麗なイラストが融合した、珠玉のコラボレーション・シリーズ。
自分の本棚に飾っておきたい。大切なあの人にプレゼントしたい。そんな気持ちになる「乙女の本棚」シリーズの1冊。
感情タグBEST3
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Posted by ブクログ
十二歳ぐらいの七人の少女がきゃいきゃいやっていたところに現れた、十四五と思われる西洋人形のような"平和の破壊者"。
少女たちと同じように、彼女も泉を汲んで飲もうとするのだが、取り出した杯は黒ずんでいて馬鹿に小さく、少女たちの大きな銀の杯とくらべてずいぶん見劣りがする。
少女たちはそれを口々に貶しながらも、哀れみから「あたいのを借そうかしら」と差し出すが——
「わたくしの杯は大きくはございません。それでもわたくしはわたくしの杯で戴きます」
という凜とした主張は、なにかしら人生に対する訓戒のように思えた。
パステルかつメルヘンながら毒を感じる今井キラさんの絵が、森鴎外の文章と絶妙に融合する一冊。