あらすじ
税金滞納者から問答無用で取り立てを行なう、みんなの嫌われ者――徴収官。そのなかでも、特に悪質な事案を担当するのが特別国税徴収官(略してトッカン)だ。東京国税局京橋地区税務署に所属する、言いたいことを言えず、すぐに「ぐ」と詰まってしまう鈴宮深樹(通称ぐー子)は、冷血無比なトッカン・鏡雅愛の補佐として、今日も滞納者の取り立てに奔走中。 納税を拒む資産家マダムの外車やシャネルのセーター、果ては高級ペットまでS(差し押さえ)したり、貧しい工場に取り立てに行ってすげなく追い返されたり、カフェの二重帳簿を暴くために潜入捜査をしたり、銀座の高級クラブのママと闘ったり。 税金を払いたくても払えない者、払えるのに払わない者……鬼上司・鏡の下、ぐー子は、人間の生活と欲望に直結した、“税金”について学んでいく。仕事人たちに明日への希望の火を灯す、今一番熱い税務署エンターテインメント第1弾!
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Posted by ブクログ
国税特別徴収官、馴染のないお硬い職業と思っていたのですが意外にも庶民の味方?
一冊目だけ〜と思って手に取ったけど、これはつづきも気になります。
Posted by ブクログ
トッカン 特別国税徴収官 (ハヤカワ文庫JA) 2012/5/24
徴収官奮闘記
2013年12月10日記述
高殿円さんによる国税に関しての小説。
高殿さんはライトノベルを中心に40冊以上も作品を出しているらしい。
普段読まないライトノベルの出版の早さに驚いた・・
本作はライトとか関係なく完成度の高い作品として仕上がっている。
鏡特管の元に鈴宮深樹(新人3年目)の奮闘ぶりが伝わってくる。
脱税したお金をどこに隠しているのか分からない喫茶店。
手強い銀座のママ・・
滞納を続けざる得ない工場の夫婦・・
後半になぜこの仕事で必死になって頑張るのか・・
公務員だから安定しているからというありきたり以外の働く理由を取り戻し成長する主人公の姿に感動できる。
主人公の心の声に共感し感情移入出来るからこそこれだけ面白く本書は読めるのだろう。
日本の労働者の大半はサラリーマンで税金は天引きが中心になる。
だからちょっと税務署と言っても縁遠いものかもしれない。
しかし、徴収官といういわゆるマルサとは違うけれども地味だけど重要な仕事をこなしている人達がいることを忘れてはならないだろう。
唯一気になった点は登場人物の名前で一見なんと読むのか分からない事が多かった気がしたこと。
そのまま読めない名前ならよみがなを全てにつけておいて
欲しかった。最初だけしか読みがついてないと後々読み返したりしなくてはならないので面倒だ。