【感想・ネタバレ】ものごころのレビュー

あらすじ

子供の世界へダイブする、カラフルな短篇集

植物や花、虫やさまざまな生き物が乱舞する、色鮮やかで心躍る「子供の世界」へ!

二人の少年が川原で拾った、怪我をした犬の命運は。(「心臓」)
子供が飲み込んでしまったスモモの種はいつ出てくるのか。(「種」)

「穴」で芥川賞を受賞して以来、独自の小説世界を築いてきた小山田浩子さん。近年では海外に招かれる機会も多く、「日本発のマジックリアリズム」の旗手として注目を集める著者が、言葉の奔流のような文体と、顕微鏡をのぞきこむような高精細な描写で「子供の世界」に挑む9篇。

子供の世界へ身体ごとダイブし、子供が見るように世界を見る、唯一無二のカラフルな小説集。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

短編集。ひとつひとつ読みおえるごとに、やっと息を吸ってることを思いだす。
頭の中と外、過去と現在、自分と他人、全部つながってるところを実際こんなふうに書いてみせられて、小山田さんて天才かと思った。


はね
心臓
おおしめり
絵画教室
海へ

ヌートリア過ぎて
蛍光
ものごころごろ

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2025年05月10日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「心臓」「ものごころごろ」を読んでいると、自分が小学校に通っていたころには考えなかったが、後から思い返すと様々な家庭環境の子供がいたんだなと感じたことを思い出した。エイジと宏は進む中学校も異なり、すれ違うべくしてすれ違うキャラクターの違いもありそうだけど、それぞれが純粋だった。その二人の母親は、純粋さとは呼べない何かがべたりとくっついているような感じがするが、誇張でも何でもなくそれが大人の嫌なところと言えるものだし、子供との違いなんだろう。

他の短編でも、登場人物が凄くリアルで、夫婦・家族の関係性は短編ごとに異なってはいるものの、全部ものすごく再現性が高いというか、そのまま現実にいるやつでしょこれ、と思えた。「種」で主人公が子供の大便を手づかみするシーンは衝撃だったが、子供との遊びというか自分の趣味に付き合わせ、妻も、そして結局は子供も顧みない能天気な夫も、個人的にはかなり身に覚えがあり、共感性羞恥というか読んでいて逃げ出したくなった。

0
2025年04月12日

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