【感想・ネタバレ】クローズド・ノートのレビュー

あらすじ

堀井香恵は、文具店でのアルバイトと音楽サークルの活動に勤しむ、ごく普通の大学生だ。何か物足りない思いを抱えたまま日々を過ごしていた彼女は、ある日、自室のクローゼットで、前の住人が置き忘れたと思しきノートを見つける。そのノートが開かれたとき、香恵の平凡な日常は大きく変わり始めるのだった。──小さな偶然が導く運命的な出会い。憧れと共感。読み終えた後も温かい余韻がいつまでも醒めない、極上の感動作。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

胸の中に、そっと響く作品。

20代の頃に古本屋で見つけた本書を読んで、
シンプルな構成ですが、心温まる気持ちになりました。

主人公の恋物語ということだけでなく、登場する小物が万年筆、マンドリン、というのが、この物語を象徴していて、主人公が背伸びをしている様子が良かった。

憧れの人とノートを通して、2人の人生と絆を垣間見て、大人になって行く過程が描かれています。



0
2025年11月12日

Posted by ブクログ

恋愛ものの小説であり、この著者にとっては新ジャンルだな~と読み進めていましたが、最初の方でなんとなく今後の展開が読めてしまいます。

でも、そんなことは関係なく、ストーリーにぐいぐい引き込まれていきます。
小学校の女性教師である伊吹先生・・・
伊吹先生が、本当にそばにいるかのように錯覚してしまうのは、私だけではないでしょう。

ラストで、ある作品展があるのですが・・・
そこでの出来事は、何回読んでも涙が溢れ出てきます。
本当に暖かい、やさしい気持ちになれる珠玉の小説だと思います。

0
2023年11月06日

Posted by ブクログ

すっごい引き込まれる小説で、あっという間に読み終わってしまった。

雫井さんの小説は「日常+ちょっとの現実っぽくない部分」って感じで、共感を重ねながら読むことができるし(読み進めやすい)、かつ「続きが気になる…!」っていう所が程よく出てくるからあっという間に読んでしまう。(語彙力)

あとがきで、伊吹先生の日記の一部が作者のお姉様の実際の言葉であったことが分かって涙が止まらなくなった。
すごい生徒思いで素敵な先生だと思いながらも、どこかで「小説の中の話だから」と片付けていたからだと思う。

何かに全力で打ち込んでいる人って本当に美しい。

香恵の「寂しさにも寂しさなりの色をつけたい」って言葉が個人的にはとても好きだった(p397)。

0
2023年03月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

物語半ばまでは、主人公の一人のかえちゃんの言葉のチョイス、感性が女子大生そのもので、男性の筆者の筆力にひたすら感服していた。

ラストは私が想像だにしない成り行きで、涙がこぼれました。
かえちゃんと隆さん、これからどうなるのかな。
伊吹先生の後押しで、少しずつ心の距離を付けて縮めてもらえたらいいな。
伊吹先生ならきっと応援してくれるはず!

伊吹先生のお人柄も本当に素敵。
私、50代ですが、伊吹先生みたいな女性になりたいな。もう遅いかな。

0
2023年01月21日

Posted by ブクログ

星5にしたけど、共感や感情移入できない人にはそんなに刺さらないかも。

まず、伊吹先生は立派な人だ。比べて自分は教師として、理想を語っているものの、やっぱりそれに対する努力が全く足りていなかった。
あとは自分の気持ちについて。好きな人のことを考えないようにするのは難しい。きっとそれは今後も変わらないだろう。でも、そればかりになるのはやっぱり良くはないんだ。自分の余裕のなさを感じた。余裕のある人間になりたい。

それから全人類に向けて。
人間、感情で生きてるから、想いが変わったり移ろったり、冷めたりすることもある。しょうがない。
でもだからって、いい加減に付き合って言い訳じゃない。
「今自分が関わっているのは1人の人間で、その人の、1度きりの、今しかない瞬間に触れている。」そんな覚悟を持って欲しい。きっとこの考えは、世間一般のそれとはズレていて、ただの理想論なのかもしれない。
それでも、今隣に誰かがいるなら、よく考えてみてほしい。
『言葉と気持ちが等しい人間として、その人の前に立ってください』



追伸:
決していい加減な気持ちじゃなかったってことはよくわかってるよ。とっても大事にしてもらいました。
この本すごく面白いからオススメ。

0
2022年08月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

読む前、タイトルを見たときはミステリーかと思ったが、全く見当違いだった。一人の先生が部屋に残したノートの内容と、恋や友達に悩める女子大生の香恵のストーリーが並行して続く物語であった。香恵の周りの友情の悩みや恋愛事情には非常にリアルで引き込まれた。また二つの三角関係の中、自分の感情が強く現れてしまい、もどかしさを感じたりした。読み進めていくうちに伊吹先生が亡くなっているのではないかと予想できたが、亡くなった事実を突きつけられたときはショックだった。また、ノートで書かれている隆が、石飛隆作さんのことだと気づいたときは鳥肌が立った。そこからラストにかけて香恵が伊吹先生の言葉を代弁するシーンは感動した。最後にマンドリンを忘れた場面では肩透かしを食らったが、香恵らしい終わり方だと思った。解説では、著者の長姉をモチーフに作った作品ということを知り、本作中に姉が遺した文章を使っていることがわかり温かい気持ちになった。

0
2022年08月22日

Posted by ブクログ

全然買った記憶がないまま本棚にあった本。
つわりで死んでいるので、ようやく読む出番が来た。
1日で一気読みしました。
面白かったし、読み応えがある本でした。
色んな気づき、視点が好きだなぁーと。

最初の方から薄々ストーリーは分かってきたけど、
でも分かってても十分楽しめる本。
そして、最後の最後のオチ、思わず吹き出した。
主人公や周りの子たちの性格が手に取るようにわかる、
自分自身も本の中に入り込んでしまう一冊。

0
2022年07月17日

Posted by ブクログ

伊吹先生、いつも見守っていてくれたんだね。
私たちは悠久の時のたまたま同じ頃に生を受けて、それぞれの人生を送るうち、偶然に交差して、その瞬間、お互いの生を祝福し合えた。

0
2022年06月08日

Posted by ブクログ

主人公、香恵の恋愛、友情…大学生らしい心の揺れや浮き沈みがリアルで、あぁこんなだったなぁと楽しく読めた。
もう一人の中心人物の伊吹が小学校の先生だったけど…教師アレルギーの私が珍しく普通に読めたのはプライベートの鬱々とした感じが、抗アレルギー薬になったのも。
伊吹の詩を聞いた隆は…変わるのかな?変わらないのかな?

0
2022年02月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

物語の結末というか、香恵と香恵が恋している彼、伊吹と伊吹が恋している彼、この関係性は、物語のはじめから分かってしまうんですが、その結末にどうやってたどり着くか、そしてすべてが明らかになったとき、それぞれの気持ちがどうなっていくのかがすごく気になりました。

物語後半の、香恵が伊吹に会いに行く場面と、個展での場面は感動でした。
あとがきもとても良かったです。

0
2022年02月17日

Posted by ブクログ

中学生の時に初めてこの本に出会い、人生が大きく変わったなと思います。
万年筆を使ってみたくなる、マンドリンを弾いてみたくなる、学校の先生って素敵だなと思う。
なんどもなんども読み返した本。

0
2021年06月08日

Posted by ブクログ

アパートでみつけた前の住人の日記。想像力を駆り立てられる物語のスタート。万年筆の魅力。ほんわかとした主人公のキャラクターとミステリアスな憧れの彼。 ピュアな恋愛ストーリーに感動しました。

0
2021年05月10日

Posted by ブクログ

ネタバレ

堀井香恵
教育大に通う。駅前の今井文具店でアルバイトをしている。マンドリンクラブ。

葉菜
九月から一年間、アメリカに留学することが決まっている。

鹿島
葉菜の彼氏。二十五歳。行政書士。

今井社長
今井文具店の二代目。

今井可奈子
香恵がアルバイトをしている文房具店の一人娘。

石飛隆作
無精ひげの彼。二十六歳。イラストレーター。教育大出身。

沢田美歩
マンドリンクラブ。

恭子
マンドリンクラブ。

瀬戸
指揮を担当する先生。

佐野
マンドリンクラブ。

星美
石飛のクライアント。広告代理店勤務。

藤坂
石飛の個展の幹事。教育大出身。

長瀬
教育大出身。

真中
イラストレーター。

近藤
京経エージェンシーのアートディレクター。

田辺
イラストマガジンの編集。

内田
内田デザイン事務所。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

真野伊吹
香恵の住むマンションに以前住んでいた。小学校の先生。

四年二組の生徒
水原君代
伊吹が担任の四年二組の生徒。不登校。
松井優子
一学期で四年二組から引っ越す。
野口琢己
一学期で四年二組から引っ越す。
春和
伸也
栗沢絵里
幸久
清香
達郎
健介


君代の母

淳美
君代の姉。六年生。

広重
君代の弟。

宮本
児童福祉司。

田中
先生。


塾の先生をやっているらしい。

郁美
伊吹の田舎の友達。

坂口

0
2025年10月10日

Posted by ブクログ

ネタバレ

教育大に通いマンドリン部の香恵が住んでいた部屋である日前の住人が忘れて行ったノードやグリーティングカードなどがエプロン型の布の状差しに入ったままで見つけたが、気持ちが悪いとそのまま放置しておいた。
仲良しの葉菜ちゃんはアメリカへ留学し、香恵はアルバイト先の文具ビルで、万年筆の売り場の担当に成り、そこにやって来るイラストレーターの石飛さんと出会う。彼は葉菜ちゃんとお別れの日にアパートに帰っている時香恵の部屋を見上げていた男性だった。
葉菜ちゃんの付き合っていた彼がなぜか香恵にアタックを始めるので戸惑う香恵。
ある日見つけたノートを思い出し、そのページを開いて香恵は読み始める。どうやらそれは若い女性の小学校の先生で、初めて担任を任されてその日々を綴っていたノートだった。
それを読み進めるうちに・・・

やはりあまりネタバレをしない方がいいと思うのでこれぐらいで。

0
2025年04月10日

Posted by ブクログ

何気ない学生生活を送る香恵はある日、クローゼットに残された伊吹先生のノートを見つける。

そこに出てくる隆は香恵が気になっていた隆作であった。その後が気になる。

マンドリンを忘れたところはちょっと余計?

0
2024年08月07日

Posted by ブクログ

最初のページから香恵の話が始まるところは
一瞬、ん?となったが読み進めていくうちに納得。

タイトルから暗い悲しい話かと思ったが
最後はとても温かい気持ちになった。

最後の方で香恵が鹿島に言う言葉が個人的にはとても刺さってスッキリもした。

分量はしっかりめだけどどんどん読み進められる。

0
2023年11月15日

Posted by ブクログ

面白かった。途中でオチが分かってしまったが、最後は涙した。心地よい読後感だった。

主人公、香恵の部屋に置き忘れてあったノート。それは前の住人「伊吹先生」が書いた日記だった。

伊吹先生の日常と、香恵の日常が同時進行する中、ラストに近づくにつれ少しずつそれらが交錯していくのが面白かった。

0
2023年05月18日

Posted by ブクログ

星3個と悩んだけど。
ストーリーは何となく予想はできるんだけど、
それぞれの愛に満ちた想いが胸に刺さった。
誰にも読まれるはずのなかった手紙も、何かの偶然で伝わっていく、想いの強さは本当にあるように感じる。

0
2022年07月16日

Posted by ブクログ

その部屋の窓を見上げる青年、その窓から青年を見つけた女子大生、その部屋の押入れに仕舞い込まれていた女性教師のノートと学級紙太陽の子。
涙が止まりませんでした!

0
2021年11月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

香恵は主体性がないと言われがちだけど、天然で憎めない可愛らしさをもつ普通の女子大生。親友の葉那ちゃんが留学してしまってから、寂しさと物足りなさを感じながらアルバイトに勤しむ中で、前の住人が置いていったノートと、ある男の人と出会うという物語。
香恵の日常と伊吹先生のノート、二つが交互に進んでいく話なのだが、中弛みもなく引き込まれるストーリーだった。特に、伊吹先生のノートの言葉がなんだか血が通っているというか、とても温かみがあるのだが、巻末を読んで衝撃を受ける。心が疲れた時に読みたくなる、素敵な作品だった。

0
2021年05月29日

Posted by ブクログ

物語が繋がった時、失われた人の空白の大きさに切なくなった。「今が幸せだ」という伊吹先生。その1年の締めくくりである、子供達とのお別れの日にこの世を去る事になって、どれほど無念だったろう。1人1人の顔を見て進級する子供達の背中を押したかったろうな。
想いの人との距離もあと少しだったのに、思いの丈を伝える事なく死別だなんて夢にも思わなかったろう。
何もかもこれからという、未来ある人だったのに。

ノートを読んだのが彼女で良かった。
失った人は戻らないけど、想いや気持ちは繋いでいける。

0
2021年02月25日

Posted by ブクログ

引っ越し先の押入にあった前住者の日記を読んで感動するものの、最後には現実と交錯する恋愛ファンタジー。?ちょっと天然な主人公の言動も面白かったが知らない男がバルコニーを見上げる辺りから何となく話の先が想像出来てしまったのが残念。

0
2023年10月04日

Posted by ブクログ

面白かった!
日記の中の先生と読んでいる世界が交互に混ざって、物語が進んでいく様子がよかった。
オチは途中から想像できたけど、想像通りでよかった。
ほっこり心温まる話を読む時にはちょうどいい。

0
2023年09月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

繋がりや伊吹先生の事とか、こうなんだろうなぁってわかっちゃうんだけど、なんせ伊吹先生が素敵なので読み進んじゃう!

恋の行方も気になるけど、、ラスト
えっ、ここで?今?今、ここで??しかも暗唱??
内容は感動的だけど、ここで??
てゆーか、隆は1人でじっくり手紙読みたかったんじゃないのかなぁ、、
祝いの席だからアリなのか。
まぁ、いやな感じのお嬢様も涙ぐんでいたし、感動的な大団円とゆうことで、

共感力が足りないんでしょうね、わたし。

0
2023年03月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

最近はあまり恋愛ものの小説を読んでいなかったので香恵と石飛の微妙な関係性に食傷気味になりながら読み進めていったが最後に意外な繋がりが分かり「なるほど~」と一気に印象が変わった。

0
2022年12月21日

Posted by ブクログ

序盤の伊吹先生の日記が、ちょっと諄く感じましたが、スラスラ読める作品でした。

香恵ちゃんのキャラがよく、クスッと笑うシーンが幾つもあり、ほっこりした気持ちになりました。

0
2022年01月05日

Posted by ブクログ

筆者が御姉様へ追悼の意を込めて書いた作品なのでしょうか…じんわりと心が温かくなるような優しいお話でした。

0
2021年10月28日

Posted by ブクログ

 なんとなくオカルト的な内容なのかと思っていたが、私が勝手に何か別の物語と混同していたようだ。青春を楽しむ若い女の子が、自分の部屋から前の住人が残していった古いノートを見つける。小説の中の物語のような構造になっている。そんなに感動、号泣というわけでもないが、なかなかジーンとする話だった。ただいたずらに長すぎるような気がしないでもなかったが。

0
2021年10月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

主人公は香恵でも隆作でもなく、伊吹。後書きにあるとおり、筆者のお姉さんが遺されたものが、話の中心。だから、脇役の香恵と隆がどうなろうが、正直どうでもいい(その話が本筋だからどうでもよくはないんだけど)。伊吹という名でお姉さんの証を世に送り届けた筆者に心を動かされた。

0
2021年04月06日

Posted by ブクログ

雫井さんが恋愛小説を書くとこうなる……!!
内容自体は難しくなくてわかりやすいストーリーだったけど、登場人物の焦りが伝わってくる書き方(文体?)は流石雫井さん。
ちょっときゅんきゅんしました

0
2021年02月17日

「小説」ランキング