あらすじ
花の季節、花見客で賑わう乗合船で起こった強盗騒ぎで、若い娘が機転を利かせ、強盗を川に投げ込んだ。人々がはやし立てる中、「女のくせに見苦しい」と嘲笑した侍に腹を立てた娘。だが、旗本の次男坊と料亭の蔵前小町はやがて恋に落ちた。時は幕末、時代の波が2人を飲み込んでいく…。「御宿かわせみ」シリーズの原点ともいうべき表題作をはじめ、平岩文学の原型を凝縮した7編を収録する短編集。
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Posted by ブクログ
短編集で、それぞれ読み応えあり。「狂歌師」は身分、立場と違った位置付けなのに起こる軋轢。「絵島の恋」は意外性を持たせたんだろうけど、ちょっと浅すぎかも。「日野富子」はむしろ貴族の身勝手さかな。「鬼盗夜ばなし」は軽いけど好感持てる。「出島阿蘭陀屋敷」は題材として面白い。「奏者斬り」は山本周五郎の武家物を思わせる作品、やや抵抗あり。表題の「江戸の娘」はシンプル過ぎて物足りない。だから膨らませて「御宿かわせみ」の原点になるのかな。
Posted by ブクログ
家が26歳(S33)から43歳(S55)の長い年月に書かれた7編。
その年の心も反映しているのでしょうか?
女心が描かれている作品群です。
題表作の「江戸の娘」 ハッピーエンドで良かった。
Posted by ブクログ
せっかく時代小説を読むならこういうのがいいなあと思えた短編集。
江戸の娘はハッピーエンドでほっとした。
松江城や不昧公の茶室に行ったばかりだったので、彼らの出てくる奏者斬りは臨場感と切なさがよりくっきりと感じられた。
鬼の片腕を取り戻す話もラストシーンが心に残る。
いい時間を過ごせた。
Posted by ブクログ
「御宿かわせみ」シリーズで有名な平岩弓枝さん。
26才から執筆したという初期の作品が七篇収録されている。
読んでみて驚くのがとても小説を書き始めた頃の作品とは思えない。
表題作より「狂歌師」「鬼盗夜ばなし」「出島阿蘭陀屋敷」が良い。
正直昔の作品の方が好き。