あらすじ
戦略コンサルタントの多くは、論点思考や仮説思考、デザイン思考など、優れた思考法をマスターして自らの知性を高めつつ、業界や特定分野の専門性を極め、情報技術や生成AIをも使いこなす「世界最強・最先端」の知的エリートを自任していることでしょう。
しかし、トップ5%の一流は、そうした方法論や専門性、情報技術だけでは及ばない領域にいます。彼らはしばしば、他のコンサルタントが思いもよらなかった視点から真の課題を浮かび上がらせたり、誰も気づかなかった盲点を一瞬で指摘したり、ブレイクスルーやゲームチェンジの切り口を見出したりします。なぜ、そんなことができるのか?
本書では、ボストンコンサルティンググループ出身の戦略コンサルタントである著者が30年以上積み上げてきた知恵や経験をもとに、優れた問題解決や創造的なアイデアの導出に不可欠なマインドセット、ものの見方、考え方などをまとめました。企業経営や事業戦略の立案に携わる方はもちろん、すべてのビジネスパーソンにとって必読の一冊です。
【内容構成】
序 章 戦略コンサルのトップ5%は何が違うのか
第1章 ブレイクスルーアイデアを生み出すための「思考態度」
第2章 「思考枠」を広げて常識や定石の壁を突破する
第3章 トップ5%が駆使する「戦略思考三種の神器」
第4章 世界を一変させるインサイトに導く「コンセプト思考」
第5章 本質へと一気にたどり着く「インサイトドリブン」
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
既存の思考枠に捉われないためには、「それって本当?」と常に思考し続ける思考態度が重要。これは何となく他の本でも見ることですが、著者は第一線で活躍されるコンサルタント。具体的なアプローチ方法も余すことなく解説してくれています。
Posted by ブクログ
戦略コンサルのトップクラスの他と違う根本部分。、それは思考枠と思考態度
思考の切り口、メガネという意味でとても参考になる本
メモ
•最初の課題設定自体を疑い、問うところからスタート
•原理的、本質的に解明しようとする
•パターン認識しては、これを疑い、ズラして壊し、違う切り口から光を当て、新たなパターンを認識して、、、と繰り返すことが大切
•パターン認識には2ルートある
既知モデルによる現象理解 適用的パターン認識 専門性
新たな切り口で説明するモデル化 発見的パターン認識 創造性
•創造性とら人々のパーセプションを変えるモノ、コト
•創造性の敵は習慣、常識、専門性
⭐︎創造性のための問いの習慣
それって本当か
そうだとすると
•制約を解除する問い
盲点 見えていない視点や抜け落ちへの気づき
思い込み 暗黙の前提への気づき
仮説的推論 思考実験で認識を進める
想定外 前提を解除
•問いの切り口
思い込み それって本当?そもそも◯とは何?
盲点 ◯の立場ならどう考える?逆に◯のいいこと、悪いことは
想定外 異質分野の要素構造を当てはめる、一つ上のレイヤーで考えると
仮説的推論 万が一◯ならどんなシナリオ?相反する二つが無矛盾ならどうなる
•思考の切り口をユニークに変えるセットアップ
問題を動かす 原因結果のずらし軸、具体抽象のずらし軸
マルチレンズで見る zoom in zoom out細部か大局か、framing reframing フレームを変える変えない
思考観察対象の工夫 背景を理解する コンテクストを意識、対象を変える 想定の外を内にいれる、結果を考え想定外の結果を受け入れる
•戦略思考の三種の神器
big picture
rule of the game
quicj and dirty
•big picture
一つ上のレイヤーから見て捉える
当該テーマやイシューに対して、最も本質的根源的なメカニズム、問題の構造や要素間の関係性、システム、それらを変動させるドライビングフォースは何かということ
一つ上のレイヤーから全体的な特徴や相対的な差異を捉えることで、表面の課題だけでなく、問題の構造や関連する要素間の関係性、それを変動させるドライビングフォースなど、有効な打ち手への見通しがはるかによくなる 相対の視点を導入するともいえふ
事業を個々のパーツでなく全体のシステムとして見る方法
•rule of the game
当該ゲームは何を巡って競い合い、どうなれば勝敗が決まるのか
ゲームはどのような手順で進行し、最低限の守るべき規則と違反行為は何か
⭐︎ビジネスにおけるゲームルールは次の二つ
1そのビジネスでは何をめぐって誰とどう争うのか
2競争優位の方策、このビジネスではどう戦えば勝利の可能性が高いか
⭐︎戦略とはルール1の選択によって自社に有利なルール2を押さえること
•quick and dirty
本日にもとる枝葉の情報を大胆に切り落とし、
本質的な情報だけに基づいて推論を重ね、
蓋然性の高い仮説に辿り着く
カギはアブダクションによる仮説推論とモデル思考。
分析実施手順
思考を掻き立てる大きな問いに気づく
切り口、パースペクティブをインサイトする(仮説立て)
3ステップの仮説推論で限界まで思考を推し進める
ステップ1 本質にもとることは大胆に切り捨て単純化•モデル化
ステップ2 単純化したモデルで思考実験的に限界まで論理計算を実施
ステップ3 結果をあらゆる角度から吟味し仮説をブラッシュアップ
・コンセプトとは、現象やその背景にある構造やメカニズムについて、今までしていなかった或いは、今までとは違う切り口により、混沌や曖昧な状態から、くっきりとした新たな形・パターンを認識し、概念として言語化、図式化、数式化したもの・すること
・世界を変えるレバー、行動変化を促す力を備えるコンセプトの特徴
世界の見方を更新する
適度に情報圧縮されている
示唆的に余韻がある
・コンセプト思考の道具
軸発想
二項対立
二軸マトリクス
数式発想
指数関数
べき関数
図式発想
ビルディングブロック
止揚・現象
Posted by ブクログ
どうすればひらめきを生み出せるのか、を思考態度と思考枠、思考ツール、具体例とともに説明してくれる本。
これがあれば100%閃くものではないが、ひらめきの再現性が上がることは間違いないだろう。
定期的に読み返したくなる実践書。
Posted by ブクログ
・「考える」とはすなわち、「パターン認識」をすることです。パターン認識とは、複雑な情報の中に特定の規則性や類似性を見つけるプロセスです
・創造性とは「人々のパーセプション(認識上の定説・定石・常識・慣習など)を変えるモノ・コト」
・創造性の真の敵は専門性ではありません。それなのに「バイアスを生む専門性は創造性の敵」と決めつけ、「ときに味方となる可能性」を排除してしまうこと自体が、バイアスがかかった状態と言えます
・「これはこういうものだ」と決めてかかり、「本当にそうなのか」という考えを放棄して思考を止めてしまうことこそが、創造を阻害する決定的な要因
・人に対する別け隔てのなさが自分を客観視できることにつながる
・思考を動かし、ロジックを追求していると、殆どの場合、何らかの矛盾や隘路に突き当たります。実はその状態こそがインサイトを得て創造性を発揮するための最高の準備なのです
・物事はほぼコンテクストによって意味や価値、機能が決定しますが、私達は驚くほどその事実に無自覚です。日頃からコンテクストを意識し、あえて通常の文脈から切り離してベルの文脈で適応することで新たな意味や価値、機能が見えてくるなど、コンテクストの認識は暗黙の想定を意識化する創造性や発見の手っ取り早いトリガーになる
・仮説が立てられないうちはいじくり回せばいい
・検討しているテーマやイシューに関して、今より一つ上のレイヤーから見て捉えること:構造と構造変化のドライビングフォース
・ビジネスにおけるゲームルールは2つ
1:ゲーム自体の定義「そのビジネスでは何を巡って誰と争うのか」
2:競争優位の方策「このビジネスではどう戦えば勝利の可能性が高いか」
・戦略とはルール1の選択によって自社に有利なルール2を抑えること。原理的に「一旦どんなゲームなのか、どんなゲームがあり得るか」をしっかり定義・解明したうえで、「だとしたらどうすれば勝てるのか」を具体的に考えていく
・〇〇に見えているが、実はこういう見方をすれば✕✕
・コンセプトでは現状の事実認識や整理以上に、ものの見方や世界認識を更新するような切り口が提示され、それが新たな予測可能性を海、思考を刺激し、広がりや発展可能性をもたらします
Posted by ブクログ
想像以上の良書だった。ロジカルシンキングの教科書にある、「こういう分解をいろいろな切り口でやってみることだ大事」と書いてあることをさらにうまくまとめている。
Posted by ブクログ
やっぱりどれだけ人と異なった見方で見れるかが大事か。違った切り口で、違った感性で。
考えるとは、何かを深く考察し、メタレベルから思考を巡らせて、パターン認識を実践すること。
思考枠を広げるにはとりあえず、「果たして〇〇が真の××か」と考える。
ビックピクチャーを常に捉える。(今の視点より一つ上のレイヤーから見て捉える)
Posted by ブクログ
創造的思考力を高めるためのテクニックが詰まった本。自分なりにロジカルに考えて結論付けた答えがあったとしても、「本当にそうか?」と問い、前提を取っ払って新たな切り口で考えを整理する。考えることを止めない。その結果、誰にも思い付かないような新たなインサイトが得られる可能性が高まる。
具体的にどうすればよいか?については、思考のヒントとなるキーワードがたくさん本書に載っているので、チャレンジのハードルが低く、誰にでもできると思う!
訓練してこの思考法が身に付いたらさらに自分が成長できる未来が想像できるので、早速今日からやってみよう!
Posted by ブクログ
コンサルティングの専門家が、経営戦略について述べたもの。著者が、コンサルティング会社で上司や先輩を見て学んでいったことをまとめている。確かに、言っていることは正しいように思え、企業の業績向上に貢献したのであろうが、経営戦略は、普遍的なノウハウとしてまとめられるものではないように感じる。ノウハウのように抽象的な原理を導き出しても、リーダーを中心とした会社独自の経営戦略は、成功している会社ほど模倣できないようになっており、万民のノウハウとして成り立たない。普遍的な部分はわずかであり、それだけでは参考にならない。私は、誰もが世界を変えるブレイクスルーアイデアを生み出せるといった考え方には不同意。
「トップ5%の戦略コンサルタントは方法論や知識・情報に先立つ「ものの見方」が一般の戦略コンサルタントと根本的に異なります。それらによって彼らは世界の見方を更新し、認識を一変させる「インサイト」(洞察、ひらめき、直感)を発揮できるのです」p3
「どんな方法論を使おうが観察者の目線・視点が日常ならば日常の風景しか見えないのは世の理なのです」p22
「戦略はやっかいなことに競争相手と同じことを考えていては勝てません。競争相手の裏をかいたり、相手が思いもよらない手で先手をとったり、相手が気付いたとしても模倣できないことを仕掛けるから成功するのです。論理的に正しいことよりも、一見ハチャメチャでも思いがけない創造性がある戦略の方がずっと有用かつ重要なわけです」p26
「消費者調査に基づいて手を打っても結果が出ないことはよくあります。そこで「消費者調査なんてあてにならない」「客観的分析ではなくて主観的な構想が大事だ」云々と飛躍した論理を展開される方もいますが、構想とは常に主観によるものです」p33
「パターン認識力の獲得に手っ取り早いのは専門性の習得です」p49
「創造性の敵としてよく挙げられるのが、習慣、常識、専門性の3つで、それらに基づくヒューリスティック(直感的な判断・経験則)が創造性の足枷となるとされています」p74
「仮説が立てられない場合は、いじくり回せばいいんだよ」p121
「事業システム全体のシフトには既存システムからの大きな抵抗がかかりますから、じっくり時間をかけてやるのではなく、一気呵成にやり切ることが肝要です」p142
「具体的な作業指示をするのではなく、チーム内での問題意識の共有が何よりも大事」p178
「(思考を枠にはめない)あくまで論点設定や検証作業は、元のアプローチに基づいたものを進めていきます」p246
Posted by ブクログ
著者のこれまでの実体験を通した思考法に加えて、他のビジネス書でも書かれている内容や哲学的思想の集合知という感じがした。
実際にフランスの思想家ジャック・ラカンの重要な考え方の1つがそのまま著者独自の考えであるかのように書かれており、本書や他書でも言われている知的好奇心の必要性・重要性を実感した。
ビジネス書に即効性を求めるのは筋違いで、全体感については著名なものを3冊ほど読めば概ねポイントは掴めてくるので後は地道な努力しかないのだと気づいた。
Posted by ブクログ
トップコンサルの思考方法を具体例とともに記載した本。ボストンコンサルティングという超一流コンサル会社で新卒から働き、独立して経営しているだけあって理路整然と思考方法の紹介が展開していく。
内容としては可もなく不可もなく。
内容だけなら他の書籍でも知ることができそうだが、いざ実戦しようとするとできないところが肝であろうと思う。
Posted by ブクログ
戦力コンサルのトップ5
思考法より重要な思考態度
・本質を捉える思考、考えるとはパターン認識(無秩序の中に意味をともなった規則性や類似性を見出す)
・思考枠を広げる、そもそもの課題設定に対して問上
パターン認識の2つのルート
1. 専門性を活かしたパターン
2. 想像的発見パターン
・多くの場合専門性が低すぎるのでまず1を徹底的に強くする、仕事の専門領域と趣味の領域の2つでそうあれると良い
・圧倒的知的好奇心こそ幅広い教養の源泉でトップ5%に共通する資質
・創造性は感性や直感ではなく愚直なロジックと背景理解から来る、しかし専門性が認知バイアスも産み創造性の足枷にもなる。
・創造性の真の敵は、本当にそうなのかという考えを放棄して思考を止めてしまうこと。それって本当か?そうだとすると?を繰り返して止めない
戦力思考の三種の神器
1. Big picture: 本質的、根本的メカニズム、問題の構造やシステム、それらを変動させるドライビングフォースは何か?一つ上の視点から捉えるとどうか?
2. rule of the game: 誰と何を争うかを決めることで、自社の勝率を高めること
3. Quick & Dirty: 本質を抉り出し、蓋然性の高い仮説に素早く辿り着く
Quick & Dirtyの実施手順
1. 思考を掻き立てる大きな問いに気づく
2. 問いに対する切り口を探す
3. 本質以外は大胆に切り捨てモデル化し思考を詰める
戦略思考を結晶化させるコンセプト
・優れたコンセプトは世界を一変させる
1. 世界の見方を更新する
2. 適度に情報圧縮されている
3. 示唆的に余韻がある、不完全さは敢えて解釈の余地を生み、アレンジを許容し、応用や発展の可能性を開く