あらすじ
カラスが飛びたつ不穏な麦畑、激しく渦巻く夜の空、黄色の花瓶に生けられた黄色のひまわり……ゴッホの描く絵画はその純粋で孤独な魂そのものだ。耳切り事件やピストル自殺により、狂気の画家・悲劇の主人公とも言われてきたこの画家は、発作が起きていない時は知的かつ冷静な画家として、わずか十年余の間に2000点以上の作品を制作したという。ゴッホの夢や恋愛の挫折、芸術修業、自己懲罰癖、知られざる人間像と画業の真実に、長くオランダに住む美術史家・画家である著者がかつてない光を当てる新しい力作評伝。
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Posted by ブクログ
作者の追跡とゴッホの生きた跡が交差して小説みたいな、伝記みたいな、興味深く読めた。
ゴッホにそこまで興味はなかったけど、こういう時期に描いたのか、こういう想いもあったのかもなぁ…とか思いながら見ると俄然興味深く絵も観れるようになった!
Posted by ブクログ
ゴッホについての本は2冊目。最初はテオ(弟)の妻であるヨーが主人公となった本だった。
私にとって、2冊目となったゴッホの本は、著者の吉屋敬さんが主人公であり丁寧に調べられたゴッホが主人公だったり、音楽でいう主題が綺麗に描かれたものだった。
私は読みながら著者の吉屋さんにも興味を持ったので調べると、画家でありエッセイストそしてゴッホの研究家とある。
これがかなり丁寧な書き方に影響していると納得するものだった。
ゴッホと言えば、耳きりに自殺騒ぎとあまり近寄りたくない画家だった。最初に読んだヨーが主人公である本で、ゴッホについての個人的な思いが誤解だったと気づいて作品にもゴッホにもとても好感を持つようになっていた。
ヨーが主人公の本にはなかった、ゴッホの生活風景が読むたびに慈愛に満ちて心が熱くなるのを感じながら読んだこの本。
伝道師協会に所属し牧師になることを目指したゴッホ。
家族やたくさんの画家たちからささやかな支援を受けて、渾身の作品を仕上げたゴッホ。
不器用で相性深いゴッホが感じかれる本だった。