あらすじ
きのうまでの「普通」を急にアップデートするのは難しいし、
ポンコツなわれわれはどうしたって失敗もする。
変わらぬ偏見にゲンナリすることも、無力感にさいなまれる
夜もあるけれど、「まあ、いいか」と思える強さも身についた。
明日の私に勇気をくれる、ごほうびエッセイ。
〈目次〉
第1章 今日もなんとか生きていく
第2章 ポンコツな我々と日々のタスクと
第3章 大人の醍醐味・中年の特権
第4章 それでも生活は続くのだから
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
コロナ禍あたりのエッセイまとめ集。どこかで聞いた話…?読んだことあったっけと思ったが、スーさんのラジオとポッドキャストの話と重なっているのだと気づいた。やはりスーさんの文章では「生きるとか死ぬとか」が秀逸。その後に、妙位即答のおしゃべりが来て、私的にはエッセイは最後かなあ。テーマは面白いし事実関係も整理されているのだが、いい意味での強さ、言いっきりのかっこよさが、文章にすると一人歩きして恐くなってしまっているのが残念で。私もメールが怖い、と言われたことがあるので、なんとなくそういうことなんだろうなあと。いやでも面白いです。できれば、生きるとか死ぬとか的なシリーズをもう一度書いてほしい!
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10歳くらい年上のスーさん。この先感じるであろうことや既に感じてることについて書いてくれてる。自分にしかできないことなんて、ない。けど目の前のことを淡々と誠実にやろう。お父様との事も気になったので次の作品も読む予定。podcastも聞いてみた。こういうのはテイカーだねっていうのが刺さった。私なんかじゃお役に立たないし…ってのは回答になってないと。自分焦点にするなと。耳が痛い。
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この本を読んで印象に残った言葉のひとつは、「普通という言葉をなるべく使わないようにしている」という部分だった(p.59)。
日常の会話の中で、私たちは無意識に「普通は~だよね」「普通に考えてあり得ない」などと口にしてしまうことがある。
でもその“普通”って、一体誰が決めたのだろうか。
気がつけば、自分が持っている常識や経験に照らし合わせて、他人の選択や価値観を勝手に測ってしまっていることがある。
「普通」という言葉には、人を黙らせる力がある。
それがたとえ善意から来ていたとしても、相手の選択肢を狭めたり、自信を削いだりしてしまう危うさを持っている。
けれど私は一方で、友人が苦しんでいるときや、視野が極端に狭くなってしまっているときには、「それって本当にそうかな?」「誰がそう言ってるの?」と声をかけてあげることも、大切だと思っている。
人はときに、自分を縛っている“べき”や“普通”の正体に気づいていないことがある。
だから、相手の選択を否定するのではなく、「その価値観って、自分で選んだもの?」と、そっと問いかけること。
そうやって、誰かの考えに寄り添いながらも、視野を広げるきっかけになれるような関わり方をしていきたいと思った。
また、p.72にある「他人の評価が気にならないほどのやりたいことをやるしかない」という一文も、今の私にとって大きな気づきだった。
社会に出ることを前にして、つい周囲の目を気にしたり、好かれようと振る舞ってしまう自分がいる。
でも、結局のところ、自分が「やりたい」「好きだ」と思えることに真っ直ぐでいられるかどうかが、自分らしさや信頼を育てていくのではないかと思う。
自分自身を見失わず、他人の“普通”にも染まらず。
そして誰かの人生や価値観に出会ったとき、「それもひとつの選び方だ」と思える広さと優しさを、これからも持っていたい。
この本は、そんな生き方を後押ししてくれるような一冊だった。
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色々考えるきっかけになる話が多かったな。日々の暮らしや生き方、仕事の話など違うことだらけでも自身が行く道だなと思えることもあって参考になった。様々なことに疑問を覚える方ではないけれど、年齢を重ねていく中で漠然とした不安があったりして。スーさんのおかげでとりあえず日々を疎かにせず目の前のことをこなしていく事も良い事だと教わった。
とっても読みやすい文体であっという間に最後まで読めた。途中の挿絵が可愛い。ジェーンさんの本は初めましてだけど、言葉の端々から正義感とまっすぐな生き様を感じる。
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全体に通奏低音の如く流れるのは、インディペンデント(自主性)の一文字に尽きます。
日常に無力感や憤りを覚えつつも、「負けへんで」と自力で生きて行く覚悟があふれているように思いました。
これは誰でもが抱く思いのはずですが、新鮮に映ったことを意味します。
ここにも薄っすらと僕の偏見が見える気がします。
男である僕は、ここまで何も考えずとも下駄を履かせてもらっていたのかも知れません。
多分、相当に。
男女間の小さな違和感や諦めていることを冷静に検証し、行動に繋げる様子も書かれていました。
仕方ないよと薄笑いする裏で、苦しんでいる人がいる。
そうであれば、変えていかないといけません。
それは伝統ではない、因習です。
明日の仕事を憂鬱に感じ、体の衰えを実感しては焦り、物覚えの力が格段に落ちたことに絶望する、中年の日々。
それでも何とか生きて行くしかないし、みんな同じなのだなと気付きます。
自分だけがと思っていたことに気付いただけでも、不思議と気持ちが楽になりました。
著者ジェーン・スーさんのポッドキャスト番組[OVER THE SUN]を今になって聞いていますが、もっと早く聞けば良かったと悔やむばかりです。
先日のイベントは動画で見たので、過去回と最新回を同時に聞き、楽しんでいます。
引き続き、ご自愛ください!
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自分と自分、他者と自分、さまざま関係性の中で生きている私たち。
スーさんとは年代も違うし、住んでいるところも違う。
だがしかし、近所のお姉さんのような、時には友達のように寄り添ってくれるエッセイである。
私が感じている言葉を言語化してくれた!感動と嬉しさと共感と…様々な頷きが起こる本でした。
大切にしたい言葉が多かった。
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雑誌の連載をまとめたものであるので読みやすいことに加え、その時の世相(コロナ前、コロナ禍、ポストコロナ)が反映されていて興味深い。歯の治療にまつわる騒動ついても勉強になりました。どの章にも光るスーさん節。ラジオを聴いているよう。なるほどなぁと考えさせられたり、私もその年代の時にこういう風になっていたいなぁと、私にとっては憧れの姉御的ポジションな方だわ。つまり、自分のことを自分でちゃんと愛せる大人でありたいってことですね。他のエッセイも読もう
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最後のプロレスの3カウントに絡めた締めが心に残った。
『どんなに追い詰められても、2.99で肩を上げれば負けではない。生きていればいろいろあるけれど、2.99で肩を上げる。そういう生き方をしていきたい。』
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この人が好きだという方がいたので読んでみたら、信じられないくらいずっと読めた。感覚が好きだ。共感しかない。ただ、自分がこの生活を楽しめるかどうかはわからない。私は孤独に負けそうな気がする。
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楽しく読みました。身につまされる話が多いです。私も今年度人生初の人間ドック受けるので(スーパーでは無いですが)さてどうなるか…。インプラントの話は恐ろしかった。お医者さんを疑うって、反論するって私もできなさそう。
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おもしろかった
こんな強い中年になりたい
等身大で無理をしないってわけじゃなくて
普段はアイドリング状態でも
ここぞってところでパワーだせるような感じ
Posted by ブクログ
ポッドキャストだと感じないのだけど、文章だと繊細なところがある人だな思った。
「好きを仕事に」は私も常々違和感がある。
好きよりも得意なことを、そうかもしれない。
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ベースは婦人公論に連載していたものなので、ひとつひとつが適度な長さで読みやすい。
内容に関してもうんうんそうだなあ、と共感できることもあればオーバーザサンでしこたましゃべった話やないか、と思う話もある。しかしまたそれも私は好きなので良き。
歯医者の話からのお母さんの話、宇多田ヒカルの話が個人的にとてもよかった。歯医者からここにおさまるとは。
スーさんの本は安定して読める定期便みたいな気持ち。
Posted by ブクログ
35才を過ぎたら
好きな事より得意な事を仕事にする
私の得意な事ってなんだろうな、
意識しなくても
得意が仕事につながってるんだろうな
スーさんが昔、恋人と
大雪の浅草を散歩して
底抜けに幸せだった
という話がスキ
あの人とだからこそ
体験した事
いつまでも記憶に残るのは
そういう事だ
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タイトルを見て、なんかちょっと元気がもらえるかもという気持ちで読み始めたけど、元気はもらえなかった。
同世代の女性だけど共感もなく。
でも、全く嫌な気持ちにもならない文章だったから、他の本も読んでみたいと思った。
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人生の先輩の、日常のエッセイ。面白い視点でツッコミを入れる。納得して笑えたりする。人生色々なことがあり色々考えて自分なりに納得して毎日を過ごしていく。皆結局は同じなんだなと安心する。インプラントの話は為になった。そんな日が私にも来るはずだから。
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その年齢にはその年齢の強みと弱みがある。
今は人生100年時代と言われていて、健康を維持出来るなら100歳まで生きられるよと言われているようだ(そうでない場合もあるけど…)
100歳まで生きると想像すると、今の自分はかなり若いと感じるし経験もまだまだだなと感じる。
年齢毎にクリアしていかなきゃいけない問題や上がって行く経験値。先のことばかりが先行して考えてしまうけど、今に重きを置いて生きて行く。
だって100歳まで生きるとなると、日々起きる色んな出来事に対してへこたれてなんかいられないんだから。
Posted by ブクログ
体のことに親のこと、仕事のことに友人のこと、中年の毎日にはいろいろあるけれど。大人を励ますごほうびエッセイ。
コロナで倒れ、寝込んでいるときから少し復活して、ふとんに横たわっているのが飽きてきたタイミングで読んだ。相変わらず、スーさんのエッセイを読むと何だか活力が湧いてくる(笑)年代も2まわり違うのだけれど、こういう「大人」になりたいなと思える。独身でプロレスにハマっていて、プチブルジョワな人生は、一昔前なら眉をひそめられるような非典型例。でも自由に生きて何だかんだありながらも楽しんでいる先輩を見るとほっとするんだよね。かっこいいなあ。綺麗事だけでなく親への複雑な心境など、親近感も持てるし。『これでもいいのだ』に続き装丁が大変素敵である。
Posted by ブクログ
自分の中にジェーン・スーがいることを発見して嬉しくなった。言語化できずモヤモヤしていたことをクリアにしてくれるのがありがたい。
私も2.99で肩を上げてギリギリ生きていこうと思えた。読後爽快。
ただし、アンビバレントやらアファーマティブやらは注釈なしではややこしい
Posted by ブクログ
中年以降、人が頑固になるのは加齢のせいだけではない。新しい窓から新鮮な空気を入れて、自分の当たり前を敢えてまぜっかえすことをサボっているから。
いにしえから言われているように、生きることは選択の連続だ。当然、失敗もする。楽観的な私は、失敗から立ち直った自分にスポットライトを当てて出来事を記憶している。一方、悲観的と言われる人は、失敗した苦い瞬間にスポットライトを当てて記憶している。この違いは大きい。次に挑戦が必要な場面に直面した時「まあ、失敗してもなんとか立ち直れるだろう」と思えるか、「私はまた失敗するだろうから、挑戦するのはやめよう」と思うか、行動に決定的な違いが出る。
Posted by ブクログ
ジェーンスーさんは大好きでたぶん著書は全冊読んでいる。ちょうど少し前に『私たちがプロポーズされないのには〜』を読んだせいか、なんだか、丸くなったなぁと言うのが第一印象。丸くなったというか意識が自分より社会に向いてる感じ。わたしも若い頃よりコンプレックスとか、自己への関心は薄れてきたから、50歳くらいになるとそんなものなのかなーと想像する。でももう少しはっとするようなものが欲しかったな。
Posted by ブクログ
肩の力を抜いてクスッとなったり頷いたりしながら楽しめた。共感すること多数。
コスパ、タイパこそ正義な風潮がある今日この頃、いやいやそうじゃないよねと人生の余白を感じさせてくれる。
時間を重ねて行くと「やらなくていいこと」、「やるべきでないこと」がクリアになっていく。
そこではtodoタスクに追いかけられることはない。みんな欲張り過ぎなのか、ただ不安なのか。
様々なシチュエーションで美談が語られるが必ずしもエビデンスに基づく行為とも限らない。
「緊急時に、気持ちが知性を追い越していいことなんて、なにもないのに」の一文は引っかかっていたものが取れたかのような爽快感があった。
人生という大河、時には流れに乗り時には抗い、いつもネバーギブアップでいれば穏やかな場所にたどり着くよ。
Posted by ブクログ
エッセイって、
著者のリアル生活や考えを垣間見れるのが魅力で、
「あっ、わたしも!」みたいな共通点も嬉しいし
「えっ、そんなことも!」みたいな新たな発見もあると思うんだけれども、
このエッセイは、「わかるわー」の共感が印象に残りました。
特に歯医者のエピソード。歯医者だけじゃなくて
日常でこんなことよくある気がする。
ずっと信頼して利用してきたけど、実は違ったみたいな。
そして断れずにやってもらったら、「あれれ??」みたいな。
たぶん、わたしも著者みたいな対応になるだろうな〜と。
歯医者エピソード、しつこく書いてくれてありがとう♪
Posted by ブクログ
本作は2019年12月から2025年1月まで、雑誌「婦人公論」に「スーダラ外伝」として掲載されたものを加筆、修正され単行本化になったものです。
時は新型コロナ蔓延の時期と重なって、その影響も大きく受けつつ、50代になった著者が、20代30代の時との変化になんとか順応し今だからこそわかる自身の身体や心の有り様を軽快なタッチで書き綴っているところに、読み手の私も思わず頷いたり、はて?と考えたりと頭を使いました。
特にインプラント治療事件は、親知らずを切除した経験しかない私は、怖くもあるし、とても考えさせられる話題でした。
ご職業なので、読みたくなる文章が書けるのは当たり前なのかもしれないけれど、著者はボッドキャストなどのラジオDJなどもなさっていて、こちらも人気です。
話すのが苦手な私なので、少しでも相手に伝わる書く文章を描けるようになりたいと思います。