あらすじ
何も思い出せなくなるくらい、私がすべて塗り替えればいい──
前皇帝が失脚し、見習い修道女となった元寵姫のイザベルは、薬草を育てながら真摯に奉仕する日々を送っている。ある日負傷者の治療に赴いたイザベルは、怪我人の八つ当たりに遭ったところを公爵家嫡男で騎士のジェラルドに助けられた。そこで彼の命を狙う話を偶然耳にしてしまい、暗殺計画が解決するまでジェラルドの婚約者のふりをすることに。共に過ごすうち彼に愛を囁かれ、若き次期公爵と結ばれることはないと諦めようとするイザベルだが……。
「ゆっくり慣らしていこう。君の身体が、私を覚えてくれるように」
元寵姫のすべてを蕩かし、隙間なく埋めていく騎士の深愛。
感情タグBEST3
好き
いわゆる「悪役」令嬢だった彼女のその後の話。『皇弟〜』のスピンオフ。
でも、こっちのヒロインは、とても人間味のあるヒロインです。
聖女ではない。黒歴史を持っている。でも、悔いて懺悔しようと頑張っている、とても親近感の持てる淑女です。
そして、衣装から時代は大体16世紀のヨーロッパと仮定して、女性の地位がないに等しかった時代に、モノのように扱われてきた令嬢の心情が赤裸々に描かれています。
エリザベス1世の御代か(話に全く関係ないです)
やはり淑女に求められるのは、純潔性であり、それが一般常識。
それも、皇帝から下賜されたというなら、ヒロインもここまで悩まなかったはず。清貧を旨として、信仰深く、己を律し過去の自分を悔い改めようとしているヒロインに、ベタ惚れのヒーロー登場!溺愛とはこのことデスネ
紳士的で、武勇もあり、上官としての信頼
も厚く、身分申し分ない。外国人というのがネックか?
いや、愛に国境なんて…!
前作があって、今作が活きるので、これは、スピンオフというより続編といいますか、2巻といっても過言ではないのでは?
いやぁ、切り口が新鮮で面白かったです!
あの令嬢のその後です。
このお話単体でも楽しめると思います。
前皇帝の元寵妃という過去がヒロインを苦しめてしまいますが、誠実なヒーローに出会いやっと幸せになれました。
私はこっちの話の方が好きですね。