あらすじ
蒲田署刑事課強行犯捜査係の森垣里穂子は、殺人未遂事件の捜査中に無戸籍者が隠れ住むコミュニティ“ユートピア”を発見する。容疑者のハナはコミュニティのリーダーであるリョウの妹だった。捜査によって彼らが唯一安心して暮らせる場所を壊してしまうのではないか──里穂子は苦悩しながら調べを進めるうち、かつて日本中を震撼させた未解決の“鳥籠事件”との共通点に気づく。特命捜査対策室で同事件を担当する専従捜査員・羽山圭司とともに執念の捜査の果てに辿りついた衝撃の真実とは。社会問題への真摯なまなざしとミステリの企みが見事に融合した、第24回大藪春彦賞受賞作。/解説=千街晶之
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Posted by ブクログ
今住んでいる蒲田が舞台ということもあり、近くの本屋で平積みされていたのを何となく購入
結果大当たりだった
10ヶ月の子供もいるので余計にささる
■戸籍
子供が産まれてからの手続きや、引っ越した際の住民票、転職する際の保険などなど、、、
面倒な手続きではあるけど、制度としてはしっかりしてるんだよなぁ
抜け道や甘いところがあるのはどうにかしろよと思うけど、大前提として戸籍という制度自体はすごいと思う
ただユートピアの住人達のように自分達に非がない人間が、国に認められないのは。
法の網から取りこぼされてしまった人間は。
現実世界に園村のような議員がいるとはとても思えない、、、
■当たり前に受けている恩恵
子供が産まれてから何度も打つワクチン
当たり前のように受けているが、過去に沢山の子供達が亡くなり、沢山の医療関係者が研究し、全ての子供が無料で受けられるようになっている
戸籍が無いことでミライは生命の危険にさらされる
何か事が起こらないと気付かないが、国に生命を守られているということを痛感
勿論政治に色々不満もあるが、日本に産まれた時点で恵まれていることは多分にあると思う
■鳥籠事件
真相があまりにも胸糞すぎる
最後の事件の真相が次々明かされていくのは良いが、解決後が長く感じた
ユートピア崩壊後の皆の行く末は気になるけどさすがに長い
ただ、全体としては読む手が止まらず後半は一気に駆け抜けた!面白かった!
Posted by ブクログ
無戸籍という重い社会問題にじっくり向き合った社会派ミステリー。幼い子どもを育てながら刑事として働く森垣里穂子が主人公。重い題材に向き合う物語の中で、彼女の温かく優しい存在がじんわりと沁みる。無戸籍で生きる人たちが直面する行政手続きの壁や、生きづらさがリアルに描かれていて、まるでドキュメンタリーを見ているような臨場感があった。ミステリーとして事件を追いながら、知らなかった社会の一面を知ることができた。
Posted by ブクログ
無国籍を題材にした本作でしたが、読後感としては、無知ほど恐いものはないなという印象を受けた。
とはいえ、私も無国籍に人に対しての法的な処置や対策を知らなかったわけで、知識を増やすきっかけをくれた本作品だった。
内容としては、第二章までは、淡々と進むような感じではいたが、第三章でそうきたか!という感じで読み進めることができました。
途中までは、兄妹は、トリカゴ事件の子達だと思ってたから…。
工場に年に一時期だけ様子見で現れていた沼田香苗は兄妹となんらかの繋がりはあるのだろうと思っていたけど、まさかという感じで衝撃を受けた。
私にも幼い子どもがいて、毎日育児に追われている。
世の中にトリカゴ事件のようなことが起きたらと思うと心が痛む。
金のためにとか自分の欲望のために事件をやらかそうという人の考えが胸糞悪いとは思いながらも、ミステリーとして貴重な読書体験をさせてもらいました。