【感想・ネタバレ】杉の柩のレビュー

あらすじ

婚約中のロディーとエリノアの前に現われた薔薇のごときメアリイ。ロディーが彼女に心変わりし、婚約は解消された。エリノアの心に激しい憎悪が湧き上がり、彼女の作った食事でメアリイが死んだ。犯人は私ではない! エリノアは否定するが……嫉妬に揺れる女心を、ポアロの調査が解き明かす。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

うーん面白かった!久々の星5つでございます。

証拠的にも動機的にも黒としか思えない状況をどうひっくり返していくのか。
あらゆるクリスティーランキングで、”派手ではないが傑作”と名高い今作を、ついに読むことができました。
あらすじから、エリノアが(おそらく)犯人でないことは明らかなのですが、それを抜きにしても彼女のような女性はとても好みなキャラクターです。クリスティー作品に時々出てくる、知性と品があって自立した女性にめっぽう弱いんだよなぁ。
そしてへっぽこ探偵な私は、「エリノアでないならロディしかありえないのでは?!」と早合点していたため、最後の最後に明かされる謎解きにはびっくり仰天。ポアロさんの入れ知恵はあったでしょうが、なんだか頼りないと言われていた弁護士さんがかなりやり手じゃないか……!

それにしても、人間はやはりゴシップ好きといいますか、調査を進める中で語られるエリノアとメアリイの人柄の描写にはとても興味深いものがありました。
実際の田舎ネットワークには辟易しちゃいますが、この”どこで誰が見て・聞いているかわからない”状況は面白い。物的証拠がほとんど出てこない会話シーンが続くにも関わらず、飽きずに読み通させる筆力はさすがです。

総じて、エリノアというキャラクターも大好きだし、あっと驚く謎解き(解決への糸口のささやかさも加えて)も結末のロマンスも、すべてに拍手!私の中のクリスティーベスト10に堂々ラインナップしたい一冊となりました。

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2024年09月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

エリノアが状況証拠通り、実は犯人だったという結末もあるかな、(近年流行った某ミステリーを想起)という疑惑が拭えないまま一気読み。
枝葉と思えた情報が真犯人に繋がっており、本当に見過ごせない。
愛憎関係の機微が物語に厚みをもたらしており、「ナイルに死す」が好きな人はきっとお好みかと思います。

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2024年03月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

おもしろかった
医師がいいキャラで好き メインヒロインも好き
確実に黒と見える状況をひっくり返す逆転劇が鮮やかだった

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2024年02月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

本気で誰かを好きになったことのある女性には、刺さるなんて言葉では足りないほど、心が抉られる作品でした。
それでいて、シリーズの中でも読み進めやすい部類に入ると思います。

嫉妬を表に出すまいとするエレノアに対して、そんなに自分を殺さないで欲しいと思わずにいられませんでした。
気高くて、情熱的な女の子なのに、婚約者のロディがそういう女を好まないという理由で、いつも冷静に振る舞ってきたのかと思うと、ロディに石ぶつけてやりたくなりました。
メアリイも実はとんだ腹黒なのかと思いきや、健気で優しい女の子で、どちらもただただ可哀想…。

ホプキンズが「ピンクのバラが刺さってしまった」という腕の傷を見つけた時の、エレノアが幼少期を思い出す場面で、自分でも引くくらい泣いてしまいました。
これまでの憎しみが嘘のように消えていく心情も、ロディと過ごした楽しい日々も、とても美しい描写でした。
読み進めると、腕の傷は真相を紐解く重要な鍵だということが分かるのですが、それも踏まえて、私の中で最も大好きな名場面になりました。

星5つしか付けられないのが悔しいくらいです。
悲しい物語ですが…1番愛する作品となりました。

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2022年12月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

聴く耳を持つものにとっては、真実同様の価値があります。ときには、真実以上の働きさえします。」 人は嘘をつく。不都合な事実を隠すためであったり、誰かを守るためであったりと理由は様々。それらを紐解くことてポアロは真実を導き出す。一番不利な立場にあったエリノアが最後まで嘘をつかなかったことが、ポアロを最も悩ませていたという仕掛けがとても良い。

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2025年10月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

加害者だと思われている人物にも実は被害者への殺意があった、様々な人物がウソをついていた。そのウソがなぜつかれたのか、背景を辿ると真実が見えてくる。人物同士の感情や関係が交差する素晴らしい話だった。

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2024年07月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ

エリノアは絶対犯人ではないし、登場人物の中に必ず犯人がいる!とわかっていたのに、最後まで真犯人が誰かわからなかった……
紛失したモルヒネ=殺人に使われたモルヒネだと確認されてないことや、バラのトゲで怪我したのだという言葉…絶対何か関わってくると思いつつ、同じように出された車の目撃情報などは推理を惑わせる情報で、あーーこのバランスがうまいんだった…アガサ・クリスティーの小説は…と思った。

事件そのものも面白かった。登場人物たちはそれぞれ個性があるし、あとがきでも言及があるように、一昔前のイギリスの「階級が人の性格をある程度決める」という要素もあり、この感覚はこの時代の小説ならではの空気を出していて好き。
解決パートが裁判の尋問形式で進むのも面白かった。ポアロの推理披露がみたいという人には物足りないかもしれないけど、それでもポアロのかっこよさは少しも損なわれていない。
物語を半分読み終えてポアロが登場しただけで、そのかっこよさにワクワクした!

ただ途中でポアロが察しの悪いロード医師にイライラする場面では、わたしも同じようになにもわからなかったので、「ごめん…」と思いながら読んだ。

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2024年03月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

エリノアを信じて良かった。高潔な人だった。メアリイは何も良いこと無くて可哀想。看護婦を全く疑ってなかったので、ラスト数ページだ引っくり返った。メアリイの自殺だと思ってた。主観は何も当てにならない。

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2024年02月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ポワロ出てくる。タイトルは謎。そんなことあるんだ?!となる話。珍しい法廷系だった。やり取りや臨場感が愉しめる。

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2025年08月28日

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