あらすじ
ヒトは日々損傷するDNAを修復しながら生きているが、加齢に伴い修復能力が衰え損傷が蓄積する。これが老化だ。ただ、この「負債」は「返済」できる。本書は、日常で実感することから見えないところで進んでいる変化まで心身の老化のメカニズムを解説、日々実践できる「若返り」法を提案する。
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Posted by ブクログ
■最新研究では老化には44歳と60歳の2つの大きな節目の時があるという。
■我々の体の様々な物質が年齢とともにどのように変化していくかを調べてみると、一定のペースで上っていく、或いは下がっていくものは全体の1割程度であり、それぞれの物質は特徴ある動きを示し、その変化量を見てみると、44歳頃と60歳頃に大きなピークが見られた。それぞれの物質がそれまで保っていたルーティンのリズムを大きく逸脱する変化が人生のある年齢で起こるということ。
■二つの節目でどのような物質が大きく動いたか。
44歳の節目。
①皮膚、筋肉
②心臓血管病に関わる因子
③脂質代謝
④アルコール代謝
⑤カフェイン代謝
60歳の節目。
①皮膚、筋肉
②免疫
③心臓血管病に関わる因子
④炭水化物代謝
⑤腎臓機能
⑥カフェイン代謝
■代謝の乱れと「負債病」
メタボリックドミノで認められる様々な病気は、そもそも生活習慣の乱れにより内臓脂肪が蓄積し、我々の体の「エネルギー代謝」(代謝は体の中の化学反応のこと)乱れることによって起こる。「負債病」の元凶は過剰な脂肪蓄積であり、まさにお腹の中に溜め込まれた脂肪は返済すべき「負債」そのものだ。過剰なカロリーは肝臓にも溜め込まれ、脂肪肝をきたし、「代謝」乱れが更に加速され、糖尿病、脂質異常症や高尿酸血症などを引き起こす。長い人生の中では、更に、脳の細胞の代謝も狂ってしまい、認知症が起こる。
■ミトコンドリアは栄養素の糖分と脂肪分を原料に、酸素の力でエネルギー源であるATPを作る。ATPこそが生物のエネルギー源であり、まさに生きていくための「お金」である。ミトコンドリアの力は、生きるための「お金」を生み出す力である。
■遺伝子は我々が生きるための設計図だとよく言われるが、そうではない。生きるための部品のカタログに過ぎない。
■遺伝子が傷ついて、それを修復した前と後では、「遺伝子の使われた方」変わってしまう。遺伝子の傷は修復され、元に戻ったけれども、その使われ方が変わるようになる変化を「エピゲノム変化」という。
■老化負債の本体は遺伝子の傷を修復しようとした結果起こるエピゲノム変化の蓄積である。
■「老化負債」の「返済能力」はエピゲノム変化を是正し、エピゲノム年齢を若返らせる力であり、ミトコンドリアの力に依存する。
■返済三原則。
失敗しない投資の三原則は「長期(投資)」「分散(投資)」「低コスト」の3つを守ること。老化負債の返済にも当てはまる。
■キーワードは「労」
生涯通じての、老化負債返済のキーワードは「労」。
1つ目の節目44歳頃では、「労」の一番目の意味の「ろうする」を実践する。
①ちょっときつい、更には、もう無理と感じるような負荷の高い運動を続けてみる
②なるべく仕事は立ってするようにする。椅子に座らない時間を長くする。
③腹八分目、それが無理なら、プチ断食に挑戦してみる。
④タンパク質をしっかりと取る。
⑤美味しいものを探して、いろいろな未知のものを食べることに挑戦する。
⑥興味があるけれども、気後れしてしまっているサークル活動や習い事などに思い切って参加して、いい仲間を作ることに挑戦してみる。
2つ目の節目60歳頃では、3番目の意味の「いたわる」を主にして体のケアをすること。
①味に対する感度を上げるために、ささやかでも「ホンモノ」を追求してみる。
②色に関する感度を上げるために、色彩に意識を向ける生活をしてみる。
③聴覚の感度を上げるために、これまで聞いたことのない、様々なジャンルの音楽を聴いてみる。
Posted by ブクログ
NMNという老化防止に期待されるサプリがあって、老化防止なので即効性がないのは仕方ないのだが、故に結果が分からない。また、エビデンスがはっきりしないため、国によっては粗悪品の流出を抑止すべく、法規制している。そもそも、体内で生成可能。なので、私は迷いながら、このサプリに頼らない事にしている。
で、じゃあこの技術が進化する時代に、お金や知識を使って、年を取らないようにするにはどんな方法があるのか。頭に入れておくべき、「教科書的な基本」が本書には書かれている。
老化っぽいなと感じる観察の対象は、髪、肌、内臓、血管、脳、筋肉、骨、精力。
ある程度共通しているのは、程よい運動、良い睡眠、腹八分目。そう書くと単純だが、それぞれに裏付けがあるので詳細は本書。血糖値、オレキシン、エピゲノム年齢、サーチュイン、グレリンなど知識を本書で得ておく。
私が特に意識しようと思ったのは紫外線。走るし、この日差しだしで、帽子を被っているが、これから顔面を覆うようにしたい。
ー グレリンの分泌を高めるには、「お腹がすいた」と思える時間を持つことです。老化負債返済のためには、空腹の時間を少なくとも12時間、できれば14時間確保することが勧められます。1日2食であれば、比較的空腹の時間を取りやすく、3食食べる場合でも、朝7時と昼12時頃、そして17時頃に食事をして、その後は水分以外口にしないということでなんとか確保できるのではないでしょうか。
Posted by ブクログ
2025年41冊目。満足度★★★★☆
私ぐらいの年齢になると、特段、体に不調がなくとも健康には留意するもの
そのため「健康本」の類も比較的よく読む
本書は年齢的な二つの節目の話とか参考になることが書かれていた
そして、何故か山埼元さんやDIE WITH ZEROなど、直接健康には関係ない本が出てくるのが興味深かった
Posted by ブクログ
老化について考えさせてもらえると言う意味ではいいきっかけとなる本。ただし、老化の各症状を満遍なく記載されており一つ一つの対策の深掘りは乏しい。まずは課題意識を持つという意味で良いきっかけ。
Posted by ブクログ
遺伝子とミトコンドリア、前者は良く目にするので比較的すんなり理解できたが、後者は久しぶりに目にすることになったせいか、過去の知識との整理がおぼつかなかった。
ミトコンドリアの機能が低下すると、遺伝子が傷つきやすくなるということらしいが、ミトコンドリアの機能の良し悪しを決める要因の説明が主観的な内容にしか思えなかった
その他、遺伝子とコンピュータの譬え(アナログな情報とかUSB1本程度の容量とか突然変異とバグが同じとか)に違和感ありすぎ。
Posted by ブクログ
老化負債とは何だろうか。どうやら、それは私たちの細胞に数多く存在するミトコンドリアのDNAの損傷のことらしい。ミトコンドリアは細胞にエネルギーを供給する重要な存在であり、そのDNAが損傷すれば、細胞、ひいては臓器全体の機能も低下してしまう。では、どうすればその損傷を抑えることができるのだろうか。
本書では、まず「リズムよく生活すること」が大切だと述べられている。とはいえ、必ずしも厳密である必要はなく、多少のバラつきがあってもよいという。また、食事・運動・睡眠・ストレス管理といった、いわば「当然のこと」と思われがちな生活習慣の見直しも挙げられている。やはり、老化を遅らせるには、日々の暮らしを丁寧に整えることが何よりも重要なのだと再認識させられる。