【感想・ネタバレ】災害ボランティアの心構えのレビュー

あらすじ

初心者ボランティアも押し掛けていい!?

被災地で何が求められているのか?
細かなニーズに対応できるのは、十人十色のボランティアしかいない!

2011年3月11日に発生した東日本大震災は空前の規模の被害をもたらした。テレビなどで次々と伝わる被災地の惨状。そうした現実を目の当たりにして、「自分も何か彼らの役に立てないだろうか」と考える人は多い。そうした被災者支援で、もっとも求められているのが、ボランティア活動だ。ボランティア活動を理解し、ボランティア活動を実践するための心構えを、世界各地で災害復興に携わってきたベテラン・ボランティアが解説!

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Posted by ブクログ

ネタバレ

■概要
阪神・淡路大震災の際に、ボランティア団体を立ちあげたのをきっかけに、世界各地の災害ボランティアに携わってきた筆者が、災害ボランティアの役割や精神、あるべき姿について述べる。

マスコミによって流布されたボランティア自粛論、迷惑ボランティア論を、阪神・淡路大震災の経験から「たとえ少し迷惑をかけることがあっても、それ以上に被災地の役に立てばいい。何よりも被災者はボランティアに来てくれる人がいること自体がとても嬉しい」と明確に否定する。
また、社会福祉協議会という半公的な期間がボランティアセンターを立ち上げ、ボランティアコーディネータをおいて調整しようとすることによる、救援の遅れや、想定外の事態への対応力の弱さを批判し、ボランティアは自発的、自律的であるべきだと主張する。細部に渡るボランティアのマニュアル化は、自分で考えないボランティアを生む土壌になる。ひいてはボランティア文化の醸成の妨げになる。
自分で考えるボランティアの文化を、「言われなくてもするが、言われてもしない」という言葉で表現し、ボランティアが行政の指示を仰ぐという形で行政を補完するのではなく、行政がボランティアが拾い上げた情報をうけて支援するというように、ボランティアを補完するべきであると述べている。
さらに、災害直後の支援だけでなく、ボランティアとは、被災者が自分らしい人生を「生ききる」ことが出来るように支えることだとし、タオルのマスコット「まけないぞう」の作成・販売活動、アフガニスタンでのカレーズ(地下水路)の復旧によるぶどう畑の再生と言った、被災者が職や生活基盤を得ることの支援こそが大切だと解く。

■感想
震災後半年あまりたってから被災地支援ボランティアに参加するようになり、自分の至らぬ点を反省し、改善する材料になればと思い読んでみた。そういう立場からは、少し書名が不適切ではないかと感じた。
一人のボランティアの心構えというよりは、NGOのトップなどの心構えを説く本というのが率直な感想で、自分にはやや話が壮大すぎた。

ただ、実際に震災直後から被災地に先遣隊を送り、すぐに支援を開始したNGOのリーダーが、明確にボランティアは十分な備えがないと迷惑になるといったボランティア迷惑論や、「県外からのボランティアは受け付けない」といったボランティアセンターの姿勢を実感を伴いながら批判するのは爽快である。

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2011年10月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

災害のボランティアは「すべての人を」ではなく「最後の一人まで」救う。「言われなくてもするが、言われてもしない」というのがボランティアの精神だと著者はいう。
メディアが3月以降に唱えた「ボランティアが行くと現地が混乱する」というのが実は事実ではなかったというのが新しい発見でした。この種の話はなかなかいろいろな意見があって難しい。

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2011年08月28日

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