【感想・ネタバレ】北朝鮮現代史のレビュー

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Posted by ブクログ 2022年08月06日

金日成は日本による朝鮮併合後の1912年平壌生まれ。満州事変後の抗日戦線に参加。旗色は悪くソ連に逃げる。日本敗北後祖国に帰る。米ソにより朝鮮は南北に分断。ソ連支援の下朝鮮共産党責任秘書となり、党トップとなる。この座は死ぬまで49年間手離さなかった。
土地改革、司法制度の整備、大学設立、男女平等法案の...続きを読む成立、選挙の実施、軍の創立など行う。
南北朝鮮は米ソが五年仮統治し統一するとされていたが、米ソに交渉は難航。南北共に相手国は傀儡国家と敵視し朝鮮戦争となる。米中戦争に転換し統一は失敗した。金日成の独裁体制は強化された。60年代には党イコール国家体制が確立。
チュチェ思想(ソ連や中国の真似ではなく朝鮮人による主体的革命)の確立により金日成を司令塔とする遊撃的国家体制が整う。南朝鮮革命を目指すも失敗。70年代には生産も学習も生活も抗日遊撃隊式で、というスローガンが用いられた。
80年代からチュチェ農法の弊害から、土砂流出が起き食糧危機に至る。ソ連崩壊による石油輸入ストップにより北経済も崩壊。90年代には核武装路線へ。
94年に金日成が死に金正日が後継者となる。軍を自ら訪ね歩き激励し、軍部を掌握。96年の飢饉では60-100万人が死亡。
日米韓との外交交渉が行われる。金正日は国交正常化を望んでいたと思われる。日本は拉致被害者を返さないとしたが、これは約束違反であり、逆に国交は悪化した。

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Posted by ブクログ 2012年10月24日

北朝鮮研究者でなくとも、朝鮮半島研究をする者なら必ず知っている著者の新書であるが、ポイントは彼が1998年に『北朝鮮—遊撃隊国家の現在』で、金正日体制を「遊撃隊国家」が継承された、と書いた部分を訂正したことにある。彼は、金正日の新しい体制を「正規軍国家」とみるとしているが、多くの韓国研究者はそれを支...続きを読む持しなかったという。

新書の内容は、金日成時代(1932年から)から金正日の死までを丁寧に追って書かれている。

国の政策ばかりでなく、重要な役割についた人の名前なども細かく書かれているため、資料としての価値も高い。

ただ、よく知られているように和田春樹氏はもともと「ソ連」の研究者であり、ロシア語を操る北朝鮮研究者という、異色の存在である。北朝鮮がソ連と関連の深かった時期の資料については、和田氏を越える者はいないかもしれないが、その後、ロシアと北朝鮮の関係が薄くなっていくにつれて、特に2000年前後になると、本書の記述も非常に薄く、満足できない部分も多い。

この部分を補う意味でも、平井久志氏の『北朝鮮の指導体制と後継』などと並列して読んでいきたい。

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Posted by ブクログ 2012年08月27日

北朝鮮の建国から現在までを北朝鮮政策及び外交関係を軸に概説する。
細かい記述で論旨に疑問を感じる点もあったが、
全体の流れを把握する意味では分かりやすかった。
特に朝鮮戦争後からチュチェ思想に至る政局展開は
なかなか興味深く感じた。

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Posted by ブクログ 2012年05月09日

「資料に基づいた」著書ですから、当然わくわくして読み進む・・・ということありません。
同時代に生きているということでは、時々のニュースの確認作業になっているところもあります。
金正日が意外と頭がよかったのだ・・・という印象を著作から受けた。著者の正直な印象を語っているのでしょうが、一方でバカげた政策...続きを読むには愛情をこめて皮肉った表現もしている。
この著作そのものが資料ですね。

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