あらすじ
読解力をつけたい。でも、今から国語の参考書を買ってお勉強というのも気が進まない。なにしろ、もうそんな年でもない。さてどうしよう――そんな大人のみなさんが手軽に読める新書の形で、トレーニング本ができました。
著書累計100万部超を誇る著者が、自身の国語専門塾で小中高生に対しこれまで指導してきた珠玉の18問を掲載。実際に答えをノートに書きながら読み進めるもよし、そこまでのことはせずに解答解説をすぐ読むもよし。いずれにせよ、あなたがこれまでに経験してこなかった「新しく深い思考体験」が、そこには待っています。中には難しい問題もありますが、そこに説かれているのはいつも「真似できる技術」であり、それこそが「ふくしま式」の真骨頂なのです。
これまでふくしま式問題集等を手にしたことがない方々にはもちろん、既にふくしま式ファンである方々にも、必ずや新しい気づきが得られるはず。
さあ、今すぐ「最新のふくしま式」の扉を開きましょう。
(注目の小見出しピックアップ)
世界に傍線は引かれていない/解釈のクオリティを上げる方法/主張をまとめるための黄金の型/読解の正攻法はこれしかない/SNSの短い一文もこだわって読む/AIに「対比関係整理」はできるのか?/「三文字のひらがな」で文は読みやすくなる/言葉が削られたテレビCMを読解する/東大入試に頻出する問いのパターンはこれだ/重松清の短編小説の「行間」を読む/俵万智の比喩表現を正確に言いかえる/小学生にも分かるシンプルな三段論法/河合隼雄の逆説を理由づけする/「読み手の常識」に依存してはいけない/外山滋比古の主張を理由づけする/GACKTが格付けチェックで連勝できる理由/ソシュール言語論における常識/世界とは価値の体系である
※カバー画像が異なる場合があります。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
「読解力」に関心があり、何冊かその関係の本を読んできたが、今までで一番おもしろく、刺激的で、ためになった。例えば、旅と旅行の違いを「七つの観点」で考えるなど、何度も「なるほどな~」と膝を打った。子どもに教えたくなる、思考技術がいくつもあった。福島氏の別の本も読んでみたいと思った。
【真の読解力とはどのようなものか】
問いを自ら作り、その上で答えを出すこと。それができてこそ、真の読解力があると言える。
【発問力の三類型】
1 どういうことか? と問う力
2 どう違うか? と問う力
3 なぜか? と問う力
【読解力の三類型】
1 言いかえる力・・・同等関係整理力
2 くらべる力・・・・対比関係整理力
3 たどる力・・・・・因果関係整理力
【ふくしま式 七つの観点】
「ものを考える」ときに不可欠となる観点(ものの見方)が、七つある。
①「時間」の観点―時分秒/年月日/朝昼晩/春夏秋冬/過去・現在・未来/時間・期間の長短/遅速/時間の連続性・断続性……等
②「空間」の観点―上下/左右/前後/表裏/内外/遠近/高低/長短/広狭/大小/分布/密度……等
③「自他」の観点―自己・他者/主観・客観/能動・受動/自発・強制……等
④「心理」の観点―喜怒哀楽に関するあらゆる見方
⑤「五感の観点」―視覚/聴覚/嗅覚/味覚/触覚
⑥「目的・手段」の観点―目的・目標・方向性/手段・方策・解決策
⑦「プラス・マイナス」の観点―良し悪し/善悪/明暗/前進・後退/幸・不幸/益・害……等
観点というものは無限に存在するが、この七つは特に重要度が高い。
中でも「時間」「空間」「自他」の三つは、意識的に用いることによって思考力を格段にアップアップさせることができる。
【シンプルな三段論法】
因果関係整理に不可欠な技術。「なぜか」と問われたときは、原則として次の二つのどちらかで考えることになる。
〈1〉前件肯定パターン
(問い)「①は②であると言えるのはなぜか」
(答え)「①は③であり、③ならば②だから」
(問いの例)「ソクラテスは死ぬと言えるのはなぜか」
(答えの例)「ソクラテスは人間であり、人間ならば死ぬはずだから」
〈2〉後件否定パターン
(問い)「①は②でないと言えるのはなぜか」
(答え)「②ならば③だが、①は③ではないから」
(問いの例)「この鳥はカラスでないと言えるのはなぜか」
(答えの例)「カラスならば黒いはずだが、この鳥は黒くないから」
●読解というのは、いつも対比関係を見出すことから始まる。
●本文を言いかえながら対比の観点を整える。それを組み合わせて、主張をまとめる。これが読解の正攻法だ。
●学ぶとは、真似ぶことである。技術とは、真似できるものである。真似できないものは芸術と呼ばれる。
Posted by ブクログ
学び
頭の中で物事の比較をしながら因果関係&具体と抽象をしながら話を整理することが以前よりもできるようになった。いわゆる理解力の向上に繋がった(頭にノートを広げて描いていくイメージ)。
上記ができることで、下記ができるようになった。
・目の前の話題に過去の知識も含めながら聞くこと
・比較することで比較対象との違いに疑問をくこと
・因果関係の矢印をより意識して思考すること
価値(実生活などにおける)
・営業、MTG、ラジオを聴いたた時の理解力、記憶の定着が増した。さらに、本質的な疑問を抱けるようになった。いわゆるインプットのレベルが上がったことで、質の高いアウトプットに繋がる。