あらすじ
いま、ソフトウェアの安全性を正しく評価することがサイバーセキュリティに求められている!
本書は、ソフトウェア・サプライチェーンセキュリティの背景や脅威、対応する政府機関や民間団体の対応状況などについて体系的、網羅的にまとめた書籍です。
われわれが日常的に利用している食品や医薬品、自動車では当たり前のように行われている安全評価が、ソフトウェアとなるとブラックボックス化しています。ソフトウェアの安全性を正しく評価することは企業を、社会を守る行為と言えます。ソフトウェアの安全性を評価するためにはソフトウェアの利用者だけでなく、生産者、ベンダーなど、各ステークホルダーの協力が欠かせません。本書では、ステークホルダーごとに必要なアプローチ、視点を実践的に紹介します。
また、本書は、米国政府や研究所におけるソフトウェアの安全性を把握するための取り組みを紹介します。具体的には、ソフトウェア透明性の歴史、SBOM(ソフトウェア部品表)、証明書などのトピックを取り上げています。これからのサイバーセキュリティやアプリケーションセキュリティに必須となるソフトウェア透明性を本書で学ぶことができます。
■目次
Chapter 1 ソフトウェア・サプライチェーンの脅威の背景
Chapter 2 既存のアプローチ ― 伝統的なベンダーのリスク管理
Chapter 3 脆弱性データベースとスコアリング手法
Chapter 4 ソフトウェア部品表(SBOM)の台頭
Chapter 5 ソフトウェア透明性における課題
Chapter 6 クラウドとコンテナ化
Chapter 7 民間部門における既存および新たなガイダンス
Chapter 8 公共部門における既存および新たなガイダンス
Chapter 9 オペレーショナルテクノロジーにおけるソフトウェア透明性
Chapter 10 サプライヤのための実践的ガイダンス
Chapter 11 利用者のための実践的ガイダンス
Chapter 12 ソフトウェア透明性の予測
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Posted by ブクログ
2020年 SolarWinds Orion Platform の侵害、2021年の Log4Shell 脆弱性と、ソフトウェア・サプライチェイン・セキュリティと言われる分野が大盛り上がりで、日本でも「SBOM がー」とかつぶやく人が増えてきている今日このごろ。この本は、そんな盛り上がりの中、2023年に刊行、24年12月に邦訳されている一冊で、SSS のリスク紹介に始まり、米国政府関係機関(NIST や NTIA、CISA、DoD など)や各種研究団体(SEI や MITRE など)、業界団体(OWASP、OpenSSF など)、ビッグテック(Microsoft、Google など)など諸団体の取り組みや、産業用機器なども含めたソフトウェア・サプライチェインの現状と課題、推奨事項などを概観する。紹介されるガイダンスやフレームワークだけ見てみても、OWASP SCVS、CIS SSSガイド、Microsoft の S2C2F、NIST SSDF などなど、アルファベット・スープにどっぷりで、いずれも概要の紹介に留まるため、この本だけでそのいずれかを理解するのは無理。脆弱性情報一つとっても CVSS が回らなくなってきていて、VEX などリスクベースの指標に起き替わりつつあることや、SBOM フォーマットも LinuxFoundation 主導の SPDX と OWASP 主導の CycloneDX が混在しているなど、脅威がすでに具現化されているわりに、まだまだこれといった印象のソフトウェア・サプライチェーン業界である。