あらすじ
なんにもなかった。だけどなんだか楽しかった。懐かしい時間。愛しい人々。
吉田修一が描く、風薫る80年代青春群像!
第23回「柴田錬三郎賞」受賞
2010年「本屋大賞」第3位
「横道世之介」映画化決定! 2013年公開予定
主演:高良健吾(横道世之介)、吉高由里子(与謝野祥子)
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Posted by ブクログ
横道世之介
田舎者、妙にずうずうしくて、お人好し。
昭和の良き時代に、田舎から東京に出て来た世之介の青春。
なんとなく恋をして、サンバを踊って、バイトに明け暮れる。
そんな普通の世之介がだんだん好きになってくる。そしていつのまにか、世之介と一緒にはらはらしたり、わくわくしたり、ちょっと憤ったりしている自分を見つけます。
世之介のまわりの人たちのその後をカットバックする構成も見事。そして、最後で思わず泣かされてしまいました。
みんながゆったりしていて、適度にお人好しで、ちょっとだけ夢があった昭和の末。ノスタルジーではなく、あの時代の気持ちに帰るようにしたいな、いや、しなければ。
そこに小さな確かな幸せ(小確幸)があるから。
竹蔵
Posted by ブクログ
映画国宝を見て、吉田修一さんの著書を読んでみた。
まず、一言で言うとこの人は天才だと思った。
前半で、横道世之介という人物像を読者に掴ませ、愛着を沸かせる。その後、横道世之介を知る人物からみた横道世之介の人物像を語る。そこで過去の横道世之介の片思いの相手が横道世之介が死んだことを知るシーンを描く。その後再び横道世之介の目線から描かれる。
横道世之介が亡くなったことに対するインパクトを読者が1番残す方法で書かれていて、実際私も心を掴まれた。
ここまで面白みの欠ける主人公を面白おかしく描けるのは吉田修一さんしかいないと思った。
Posted by ブクログ
結局世之介の人となりや姿は、ぼんやりとしか描かれていない気がするが、存在感や空気を動かす力をものすごく感じた。
忘れてしまったけれど、思い出せない思い出たくさんあるはずだなー。
それにしても続編って何?
Posted by ブクログ
大学進学のために長崎から東京に来た青年が様々な人と関わっていく約1年間の生活を描いた物語。
この本は2010年の本屋大賞3位となった小説で、読もう読もうと思いながら題名が個人名で何となくピンと来なくて、なかなか読む気になれなかった。
読んでみると、随所に「フッ!」と笑いたくなるような表現があり、楽しく読むことが出来た。まるで、有川浩氏の小説みたいな。。
例えば、
・主人公が上京する時に、母親に無理やりカバンに入れられた雑巾が、アパートで役立った時に、
「息子にとって新生活は希望なのだが、母親にしてみれば新生活は雑巾らしい」
・友人の家に電話をした時に、その母親が出て長話をすることになった時、
「時間を持て余してかけた電話だったが、世之介よりも時間を持て余している人に繋がってしまったらしい」
等々
以前、同じ著者の「怒り」を読んだけれど、こんな事は無かったように思うけれど。。
この本で気に入らなかったのは、主人公が死んでしまったこと。最後の盛り上がりには必要だったのかもしれないけれど、「ハッピーエンド大好き」な私にとっては辛い。。。
主人公が上京して、お金持ちのお嬢様で言動がテンネンなガールフレンドが出来たが、何かのきっかけで別れたのだけれど、20年後、報道カメラマンとなった主人公と国連職員となった元ガールフレンドが、タンザニアの難民キャンプで劇的な再会!!
ってことにして欲しかったなぁ~