あらすじ
志穂子は、親身になってくれたダテコや尾辻玄市のおかげで梶井克哉と会えたものの、絵葉書の宛名が間違っていたことを知ってしまう。しかし、人と交わる暮らしを始めたばかりの志穂子に運命のいたずらが授けた力は、思い屈するすべての人に真っ直ぐ生きる勇気を与え、自らを「恋」の奔流へと導いていく。
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Posted by ブクログ
久々に読みかえした。
そういえばこういう内容だったな。
私としては、梶井よりも絶対に尾辻さんのほうが幸せになれると思うのだけれど、それはやはり「恋」という幻覚という名のフィルターがかかってしまうと、痘痕も靨…でも志穂子は幼いころから18年間も長野の結核病棟に入院していたのだから純粋なのだろうな。
それに尾辻と結ばれることになったら、ダテコはどうなる?ってなるからかな。
みんなが幸せになれればいいなと思う。
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梶井克也は人気コーラスグループ<サモワール>の主力メンバーだった。虚飾と悪徳の世界を逃れて日本を脱出し、ヨーロッパを放浪したあげくぼろぼろになってリスボンからその手紙を投函したのだ。そして始まった愛が志穂子の無垢の魂に点火したのだった――。めくるめく恋への船出を描く宮本文学の最高傑作!(背表紙より)