あらすじ
時を隔ててわかる、愛するということ、家族であること
“森沢文学”の真髄!心が静かに癒される、珠玉の家族小説
趣味の釣りをきっかけに、週末を桑畑村で過ごすようになった忠彦。現地でできた親友の浩之をはじめ、温かな人々や美しい自然に囲まれた桑畑村は、彼にとって「第二の故郷」と呼べるほどの場所だった。しかし、数年後、自身が勤める建設会社が桑畑村でリゾート開発を進めていることを知る。その事実を知った忠彦は浩之に会いに桑畑村へ向かうが、そこで人生を揺るがす出来事に遭遇してしまう。その日を境に、忠彦と家族の運命は大きく変わり出していき……。
不器用ながらも自分の信念を貫いた男と、その家族の絆を描いた感動の物語。
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Posted by ブクログ
離婚を選び、一人で過ごすこととなってもずっと家族を思い続け、行動してきたことを、桜が散ったあとに知ることができる。素敵な伏線回収だなぁと思いました。人が亡くなる描写もあるのですが、読後感のよい本でした。
Posted by ブクログ
忠彦は大手ゼネコン会社に勤めていた。危険だと指摘されていた第二の故郷と思っていた桑畑村の開発を止めることができなく、事故が起きた現場を見てしまい、ショックで失声症になってしまった。その後離婚し罪滅ぼしのため、村に移り住んだ。質素なうちで家族の写真を飾り、桜、家族の花ムラサキハナナを植えて咲いてる様子が鮮明に浮かび上がってきた。妻の麻美は子供を育てていかなければならなかった。許せなくて当然だ。子供たちが自立してからは送られてくる手紙お金に対してなんらかのアクションを起こしていたら変わっていたか?切なかった。
Posted by ブクログ
切ないなあ。
離れて20年恨まれて、
亡くなってからわかりあえる…みたいな。
失声症になるほどのことが起こり、家族と別れて。
質素な暮らしをして。
切ないなあ。
でも、花の森、見てみたいわ。
Posted by ブクログ
公園の桜のはなびらがひらり舞い始めた。
花びらキャッチの季節がやってきた!
でもそれ以上に楽しませてくれるのは、目に飛び込んでくる新緑。ああ、階段を上ってきてよかった。
『桜が散っても』にほろりときた。
私は森沢作品のファンだ。でもこの作品は何かもやっとしたものが残る。
声を失うほどのショックを味わったことは理解できる。だからといって事故の責任を負う必要ないし、誠実な忠彦が3人と別れて出ていくのは不自然すぎる。不器用にもほどがある。妻の頑なさもあまり理解できない。
亡くなってからでは遅い。
「許せないけど、嫌いじゃない」複雑な気持ちをこう表現することで物語が軽くなる感じがしてしまう。
私の中では第五章がエピローグ。
エピローグを読んで今西祐行さんの『一つの花』を思い出した。あれはコスモスだったけど。