【感想・ネタバレ】11ミリのふたつ星~視能訓練士 野宮恭一~のレビュー

あらすじ

「たった11ミリ。小指で押した先ほどの的を通して、人は世界を見ている」

不器用な青年・野宮恭一(のみやきょういち)は視能訓練士として着実に力をつけていた。ある日、野宮が喫茶店で出会ったのは、世界を立体的に見ることのできない四歳の少女・灯(あかり)だった。限られた時間の中で灯の訓練を重ねるうち、野宮はロービジョンの小学生や糖尿病網膜症の漫画家など、さまざまな悩みを抱えた人々に出会う。目に宿る奇跡に向き合い、野宮が見つけた答えとはーー。

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Posted by ブクログ

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まさかの続編から読んでしまったのですが面白かったです。作者さんの他の作品でも思いましたが子供の描き方が良いですね。子供のパワーを感じます。
野宮さんはきっと前作でもミスを多くしてしまっていたのでしょうが、成長していき家族に褒められているところはこちらもほっこりしてしまいました。
さて、今回は斜視の女の子を治療していくお話でしたが、病院の実情と親の事情、子供の治療の難しさなど困難に向き合いながらも諦めない野宮さんに私自身も励まされました。
途中の看護師さんの糖尿病の話だったり漫画家さんの話だったりで病気の時に1人じゃないこと、命を簡単に諦めないこと、といったところが凄く良かったです。

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2025年09月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

前作も大好きだったので、続編が出てくれて嬉しかったです。久々にこの病院に戻ってこられた!

最初はしんどい気持ちもあったけど、後半はずっとニコニコしながら読んでました。自然と顔が綻んで心が穏やかになる。

灯ちゃんも渉くんも可愛いなぁ。
渉くんの学校の子達もみんな素敵。
ブルーバードやあかり屋みたいな素敵なお店が近くにあるのはいいなぁ。
とても読み終わった後、なんともいえない幸福感が残る幸せな読書でした。

この作家さんの著作は、辛いこともあるけど、その後に描かれる世界がとても優しくて大好きです。

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2025年08月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

人生何が起こるか分からないもんですね。
たまたまお手伝いに来ていた視能訓練士の野宮さんが灯ちゃんの斜視を見つけて、夕美さん達の力になりたいと訓練をしたり。
訓練で凄くお世話になったキャラクターの作者さんと縁が出来たり。
灯ちゃんが北見眼科医院より大きな病院で訓練するかもってなったら、たまたま助けた人と縁が繋がって遠くに引っ越す必要がなくなって。
頑張っている人とそれを助けたい人達がいっぱいで優しい世界。

灯ちゃんが見えたよって言った時は我が事のように嬉しかった。

広瀬先輩が完全に辞める訳ではなくて安心した。

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2025年05月12日

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11ミリの小さな二つの星とは、お互いの瞳の光を受けて輝くそれぞれの瞳のことである。
喫茶店ブルーバードは、緑内障を患っている患者2人が働く店である。北見眼科医院で働く野宮と、その仲間である同僚、そして患者たちがブルーバードに集まり、繋がっていく。目の病気に受け入れることができない人がたくさんいるが、野宮やその周りの人々の真っ直ぐさに影響されて、よい方向へと進んでいく。緑内障や白内障、内斜視や外斜視、 糖尿病網膜症、網膜色素変性症、動脈閉塞など、様々な病と向き合う野宮がますます逞しくなっていく。その成長を最も支えているのは、灯ちゃんという女の子ではないか。最後に、剛田さん、彼女できてよかったね。

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2025年11月30日

Posted by ブクログ

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視能訓練士の野宮が、斜視をもつ4歳の少女(灯)を主として、いろんな目の障害をもつ人々と交流し、患者とどう向き合っていくかを描いた作品。
灯がつらい訓練に向き合う姿がメインになっており、ほかにも糖尿病網膜症や網膜剥離のように聞き覚えのあるものから、スマホ内斜視のような現代病まで出てくる。

視能訓練士とは検査をしたり、その名のとおり視機能の訓練を行う仕事。しかし実際には訓練をしているのは一握りで、ほとんどの視能訓練士は検査のみを担当していることが多いという。
作中では4歳の灯のために、野宮が悪戦苦闘している様子が描かれている。最初はつらい訓練を嫌がっていた灯も、野宮やまわりの人たちに助けられ、しだいに訓練に前向きになっていく。

訓練に使われているカイロスコープを実際にやったことがあるが、目がおかしくなるかと思ったくらい疲れるので、4歳の少女がやるのは相当つらいと思う。それを根性と強い意志で続ける灯ちゃんは本当にすごい。
最終章では大人顔負けの精神年齢を発揮していて、この若さで病気と向き合うには大人になるしかなかったんだと思うとなんだか悲しくなってしまった。


野宮は野宮で問題を抱えており、明言はされていないがおそらくADHDだと思われる。同僚たちも外斜視だったり糖尿病だったりと病気をもっており、だからこそ人に優しくできるのかもしれない。
病気を抱えていると、まるで自分だけが不幸のように感じてしまい(実際、健常者よりも辛いのだが)、性格までトゲトゲしてしまうものだが、助けてくれる人が近くにいれば柔らかくなるもなるし前向きにもなれる。こんなに親身になってくれる人がいたら幸せなのにと思う。
わたしも目に問題があり、検査を控える身なので思うところがあった。

眼科が舞台ということもあり、いままでフワッとしか知らなかったことを分かりやすく説明してくれるので勉強になりました。

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2025年05月06日

Posted by ブクログ

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またか~7.5グラムの奇跡を読まず、こっちを先に読んでしまった!でも楽しめた。視能訓練士・野宮、彼の前に4歳の灯ちゃんが現れる。彼女は立体的に「もの」を見るのができない。視能訓練士は検査するだけの職業ではなく、訓練を手伝うことで、彼女の治療を助けたい。野宮には多くのサポーターがいる。同僚、学校の先生、家族。視能訓練士・野宮の成長譚、1巻目はどんなんだったのかな?気になる~自分の研究でも眼底、眼圧、眼軸長等検査をしているが、結構悩んでいる方は多い。視能訓練士の役割はスマホ社会ではさらに高まると思います。④

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2025年05月02日

Posted by ブクログ

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【収録作品】
第1話 さまよう星
第2話 礁湖を泳ぐ
第3話 向日葵の糖度
第4話 チェリーレッドスポット
第5話 11ミリのふたつ星

視能訓練士・野宮恭一が4歳の斜視の少女・灯の訓練をすることで成長していく様子を描いた連作。
静かな語り口ながら、野宮の熱い思いが綴られている。
第1話 野宮が偶然灯の斜視に気づくが、シングルマザーの夕美はなかなか受け入れられない。
第2話 先天性の先天性の眼疾患を患い、失明しつつある小学一年生の少年・春海渉と野宮の出会い。野宮は北野院長と共に彼の学校での様子を見学する。
第3話 急に目が見えなくなったという若い女性・雲母瞭が受診。北野院長に病状の説明を受けるが受け入れられずにいる彼女を、看護師・剛田が説得する。
第4話 北見院長の発案による社員旅行。天体写真を撮りにいく看護師の丘本に付き合わされた野宮は、同じ場所に来ていた出野一郎に出会い、突然倒れた彼を助ける。
第5話 帰省した野宮は従弟の高校生・大輔の目の異常に気づく。

北野院長が理想的な上司で、先輩たちもプロ意識が高く、人柄がいい人たちなので、いい職場だと思う。野宮が成長できるのも、こういう人たちに囲まれているから。人はひとりで生きているわけではないという話。

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2025年03月08日

Posted by ブクログ

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2025.8 いいストーリーなんだけど、お涙頂戴的な感じがしてしまったのは私がひねくれているのかな…

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2025年09月01日

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