【感想・ネタバレ】銀色の絆のレビュー

あらすじ

栄光を勝ち取るか、無残に打ちのめされるか、これはもう遊びではないのだ――。夫の浮気が原因で離婚、娘の小織とともに実家のある名古屋へと転居し、無気力な日々を送っていた藤里梨津子だったが、フィギュアスケートの名コーチに小織の才能を見出され、娘を支えることに生きがいを感じ始める。「藤里小織の最大の伸びしろは、あなたにあると思ってます」とのコーチの言葉に、娘のためにすべてを懸ける決意をする梨津子。スケートクラブ内の異様な慣習にとまどい、スケート費用の捻出に奔走し、さらには練習方針をめぐってコーチとの間で軋轢が生じるのも厭わず、娘のことだけを考えてクラブの移籍を強引に進める――そんな母の姿に葛藤を覚える小織ではあったが、試合での成績も次第に上がっていき、やがて……。母娘の挑戦は、実を結ぶのか?母と娘の絆をテーマにした、著者渾身の長編小説。『犯人に告ぐ』『クローズド・ノート』をしのぐ興奮と感動!

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

このページにはネタバレを含むレビューが表示されています

Posted by ブクログ

ネタバレ

まわりの人に支えられながら母と娘が成長していく姿がまぶしく感じた。とても良かった。最後のシーンで梨津子が希和ちゃんにお母さんの言葉を伝えてたというところがとても感動した。

0
2021年03月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

雫井脩介先生 ホンシェルジュ小説ランキング第5位作品
テレビのスケート中継はよく観戦するが、銀盤の世界の本当の意味での「厳しさ」「過酷さ」を知ることができた。そして、トップ選手になるには家族のバックアップ(金銭面だけではなく、自己犠牲を伴うサポート)が必要なことが良く分かった。

大学生の小織が友人に選手時代の回顧シーンを話すスタイルで話は進むが、個人的には違うスタイルでも良かったかなと最初は思った。しかしながら、読み進めていくうちにクラスメイトの千央美に話すスタイルが、読者側から見てスケートの技の説明を不自然に感じず、このスタイルで却って良かったと思えるようになった。

最終シーンの全日本選手権の希和の演技は(目にしていないが)すごく痺れた!

0
2021年02月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

子どもとアイススケートに行き、フィギュアスケートやらせるのも良いかも、と調べているうちに出会った本。

メインは小織の中学〜高校までのスケート人生の話だけれど、最後にこれは母親の物語でもあったのだと気づき、ボロボロ泣けた。

はじめはフィギュアを習い事の一つとしてしか考えていなかった梨津子だが、みなみ先生からの発破もありバリバリのサポートママに変貌してゆく。やがて子ども以上に入れ込むようになり、時折すれ違いも起こる。

それでもフィギュアを通して紡がれた親子関係はかけがえのないもので、それこそがタイトルの銀色の絆なのだろう。

どこまで上へ行けたか、はさほど問題ではなく、その過程にこそ意味があるのだと実感させられた。

0
2024年10月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ

雫井作品は、犯人に告ぐ、クローズドノートに続く3作目


犯人に告ぐ、は面白かったけど
読みにくい印象が強く、
クローズドノートは設定がツボだった印象


からの本作は、
さらりと読め、かつ映像を浮かべやすく面白かった。


ワンモアジャンプ(赤石路代)
リアルのフィギュアにはまる
ユーリオンアイス


などなんちゃってフィギュア好きを自称してきた私
ジャンプの種類もアクセルぐらいしか見分けられない
(努力はした)
程度のフィギュア好きだけど
私の知識量でも全然ついていけた。


この作品は
子供より大人が素敵。
キラキラとスポットライトを浴びるスケーターたちの裏で
美濤先生やお母さんたちが
必死になって考えている


大人の静かな戦いと愛を感じた


美濤先生が最後に言った言葉
「私が一番驚いたのはね、あなたのお母さんの成長です」

震えた。
テレビや漫画を見ていても、
スケーターとコーチの関係性を見ても
コーチと母親って見えない。

でも、この作品での美濤先生と梨津子の間には
小織と美濤先生と同じかそれ以上の言葉を必要としない
交流があった。

と感じた。


幾つになっても頑張れる
そんな勇気を与えてもらえた

0
2017年08月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 マイミクさんのレビューを読ませて頂いていたので、主人公が真央ちゃんかな?と思っていたら、どうも私の感覚では、希和ちゃんだったと思った。
 想像はしていたけど、フィギアスケートは才能はもちろん、親の財力もそしてお母さんの熱意も無いとなかなか続けられないスポーツなんですね・・・。
 離婚して、さらに元旦那の会社が倒産し、養育費も貰えなくなってからの、主人公、小織のお母さんの頑張りは凄かった。
 そして美濤先生についてからの変身はさらに凄かった。
とにかく、後2年は必至でなんとしても最高のレベルに上げれるように頑張る。
その後は自分でなんとかしなさい。
なかなかそこまで惜しみなく今ある財産を使い切って、子供のスケートにつぎ込める親っていないんじゃないかな?って思う。
でも、それが子供にとっての幸せか?というと思いが少し違うのも悲しかった。
希和ちゃんを思って、心の底から怒った優しさがしっかり伝わって、彼女が最高の演技画出来た時は良かったと思ったけど、逆に自分の娘の順位が下がってしまったのが悲しかった。
最後に小織がやっとお母さんの素晴らしさがわかって、これからの未来に向かって、トライしていこうっていうプラス思考のラスト、良かったです\(^o^)/

今日、真央ちゃんの現役復帰が決まり、タイミング良かったかな?なんて勝手に喜んでます(*^_^*)

0
2015年05月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

フィギアスケートを通じて、深っまっていく母娘の絆と母娘の成長のものがたり。
森内小織は私立中学の3年生。母、梨津子とともに新横浜のスケートリンクでフィギアスケートの練習をしている。スケートママたちは、その間、練習を見たり、買い物などをしている。
ある日、梨津子のもとに実家から母が倒れたという電話が入り、名古屋に行くことになるが、母からもらったブレスレットを忘れたことに気が付き、自宅に戻る。そこには夫と不倫相手がいたのである。
母の葬儀を終え、一旦横浜に戻るが、ホテルに泊まり、夫が留守の間に荷物を運び出し、二人で名古屋に住む決意をする。
離婚し、姓は藤里に変わる。名古屋で有名なコーチである上村美濤先生のコーチを受けることになる。ここでは母親たちが順番で弁当当番やコーヒー当番などをやっており、当初は疑問に感じていた梨津子も次第に仲間に入っていく。コーチは小織に4回転を飛ばそうとし、たまには成功するようになる。
同じ教室には同い年の平松希和という逸材がおり、刺激を受ける。
希和は順調に成績を伸ばし、全日本に出場し好成績を残す。スポンサーも付き、カナダを練習の拠点にするようになる。美濤コーチも希和の希望でジャンプコーチとして帯同するが、次第に希和のグループから離れていっていまう。
小織は母から動き、美濤がいない間は無理を言って諒子先生にコーチをお願いし、ジャンプも良くなってくる。しかし、美濤先生が帰ってくるとすぐに、美濤にコーチを戻してしまう。
高校3年の大会近くに、希和の母親がなくなり、希和は、海外試合を棄権する。
最後の試合で、小織はショートでまずまずの成績を残すが、フリーの演技で4回転を失敗し、二人のスケートはここで終わりを告げた。
希和は、好成績を残し、その後も活躍する。
スケートをやめ、長野の大学に通う小織のもとに叔母から電話が入り、梨津子が怪我で入院したという。急いで名古屋に帰り、病室に行くとそこには、美濤先生と希和がいたのである。
美濤先生からかけられた言葉は、小織ではなく、梨津子の成長ぶりに驚いたと言う。人が誰かのために必死になるということはどういうことなのか、間近でみることができたと。
希和も自分以外の親に怒られたのは梨津子が初めてだと語った。
小織は母の思いを心に、これからの人生を楽しんでいくことでしょう。

0
2014年12月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

フィギュアスケートの世界のお話。月々20万とか、ものすごいお金をかけ、母は全身全霊をかけてサポートする。
最初の方で離婚するのだけど、その後のお金の工面が今一つ府に落ちなかった。
この話の中では、お弁当当番やコーヒー当番があり、作ってもコーチの口に合わないと全く食べてもらえない。普通の精神なら心が折れます。お母さん本当によく頑張った。
後にオリンピック選手となる希和ちゃんを怒鳴りつけたりもするんだけど、希和ちゃんのお母さんが亡くなる前後も本当に親身に助けてあげて、到底真似できない、素敵なお母さん。

それに比べて、小織はもう冒頭からスケートをやめていて過去を振り返っている構成。これが一番つまらなかった。
希和ちゃんが主役だったらもっとずっと良かったのに・・・でもそれでは普通すぎるのかな?
とにかく小織は、多少の素質はあれどどうにも闘争心がなく、本番に弱く、コーチや親の期待を裏切ってばかりだったから、そこががっかりでした。

0
2014年01月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

フィギュアスケートの話ということで興味を持って読んでみました。
自分の自尊心を満たすためのように娘にフィギュアスケートを習わせていた母親が、新しいコーチやスケートママ仲間との出会いによって、本気になってゆく。
トリプルアクセルやクワドがじゃんじゃん出てきて、それはないだろうと思いつつ、やっぱりフィギュア好きなので面白い。
短い期間お世話になったコーチが言った言葉「一番大切なことは、選手が自分自身を氷の上で表現し切ること」「順位とか点数とかは、そういうことに比べたら撮るに足らない」に非常に共感した。

0
2015年06月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

イッキに読破。
フィギュアスケートを好きな方におすすめです。
娘にはもうちょっと頑張って欲しかった。
みんな思うようにならずにこうやって卒業しちゃうんだろうな。
趣味と言い切るには…大変な費用がかかりますね。
娘のスケートを通じた母の成長記。

同じフィギュアスケートを題材にした”銀盤のトレース” よりも、
小説として面白かったです。

0
2015年07月20日

「小説」ランキング