あらすじ
叔母の遺品のひとつである風景画をみたタペンスは、妙な胸騒ぎをおぼえた。描かれている運河の側の人家になぜか見おぼえがあったのだ。夫トミーが止めるのもかまわず、その家を探りあてるため旅に出るがそこには罠が待ち受けていた!おしどり探偵の縦横無尽の活躍を描きだした女史後期の佳作。
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Posted by ブクログ
毎回同じこと言うけど、タペンス、やりすぎ!すでに初老を迎えたトミーとタペンス。今回はトミーのエイダ叔母さんを老人ホームで見舞うが、暫くしてエイダ叔母が亡くなる。エイダ叔母さんがランカスター夫人からもらった1つの絵画が事件の起点となる。ランカスター夫人の失踪で、この絵画の風景の町に行くタペンス。そしてタペンスが何者かから一撃される。怪しい人達が複数。さらにこの町にまつわる子どもの殺害事件などが緻密にリンクする。犯人当ては完敗。確かに伏線はあったがスルーでした。犯人の動機には若干の疑問は残るものの納得です。⑤
Posted by ブクログ
イギリスの風景の映像が思い浮かぶ作品です。
クラッシック音楽を背景に、風景や鉄道の映像を流すテレビ番組が多いので、
情景がなんとなく思い浮かぶことができました。
タペンスが、司祭の娘だということも、大事な展開に役立っています。
いろいろな犯罪がどう処理されたかの整理が多少わかりにくかったようです。
作品としては、よいできだと思いました。
映像作品を見ていませんが、ぜひ作りたいと思いました。
Posted by ブクログ
ラストの意外な展開、やはりトミー&タペンスのシリーズは面白い。、
ちょっと気になることにタペンスがのめり込んでいく。実は重大な事件が隠されている。ふたりは老年に差し掛かろうというのに相変わらずのところが良い。
Posted by ブクログ
私はその風景を見たことがある。
タペンスは、トミーの叔母の遺品に描かれた家を見たことがある気がした。叔母を見舞った時に出会った老婦人が元々の所有者であり、彼女の行方が知れないことを知ったタペンスは、老婦人の言い残した言葉の謎を解くために出かける。会議から帰ってきたトミーが知ったのは、帰ってくるはずのタペンスがまだ帰ってきていないことだったーー。
タペンスのお節介とも言える、しかも有り余る行動力で、ぐいぐいと読ませる。事件が起きるとは思わず、せいぜい過去の悲劇を明らかにするものだと思っていたら、事件は現在形になった。トミーが別の方向から参加することで加速する謎解き。明らかになった真相は、一線を超えてしまった犯人の思想。誰かを愛する気持ちから生じる他人への害意の底知れなさを、クリスティは容赦無く描いていた。
トミーのぼやきは健在で、そこはほっとして読める。