あらすじ
アガサ・クリスティーの夫マックスは著名な考古学者だった。しばしば夫婦は中東の地へ発掘旅行に出かけ、彼の地で実り多い時を過ごしている。二人で第二次大戦前に訪れたシリアでの発掘旅行の顛末を、ユーモアと愛情に溢れた筆致で描いた旅行記にして、豊かな生活を送った夫妻の結婚記録。
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Posted by ブクログ
アガサクリスティの作品で、ときどき中東に健康を回復させるために行くという話しがある。
当時では、暖かい地方へ行くことが、健康によいとされていたのだろうか。
アガサクリスティが、夫について、発掘調査に同行したのは、健康のためもあるのだろうか。
いずれにしても、アガサクリスティのミステリの発掘ネタが、経験にもとづいたものであることが確認できる。
Posted by ブクログ
クリスティーのシリア発掘調査日記。
クリスティーの再婚した相手が考古学者であり、クリスティーも夫と一緒に発掘調査に同行したことは有名だが、その様子は初めて詳しく知った。オリエントな世界に魅せられていくつかの作品を上梓したクリスティーだが、その作品の下敷きになったであろう中東への眼差しがここに現れている。
ヨーロッパと違う風土、人々。虫や小動物に悩まされたり、勝手が違うルールやマナーに呆れたり、クスリと笑える描写もある。これが当時の典型的な西洋人の中東への見方かと納得することもあり、あまりにナチュラルな上から目線は現代から考えると座りが悪い部分もある。戦時中にまとめたのだから、明らかに過去を振り返って楽しかったと回想する思い出の記ではあるが、クリスティーも異邦人生活の楽しさ(それも配慮してもらえる立場での)を教授していたのだなと。時間も空間も超えてこれを読む自分は、ひとつの旅行記としてというより、クリスティーの情報のひとつとして読んだ。