あらすじ
2008年に起きた世界規模の金融危機、いわゆるリーマンショックは、ゴールドマン・サックスに入社してまだ1年しかたっていない僕にとって足元が揺らぐほど信じがたい出来事でした。
金融業界はもちろん、世界中の名だたる企業も軒並み大きな経済的な打撃を与えた金融危機の影響で、53回もの面接をくぐり抜けてやっとの思いで入社した僕自身も「毎日いつ自分も解雇されるのか?」という不安を抱える日々が続きました。
幸いにしてクビは免れたものの、その後ボーナスはゼロ、大幅な減給に加え、在籍部署の9割の人員が削減されるという壮絶な展開が待っていたのです。
ところが、そんなどん底時代を経験するも、その後17年続いた会社員生活では最終的に投資部門のトップである日本共同統括を務めることになります。
在籍17年間では、20ヵ国以上の社内外300人を超える「億円」資産家、「兆円」資産家、産油国の王族など超富豪などと協業、交流をはたしてきました。
この本は、そんな僕が会社員時代に学んだ富裕層の哲学や思考、習慣など、彼らの生態系について学んだことを、あますところなくお伝えする一冊です。具体的な投資方法や特定の銘柄を推薦するような、いわゆる「投資術の本」ではありません。「富裕層マインドを学ぶ本」という位置づけです。
なぜ、富裕層マインドを学ぶことが大事なことなのか。それは、今どのような環境に置かれている人であっても、富裕層マインドにシフトすることで「億を超える人」になれる可能性があるからです。
人は想像ができないことはできません。想像ができない人にもなれません。だから本書を通じて、富裕層について皆さんがイメージを持てるように、さまざまな角度から、その実態や生態系にお伝えしたいと思います。
(プロローグより)
Chapter1 年収1億円以上「富裕層の思考」
Chapter2 富裕層だけが知っている「お金の哲学」
Chapter3 お金がお金を生む「お金の使い方」
Chapter4 とんでもなく稼ぐ人の「時間の使い方」
Chapter5 普通の人でも実践できる「億稼ぐ人の生活習慣」
Chapter6 一生お金に困らない人の「人間関係の築き方」
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
まず、文章が読みやすく、分かりやすく難なくスッと頭の中に入ってくるような感覚で読めました。
この本を読んで、率直にこれまでの自分のマネーリテラシーや健康、時間に対する意識の低さを実感しました。
現在は朝活トレーニングを取り入れたり、仕事のレスポンスをとにかく速くしたり等、現在の自分のライフスタイル改善に直結するものとなりました。
惰性で退屈な生活していた自分に良い刺激となり人生の楽しさを与えてくれた一冊です。
Posted by ブクログ
著者が実際に富裕層と携わる中で得た気づきがまとめられたもの。
そもそも億手前までの人も限られているが、億手前まで辿り着くに何をすべきか、億を超えるには何をすべきかがある程度具体的に記されている。
言われてみれば当たり前の内容だったりするが、自分が正しくは認識できていなかった内容も多く、勉強になった。
Posted by ブクログ
この本を手にしたきっかけは勤め先からの給料に加えて副収益を稼ぐ為の方法を探す為
その方法に株投資を考えたゆえ参考になるかと思い手に取った
印象的だったのは、時間の使い方、富裕層は時間を有限と考えスピーディーに意思決定をしていた点
そして他の著書でも書かれているが複利効果がいかに効果的かまたレバレッジ効果について学べる著書
ゴールドマンサックス出身の田中氏が経験したきた時間術も参考になった。
Posted by ブクログ
【感想】
『億までの人 億からの人』は、投資テクニックではなく、富裕層の「思考法」「行動習慣」「時間の使い方」など、マインドセットに焦点を当てた内容です。
この人は非凡なのでスペック面で到底真似できない箇所も多いですが、
・誰にでもできる事を「圧倒的にやる」
・最優先すべきは「確実性」より「スピード感」
・今日規律を取り入れ、今日活かし、今日改善する
などなど、凡人でもやれる事は多々あるかと読んでいて思いました。
諦めずに、続けることが重要ですね!
【要点整理】
富裕層マインドの本質
1. 挑戦と失敗を恐れない
* 成功の裏には失敗のリスクがある。
* 「普通のことを圧倒的にやる」ことで差がつく。
* 富裕層は特別な人ではなく、普通のことを徹底的にやる人。
2. 意思決定は自分で行う
* 他人任せにせず、自分の軸で判断する。
* 「確実性」より「スピード感」を重視。
* 早く決めて、圧倒的な量をこなすことで質が後からついてくる。
3. 規律ある生活と習慣化
* 朝のルーティン(運動・仕事の段取り)を徹底。
* 「今日を生きる」意識で、毎日を改善。
* 習慣化が人を変える最も強力な手段。
4. 学び続ける姿勢
* 「永遠に生きると思って学ぶ」ことで、価値観の軸を育てる。
* ROI(投資対効果)を意識して、時間とお金の使い方を最適化。
5. 運動と脳の活性化
* 富裕層は運動をルーティンに組み込む。
* ウォーキングやランニングで脳の機能が向上し、メンタルも安定。
富裕層の時間の使い方(例:田中渓氏)
* 3:45 起床・メールチェック
* 4:00 運動(ラン・自転車・水泳)
* 6:00 家族時間・ニュース確認
* 8:00 目標を持った運動
* 9:00 出社・会議・段取り
* 11:30 昼食+インプット
* 13:00 移動中に学習
* 18:00 会食または家族時間
* 21:30 就寝(海外対応時は23:00)
コミュニケーションの質
* 「自分が伝えたいこと」ではなく「相手が知りたいこと」を意識。
* 相手の上司や関係者まで想像して話す。
* アジェンダ外の話から面白い展開が生まれる。
* 相手に何を「give」できるかを考える。
人が変わる方法(+1)
1. 時間配分を変える
2. 住む場所を変える
3. 付き合う人を変える
4. 習慣化する(追加)
【メモ】
p3
リーマンショックにより53回も面接をくぐり抜けて、やっとの思いで入社した。僕自身も「毎日いつ自分も解雇されるのか?」と言う不安を抱える日々が続きました。
p5
何もしないという最強のリスクヘッジ。
何もしなければ失敗も損もしません。でも、何も起こりません。
逆に辿ると、成功したいなら、失敗のリスクを受け入れて挑戦するしかありません。
普通のこと、誰でも出来ることを「圧倒的にやる」。
実際多くの富裕層は、「普通のことを“圧倒的に”やっている普通の人たち」です。
p51
・富裕層になる第一歩は「意思決定」を他人に委ねないこと
p54
・最優先すべきは「確実性」より「スピード感」
富裕層が2番手として選択するのは「早くて間違っている」こと。たとえ判断が間違っていても早く決めることの方が大事。確実性よりスピード感を重視します。
奥を手にしたいなら、とにかく速さを求めます。
そして、圧倒的な量をこなします。
とにかく圧倒的なスピードで、死ぬほど量を重ねる。
質は結果としてついてくるものだと思っておけば良い。
p180
ベッドに入る前に、明日の朝のワークアウト用のウェアを用意しておこう。
朝は何も考えるな。
考えずに計画を遂行せよ。
アラームが鳴ったら起きる。運動する。それを実行するだけだ。
明日まで待っていてはダメだ。
昨日できなかったことを考える必要もない。
今日、規律を取り入れよう。今日を活かそう。今日改善しよう。
今日だ。毎日だ。
これを何日、何週間、何ヶ月、何年と続けられれば、規律ある生活を送るのに抱負など必要ない。
p197
・富裕層は朝4時から走っている
起きて家を出る前に、その日の会議の予定を把握し、前日のメールを斜め読みでざっと目を通す。そこでは深く考えず、そのまま走り出す。
すると、走っている間、脳が勝手にメールの返信やプレゼンテーションの構成、会議の段取り、意思決定のためのロジックなどをどんどん考え始めてくれます。
この脳のオートパイロット機能に任せておくと、走り終わった頃には、その日1日にすべき仕事の段取りが全て終わっています。
後はそれを午前中にアウトプットするだけと言う状態です。
p201
・田中渓の1日のタイムスケジュール
3:45 起床、メールチェック及び緊急性の高い仕事への対応等
4:00 運動(ランニング、自転車、水泳など)
6:00 家族との時間、ニュースチェック
8:00 運動(目標を持った練習)
9:00 出社。メール返信、その日の仕事の段取り、社内外の会議
11:30 昼食をとりながら、知識のインプット(ニュースサイト、購読ノート、チャンネル登録済みの動画など)
13:00 移動(タクシー車内で合格学習)
18:00 会食or家族との時間
21:30 就寝(海外との電話会議の時は23時に就寝)
p204
・「40代でリタイヤ」のFIREはリスクが高い
p219
・永遠に生きると思って学ぶ。
ガンジーの言葉「明日死ぬと思って行きなさい。永遠に生きると思って学びなさい」
その場で、全力で、ベストな判断ができなければ、明日は来ないかもしれない。そんな覚悟で仕事に向き合っています。
そして、いつでも今日を生きるために正しい判断をするには、自分の価値観に軸が必要です。その軸を持つためには、日々学習を続けることが欠かせません。
p232
・ROIの視点
投じた時間やお金に対して、どれだけの利益を得られたか?
コスパ、タイパと同じ。
投資効率を考えていろいろ模索しつつ、最終的に「やること、やらないこと」を決定します。
無駄な努力をしなくて済むだけでなく、一度始めたら小さな勝ち癖を積み重ねながら習慣化するまで継続する。
そのためにはROIを考えて的確な見極めをすること。
p243
・富裕層はルーティンに運動を欠かさない。
歩く事は体にも脳にも良い。
記憶や学習を司る脳の海馬の神経が増える。
思考力や学習力に関する前頭葉や記憶力に関する側頭葉が発達する。
また、ふくらはぎは第二の心臓とも呼ばれる重要な体の部位。ふくらはぎを含む昔は体の中で心臓から最も遠くに位置し、流れてきた血液を重力に逆らって、心臓まで押し戻さなければならない。
ふくらはぎの収縮を見るキングアクションと言うが、ミルキングアクション起こすことで「幸せホルモンのセロトニンの分泌がされるので、気持ちが安定する」「自律神経が整いやすくなる」など、メンタル面でも科学的根拠が発表されている。
必ずしも走る必要はありません。早朝早起きしてウォーキングを習慣にしてみるのもいいかもしれません。
p245
・その分野の上位数%に入るためには、ゴールに向かって多角的に進める。
一万時間の法則。どんなことでも10,000時間使えば、その道の一流の人になれる。そこまでは難しくても、1000時間の法則と言うものもあり、1000時間費やせば、その道の上級者、セミプロにもなれる。
大切なのは、複数の道で上級者になること。
金融×プログラミング、技術、開発×経営、英語×〇〇など
p275
稼ぐ人は「自分が伝えたいこと」ではなく「相手が知りたいこと」を常に意識しています。
さらには「話す相手の、さらに話す相手」まで想像力を及ばせることができるかどうかも重要です。
話を聞いた相手が、その上司に報告しやすいように、相手先の重要視しそうなところを強調しておくこと。
p282
用意してきた話だけで広がりがない、そういう相手との面談は退屈です。
アジェンダになかった話から、思わぬ面白い話は生まれる、そういう会話が富裕層の間では多いように感じます。
そのためにも、まずはいろいろな話題にきちんと触れておき、常日頃から学習をしておく事は、基礎力として大切です。
「自分が伝えたいこと」ではなく「相手が知りたいこと」の精神で「自分が聞きたいことではなく、相手が伝えたい事は何か?」と、一度相手の立場になりきって考えます。
また、忙しい相手との時間取り早々いただくわけなので、相手からtakeするだけでなく「giveできる事は何か?」と言うことをよく考えて臨みます。
p309
人間が変わる方法は3つしかない。
時間配分を変える。
住む場所を変える。
付き合う人を変える。
4つ目の方法として、「習慣化」があります。
Posted by ブクログ
いろいろな本を読んでいる、いろいろな知識を日頃から学んでいる方にとっては既知の内容が多いかもしれないが、その内容を実際の経験と自身の感覚を元に表現されているので、なぜだか腑に落ちる。
スモールステップからしっかり習慣化。これがとっても大事。
Posted by ブクログ
株をしてる人は複利の考え方に馴染みがあると思うが、
日常生活においても複利が効くという考え方はなかったので良い刺激をもらった。
常日頃の行いが積み重なり大きな差となる。
Posted by ブクログ
当たり前のことを圧倒的にやる、これなんだな結局という感想でした。
いわゆるスーパーエリートがその豊富な経験から抽出した億からの人の特徴があって面白い。
著者も冒頭で断っているが、内容に革新的なものがあるといったものではないが、結局多くの人が言っていることをやることが道なんだろうなと思えた。
朝3:45起床で20km走るのを知り、7:30に起きて、5km走ってみたがゲロ吐くかと思った。
やってみると凄さがわかる。
Posted by ブクログ
富裕層の考え方、投資の考え方について詳しく学べた
特にこの方は不動産投資に力を入れているようだ
余剰資金があればやってみたい
エンジョル投資もやってみたい
Posted by ブクログ
田中渓さんが気になるので読んでみた。当たり前のことが書かれている印象。
口に入れるもので体ができているので、口に入れるものを気にする。興味を持つと言うのをやってみようと思う
Posted by ブクログ
『億までの人、億からの人』を読んで、富裕層は「運を待つ人」ではなく「自ら運をつかみにいく人」であることに感銘を受けました。運がいい人とは、偶然ではなく「運をつかむ条件を整えている人」なのだと感じました。
彼らはとにかく行動し、失敗を恐れずに挑戦を重ねます。その姿勢がチャンスを引き寄せる力になっているのだと思いました。また、「メールの返信が速い」「判断をその場で下す」「相手の立場を理解する」といった富裕層マインドは、仕事を円滑に進めるうえでも大切な習慣だと感じました。
さらに、「人が変わるには時間配分、住む場所、付き合う人を変えること、そして習慣化が大切」という言葉が印象的でした。日々の行動の積み重ねが運命を変えるという考え方に共感し、私もまずは小さな行動から変えていきたいと思いました。
Posted by ブクログ
「習慣」をどうやって落とし込んだらいいかのプロセスと考え方が作者の経験と知見ベースを書かれている。どんな状況でも人を観察して、その人のことをもっと知りたいと言った興味関心の気持ちが強いと色々な気づきがあり、行動にも繋がっていくという一連の流れが見えた。
Posted by ブクログ
億越えの収入を目指すには、まず具体的な億の稼ぎ方を想像する。想像できないことは基本的に実現は難しい。そのためには億を越える収入を得ている人達の行動や考え方を学び、今の自分自身で出きることから真似ていくことが重要。
まさにこの本が億越えを目指したいなら読むべき第一歩かもしれない。
Posted by ブクログ
億の人(年収1億円、金融資産5億円)になる人のマインド、行動をまとめた本。
お金をたくさん持つことと、幸せになることは全く別の話て、立派なわけでも偉いわけでもないものの、人が抱える大きな悩みの一つであるお金の悩みから解放され、人生の選択肢を増やして、自分の人生を自分自身で決められるようになることは非常に重要。
億の人までいかなくても、この本のマインドを持てば不労所得を得て人生が良い方向にまわるのは間違い無いと思う。
Posted by ブクログ
「億からの人」の思考、習慣、哲学といったマインドセットを教えてくれる本。
思考や習慣化は、今まで読んだ本にも何度も書かれていた内容で、ここでも繰り返し強調されていて「やっぱり本当に大事なことなんだ」と実感した。
哲学の部分はまだまだ自分には遠いな、と感じつつも、少しずつ近づきたいと思う。
時間・健康・人間関係を優先して、小さな挑戦を続けていく。
最近は睡眠時間を1〜1.5時間増やし、朝ウォーキングを始め、残業をしなくてもいいようにスケジュール管理を見直した。
本を読むことで、少しずつ行動もマインドセットも変わってきている気がする。
やっぱり、日々の小さな選択と挑戦が未来を変えていく鍵なんだと改めて感じた。
心に残ったポイント
•習慣化して、とにかく行動に移すことの大切さ
ー投資でも、プライベートでも、仕事でも同じ。
•金融リテラシーを身につけるには、習慣化がカギ
― お金の勉強も、習慣になるまでが本当の勝負。
•「仕事は相手があってこそ」という視点
― 人間関係を意識した働き方を大切にする姿勢に共感。
Posted by ブクログ
筆者のYoutube動画を見て興味を持ち読みました。
富豪の人も筆者も共通して言えるのが、当たり前のことを淡々と積み上げて、レバレッジを掛けていることであった。
その中でも特に習慣化と朝活は自分でも取り入れたいと思った。
Posted by ブクログ
人間が変わる方法は3つ。
時間配分を変える、住む場所を変える、付き合う人を変える。さらに4つめとして習慣化もある。
富裕層は確実性よりスピードを重視する。
遅くて正しいのは、間違ったことをしていないだけで凡人。
原資ゼロから億を目指すのに必要なのは、
お金→経験値→人脈
昔の嗜みだった読み書きそろばんに代わるものとして今は、金融リテラシー、英語、プログラミングが必須。
お金があるから楽をするのではなく、アウトソースした結果うまれる時間を、稼ぐことや勉強すること、リフレッシュすることなど自分のため使おうとする。
お金を使うときは、支払うお金は自身が達成したい目的の本質的な価値に見合っているか?を考える。
習慣化は富裕層みんなが通底している考え方。
行動できない理由がないという状況を作っておく。
投資、語学学習、ダイエットをモノにできるのは習慣化に成功した4%の人のみ。
緊急性が低くて重要性の高いことにどれだけ時間を割けるかによって人生の豊かさが決まる。
食事を薬と思って食べなさい。そうしないと、薬を食事のようにとらなくてはなる。
送られてきたメールにネガティブな印象を受けたら、先入観に囚われていないか、何かしらのバイアスがかかっていないか、と自問自答して、違和感があるなら直接話して解消する。
★道具としてのファイナンス 日本実業出版社
★ファイナンス思考 日本企業を蝕む病と、再生の戦略論 ダイヤモンド社
★自動的に富が増え続けるお金と時間の法則 ダイヤモンド社
Posted by ブクログ
社会人にとってのお金と仕事の教科書のような本。今すぐ24時間の使い方を見える化する、勝ち癖を身につける、自分のルーティンを決めたら絶対に変えないなど、参考になった。オススメの本とか、やり方とか、もう少し具体的な例を挙げて欲しかったとは思うが、そこは次回作以降に期待したい。
Posted by ブクログ
本書の立ち位置
・著者はゴールドマン・サックスで17年勤務し、世界中の富裕層と交わってきた経験を持つ。
・本書は「どうすればお金持ちになるか」のノウハウ本ではなく、「富裕層マインド=思考・習慣・行動パターン」を描くことを主目的としている。
富裕層マインドの核心(“億を超える人”に共通する考え方・行動)
・意思決定の速さを重視する
- 完全な確実性を待つよりも、「まず動く」「速く間違える」方に賭ける。
- 重要な判断は場で結論を出す。迷って時間を消費すること自体が機会損失。
→「悩む」ことを減らし、行動量を増やす姿勢が鍵。
・お金を「運用」し、お金に働かせる視点を持つ
- 富裕層は“貯める”より“運用する”ことを当然視しており、給与一本のみの収入源はリスクと見なす。
- インフレリスクや予期せぬ支出を織り込んだ資産管理・リスクヘッジが重要。
習慣・時間管理・身体・メンタル
・習慣化が無意識の武器になる
- 富裕層は、健康・運動・睡眠など「面倒だけど重要」なことを圧倒的に習慣化している。
- 著者自身は毎朝 3:45 起床 → ラン/水泳/バイクなどの運動 → その後に仕事という日課を長年継続。
→ 意志力に頼らず「仕組み化された行動」が差をつく。
・時間・エネルギー配分に厳しくある
- 緊急ではないが本質的なこと(戦略設計、自己成長等)を優先する。
- “お金 → 経験値 → 人脈”というサイクルを回す。時間をかけるべきところと捨てるところを明確にする。
人間関係・信頼・与える文明
・信頼を「貯める」ことを意識する
- 相手の期待をほんの少し超える行動、情報提供・紹介を惜しまない姿勢が信頼を強化する。
- 非効率な行動(手間をかける対応など)が記憶に残る信頼になる、という見方もある。
・複数のコミュニティに属し、影響力を持つ
- 富裕層は一つの世界だけでなく、多様なネットワークに関与している。
- 自分の立ち位置を「オーナーシップ」で持つ。自ら選び、責任を取る態度を貫く。
“億まで”から“億を超える人”になるためのパス
・富裕層への道は一通りではない(投資銀行キャリア型、起業経営型など)だが、共通するマインドセットが境界線をつくる。
・「想像できないことはできない」 — 富裕層の世界をイメージできなければ行動できない、だから思考の射程を広げよ。
1. 富裕層の「お金の哲学」と資産形成
・お金は「自由を得るための道具」:お金を目的ではなく、より大きな自由や機会を得るための手段として捉えている。
・貯金ではなく投資による資産運用:インフレによりお金の価値が目減りする現代において、富裕層のほぼ100%が株や不動産などに投資し、お金に働いてもらう仕組みを構築している。
・複利の力を理解する:資産形成だけでなく、成長や習慣にも複利の力が働くことを知っている。小さな良い積み重ねが、長期的には想像以上の大きな差を生む(例:1日1%の積み重ねが約38倍に)。
・ROI(投資対効果)を意識した学び:「永遠に生きると思って学ぶ」姿勢を持ち、時間とお金の使い道を最適化する。
2. 「意思決定」と「スピード」の重視
・主体的な意思決定:人生のあらゆる選択を他人に委ねず、すべて自分自身で決断し、その責任を負う。このプロセスこそが成長と大きなリターンを生むことを知っている。
・「確実性」よりも「スピード」:完璧な答えを出すことよりも、まず早く決断して行動することを優先する。遅くて完璧な決断よりも、たとえ間違っていても早い決断のほうが、次のチャンスにつながり、結果的に信頼も得やすい。
・期待値コントロール:「満足度=結果÷期待値」の公式を意識し、完璧を目指すより80点を素早く出して修正する方が、結果的に相手に安心感や信頼を与えられる。
3. 時間の使い方と「習慣化」の力
・「今日を生きる」意識:毎日を改善し、規律ある生活を送る。
・習慣化の徹底:面倒なことも意志の力に頼らず、全てルーティンとして習慣化する(例:朝のルーティンで運動や仕事の段取りを徹底)。これが人を変える最も強力な手段。
・完璧主義は非効率:完璧を目指すのではなく、スピードと効率を重視し、相手の期待値に合わせた行動をとることで、時間とエネルギーを最適化する。
4. 人生の質を高める「総合知」
・健康管理のサイクル:「カネ→カラダ→ココロ」のサイクルを重視し、お金、身体、心の3つを整える。運動や睡眠を最優先事項とし、心身の健康が集中力と生産性を高める基盤と認識している。
・人間関係の「分散投資」:会社だけでなく、複数のコミュニティに所属し、利害関係のない友人との交流を大切にする。これは精神的な健康にもつながる。
・「普通のことを圧倒的にやる」:富裕層は特別な人ではなく、誰もができる「普通のことを徹底的にやる人」である。挑戦と失敗を恐れず、圧倒的な量をこなすことが非凡な結果を生む。
この本は、単なるハウツーではなく、富裕層のマインドセットと日々の行動原理を学ぶことで、自身の人生を主体的にデザインしていくための指針を与えてくれます。
Posted by ブクログ
著者がゴールドマンサックス時代に出会った富裕層の生態系についてまとめた書籍。特に習慣化のところが面白い。富裕層になりたい人のための本というよりも、主体的に、人生を自分なりに精一杯を生きたい人に向けた善意の本だと感じた。折に触れて再読したい。
Posted by ブクログ
自分の普段考えていることをより明確に言語化してくれてました。新たな発見もたくさんあって参考になりました。どうやってやり続けるのか、全ての言い訳を排除する為にあらゆるハードルを下げること、記録してやめたら勿体無いと思わせること。
Posted by ブクログ
一つ一つがシンプルにまとめられており、さすが元ゴールドマンと感じた。
内容は自己啓発書で良く見るものが多いが、初めて聞くキャッチーなワードも多く、良い思考方法が言語化されていて、全体的に腹落ち感が強かった。
タイトルで損をしている感じは強い。
Posted by ブクログ
最近話題の田中渓さんの著書。prime readingで発見したので読書。
資産家の習慣や人付き合い・考え方・習慣を紹介する内容という事だが、経営者のそれとも共通する点が多かった。
・億を目指さないと億は手に入らない
目標設定して初めてギャップや行動計画を意識し始めるもの。億の世界をリアルに想像する事がはじめの一歩
・億を目指す方法を考えて辿り着かない場合は想像していた世界が億より小さいか(ゴール設定の間違い)、ゴールへの道筋の立て方が間違っていたか、努力不足のどれか
・意思決定を他人に委ねない事が最重要。人に指示された事をするだけは脳にとってストレスがなく楽
・人的リソースにもレバレッジを効かせる。サービスで産んだ時間を使い自分の為に使う。勉強、リフレッシュ、稼ぐなど
・将来価値を現在価値に換算してフェアバリューを考える。期待リターンを現在価値にした上でいくら払ってその行動を取るべきか決める
・認知バイアスに騙されない アンカリング バンドワゴン効果など
・時間の使い方を間違えることはリスク
早くからチャレンジしないことは歳をとるリスクを全面的に受け入れている。日本円に全力投資しているのと同じ状態
・時間の使い方を1週間24時間で記録しやりたくない事をやりたい事に置き換える
・飲み会に行っても一次会で帰る、タクシーに乗って英語学習をするなど自分のルールを決め実行する
・習慣化できる力は一生の武器になる。富裕層は早朝からジムで体を鍛えている。
・習慣化する為にはものすごくハードルが低い事を15分からはじめる。トリガーを決めたらそのトリガーを迎えたら必ずやる。朝の習慣なら、起きて何も考えずに行動に起こせるレベルに準備をしておく
・習慣化を続けるには記録する事、コミュニティの力を使う事がポイント。脳の仕組みを理解して活用する事も効く。作業興奮でドーパミンを出して10分もするとオートパイロットで惰性で続けられる
・意思決定を誤らない為に一日のリズムを整える
一日にしている意思決定は35千回、リズムを崩さず決められたペースで過ごす方がストレスは軽くて済む
・勝ち癖をつける。人は過去の成功体験をもとに似たような状況で自己肯定感ができ自信が付く。いいスパイラルに入る。早起きして得をした気になるのも勝ち癖
・雛形をたくさん持っておく。社内向け、社外向けの資料や比較対象
・上位数%を複数分野で掛け合わせる。1万時間で一流、1千時間で100人に1人くらいの上級者になれる。1千時間とは1日1時間で2年半強。100×100×100で3つくらいの強みを掛け合わせるとマーケットバリューを上げられる
・1千時間やると決めたら初めのステップとした必要なスキルを分解する。語学なら読む書く話す聞くの4つ 2つめのステップでそれぞれを同時進行で進める。インプットとアウトプットをセットで行う事で学習効率が高まる。野球の練習でも打つ投げる捕る走るとした場合、1つづつ進める人はいない。これと同じと考える 最後のステップで、全要素の学習を少し進めたところで経験者や成功している人のアドバイスをもらったり、評価の高い参考書を読んだりする。ある程度知識をつけないとイメージが湧かない為、このタイミングでアドバイスを受けるのが良い
・睡眠の質に徹底的に拘る
・カネ→カラダ→ココロの順に整える。必要な物や時間がないと余裕がなくなり、健康を害すだけでなく妬みや嫉みといった人間の最も恐ろしい感情が生まれてしまう
・労働して稼ぐ人ができている事
メール返信が早い・情報提供や人の紹介を惜しまない・TODOと時間軸の整理が明確・チームの稼働率を100%にできる・判断基準は考えなしに持ち帰らずその場で結論を出す・相手の立場を理解している・いつでも責任感とオーナーシップを持って仕事している
・コミュニティの作り方
自分の引き出しを増やす為に日頃から勉強する、相手をよく知る・調べ尽くす、相手に共感できるところを伝える、相手に自分が与えられることを真剣に考える、相手と一緒にできることを探し勇気を出して自分から誘う
信頼貯金はやるか、やらないかだけ
・パレートの法則を意識、8割で次に行く
スピード感を優先して見切り発車で進める。資料作成の例:デッドラインの1割の時間で骨子を作り提出、意見を求める→3割の時間で5割で出してテイスト確認→デッドラインの半分の時間で8割を出す。残り2割を詰めるか、他の事に使うかその時上司に判断を仰ぐ。満足度=期待値−結果。入り口で期待値を上げすぎない事が重要。食い気味に引き受けて雑な仕事をすると必要以上にがっかりさせてしまう。デッドライン直前までアウトプットがでない場合も仕上がったものが出てくるのだろうと期待させる。まだ粗いですが、3割ですが、といいながらアウトプットしていくのが期待値コントロール
・稼ぐ人を育てるリーダの要素 権限委譲する、部下や後輩の出した成果をフェアに認められる、部下や後輩の失敗に責任を取れる
・人が変わるには時間配分、住む場所、付き合う人を変えるしかないというのは大前研一氏の論。加え、習慣化が4つ目の方法である
Posted by ブクログ
とりあえず、「ハードルを限りなく下げて」朝早く起きていこうと思った。
この本に書いてあるのをその通りにすれば億プレイヤーになれるとかではないので、タイトルと内容が釣り合ってはいない。
意識高い人がやる行動がまぁそうだよねぇという感じで書かれてあるだけなので、目新しい発見はない。逆に言えば、怠惰に負けずちゃんとやることをやっていれば、という至極当たり前の話。
Posted by ブクログ
あまりこういった本を読んでいない人からすると目から鱗なのかも。
個人的には新しい発見はなかったというのが、正直なところ。
ただ、考え方はすごく共感でき、実践していることもある。だから、自分の考えていることを言語化するとこう言った事なんだ。という意味では貴重。
Posted by ブクログ
今は私も筋トレ、日記、読書などを習慣化しているが億からの人を目指すのならまだまだ努力が足りないと感じた。こうやって億からの人になるのか、なるほどー。
Posted by ブクログ
お金とは・仕事とは・習慣化とは・・・
そんな基本のきの大切さが学べた。
印象に残ったのは
・お金に働いてもらう(ただ貯金してないか?複利の力を侮るな)
・芋づる式に勉強を続ける(1つのキーワードから、連想するように調べ物をすること0)
・早い判断、早いレスポンス(遅くやるほど相手の期待値は上がる)
・人間関係、人脈って大事(でも、お金は人から入ると失敗する。giverであれ)
Posted by ブクログ
高収入だろうが低所得者であろうが、「意識」を変えたいと思う目的があるのであれば本著はとても有意義な内容となるだろう。
さて、本著では富裕層(兆人)と呼ばれる人たちがどのような意識と習慣を持って過ごしているか考えているかを思索する内容となる。富裕層とは言ってもお金があるから幸せということではなく実際に苦労している富裕層は多い。
富裕層にとっても形あるお金や資産だけでなく、人間関係、家族、友人等の質を重視する。人間関係の質を重視せよと多くの本で書かれていることだが、利用できるかという意識は間違っている。それはテイカー(搾取する者)であり人を利用できるかできないかで判断自体が誤っていると断言する。質が良い人間関係とはお互いに与え合い、約束や連絡を守る、対応を迅速にし、相手の立場や気持ちを理解した上で行動でき、ゴシップや批判だけで生きず、建設的な話ができるという利害関係だけでなく、趣味・学習など複数のコミュニティに所属し、人脈の分散投資を実践できる人を指すことである。
質が悪いのはその逆のことである。一部を言うのであれば、約束を守らない、嘘をつく、愚痴・批判・ゴシップばかりで、時間やエネルギーを一方的に消費させる人である。
本著は給与に縛られない投資を勧めているが、その投資は何がいいのか答えは皆誰も知らない。プロでさえ知らない。なので、自分自身でしっかりと日々投資をしながら勉強し学習し資産で一喜一憂するのではなく、目先の利益を狙うのではなく古典投資本から多くを吸収し活かすことが重要である。投資の方法も人それぞれだ。資産を築くとは何か、資産を守りながら増やすとは何か、投資する業界を投資の金融商品を完全に理解できるように努める必要がある。
本著は所得有無に限らず、資産とはお金だけではなく、人間関係といったところも含めて質の高い生活(贅沢をするという意味ではない。本質的な幸せ)を目指す良書といえよう。