【感想・ネタバレ】検証 財務省の近現代史~政治との闘い150年を読む~のレビュー

あらすじ

現在、日本を覆う「増税の空気」はいかにして形成されたのだろうか? 財務省は、前身の大蔵省以来、「戦後最強の官庁」として日本に君臨してきた。しかし、大蔵省ほど絶大な権力を持ちながらもこれまであまり注目されてこなかった組織はない。気鋭の憲政史家が大蔵省・財務省の歴史にメスを入れ、百五十年の伝統を検証しながら、知られざる政治との関係を描き出し、日本再生への道を綴った本邦初となる意欲作。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

このページにはネタバレを含むレビューが表示されています

Posted by ブクログ

ネタバレ

大蔵省から続く財務省の通史。
大蔵省~財務省目線での近現代史が書かれており、必然的に同情的・共感的な書かれ方をしている。
昨今の増税をしたがる財務省の癖を、本来の大蔵省の遺伝子ではなく、歴史の中で政治家に際限のない財政拡大を飲まされてきたことと、日銀独立により金融政策の自由を奪われていることと結論づける。その上で日本の財政浮揚作として日銀を再統合し地上に出すお金の量を増やせばいいと主張している。
執筆が2012年のため、その後日銀が日経ETFの買い支えで通貨供給量を増やしても株高となるだけで、国民生活には変わりがなかったことまでは反映できていない。金融経済の難しさと言うべきか。
また、財務省にとって健全財政とは収支の黒字化ではなく、政治家に口出しされず予算を組み上げることだと書かれているが、試験に受かっただけの官僚が投票を経て国民の代議士たる政治家の指揮を受けるのは当然である。省の中の省、官僚の中の官僚と呼ばれた旧大蔵省時代からの自負と傲岸さは未だ健在とみえる。

0
2021年01月23日

「社会・政治」ランキング