【感想・ネタバレ】検証 財務省の近現代史~政治との闘い150年を読む~のレビュー

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英雄譚のようでした

2013年10月14日

大蔵省(現 財務省)の優秀な官僚がいかにして日本の経済を驚異から守ってきたかが、まるで英雄譚のように読めました。
読み物としても面白かったですし、参考資料などが逐一載っているため、信憑性が高く、他の文献も読んでみたくなりました。
また現在の問題に対しても言及されており、よくある「日本の未来が危な...続きを読むい!」と言って解決策には一切触れない書籍とは違い、納得できる(実績のある)解決策が示されています。
政治を勉強し始めた、あるいは「日本の経済が大変なのは分かるが解決策は増税しかないのか」と危惧していらっしゃる方には是非読んでいただきたいです。

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Posted by ブクログ 2019年02月22日

歴史を知らないと明日が見えない
荒れ狂う現代で生きていけない
正しい知識を得たうえで正しい判断を下すこと
何をすることが正解かを考える力が
現代人にもあることを信じて、
倉山満は歴史と知識を語り、
荒波をこぎ出す無謀な冒険者の背を押す

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Posted by ブクログ 2013年09月05日

眠れぬ夜には最高の一冊!じゃなかった、、増税に邁進する某組織について理解する上でも、我が国の近現代史を新たな視点と最新の研究結果から学び直すという上でも、最良の書です。大変勉強になりました。有権者必読の一冊であると思います。

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Posted by ブクログ 2013年02月16日

デフレ派経済学者、デフレ派一般人に対抗するのに有効な知識が得られる。歴史的な見地からリフレ理論は常道であり必然。
最後の提言が第二次安倍政権誕生を予言していたような内容で、上念司氏の「日本の危機管理はここが甘い」と共に一部では予言の書と呼ばれている。

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Posted by ブクログ 2012年06月23日

他のレビューにもあるが、これは新鮮。「さらば財務省(高橋洋一)」や「財務省のマインドコントロール(江田憲司)」などとは全く異なる切り口である。
強烈なエリート集団というイメージで読み進めると、ものすごい違和感が生じる。「政治家にやられてきた弱い財務省(大蔵省)」という全く真逆の記述があるからだ。
...続きを読むちらが正しいのかどうかはさておき、なるほどこういう見方もできるのだなと楽しく読めた。

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Posted by ブクログ 2012年06月18日

少し偏った部分はあったもののとても面白かった

読んだ結論は二点

1.歴史は繰り返す⇒政治主導は難しい

2.デフレ放置はもはや日銀や財務省の意地なんじゃないか

前者について
減税と戦争推進といった無理難題を承知で当時の政権に迫り、瓦解させた後に成立した隈板内閣
⇒政権担当能力は皆無で自滅に近い...続きを読む総辞職と混乱をもたらした
当時の閣僚は官僚あがりの議員が占めていたというのも結構衝撃的だったのと共に、やはり行政の仕事に関わりのない政治家の限界も感じた

後者について
戦前の官僚は本当に誇りを持って国のために健全な経済運営を図っていたことが分かった
どこから今のデフレ時の増税は正義で財政再建に不可欠という増税スパイラルに押し込んだのかは読後も未だによく分からない…

それで考えたのは「もはや意地かな」

昔の官僚からしたら今の官僚は本当に売国奴のように見える

責任逃れのために「地震や世界経済危機のような大事故の後に事を起こし」、失敗しても「そういった事象のせいだ」と言い逃れに使おうとするように垣間見える官僚の意思の汚さには失望しかない。

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Posted by ブクログ 2012年04月11日

歴史を国家予算の観点から見つめると世界が拡がる。

うーん、財務省のトラウマ。
田中角栄が引き起こした放漫財政が、引き起こした
災害なんですね。

兎に角、日銀は円を刷れ!!

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Posted by ブクログ 2012年04月01日

財務省(旧大蔵省)の歴史を紐解く事で、現在のデフレを脱却する為に最良の処方箋は何かを読み解く本。
財務省の歴史を紐解きながらも、日本の正しい昭和史も学べる素晴らしい本である。
この本を読めば、日本は戦前戦後を通じて、「共産主義・計画統制経済 vs 民主主義・自由資本主義」の構図から一歩も抜けて出てお...続きを読むらず、共産主義の息がかかった人間に、徹底的に貶められ続けている事が分かる。
真に討つべき敵は誰なのか?真の味方は誰なのか?今後も敵を誤らない為にも必読の書である。
作者の倉山満という男、必ずや日本を席巻する論客となる逸材である。要注目!

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Posted by ブクログ 2022年12月27日

財務省、大蔵省は、元々増税なんぞ最後の手段で、徹底的に避けるものだと考えて抵抗し続けていた。

なんて言われても、全く信じられるところではないのだが、そうだったのだ。

腐った政治家、国民の方を向いてる降りして、利権と権力に腐心する政局に対抗して巻き込まれて戦っているうちに、ミイラ取りがミイラになり...続きを読むまともな判断もできなくなって現在に至る。

そんなところか。

この本の時代はまだ民主党政権だったが、防衛力増強にこれ幸いと増税を放つ、まさに倉山先生が心配していた通りの時代になっております。

悪じきに悪い奴らが重なったんだな。
ま、最後に責任取らされるのは国民なのは、戦争と同じ。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2021年01月23日

大蔵省から続く財務省の通史。
大蔵省~財務省目線での近現代史が書かれており、必然的に同情的・共感的な書かれ方をしている。
昨今の増税をしたがる財務省の癖を、本来の大蔵省の遺伝子ではなく、歴史の中で政治家に際限のない財政拡大を飲まされてきたことと、日銀独立により金融政策の自由を奪われていることと結論づ...続きを読むける。その上で日本の財政浮揚作として日銀を再統合し地上に出すお金の量を増やせばいいと主張している。
執筆が2012年のため、その後日銀が日経ETFの買い支えで通貨供給量を増やしても株高となるだけで、国民生活には変わりがなかったことまでは反映できていない。金融経済の難しさと言うべきか。
また、財務省にとって健全財政とは収支の黒字化ではなく、政治家に口出しされず予算を組み上げることだと書かれているが、試験に受かっただけの官僚が投票を経て国民の代議士たる政治家の指揮を受けるのは当然である。省の中の省、官僚の中の官僚と呼ばれた旧大蔵省時代からの自負と傲岸さは未だ健在とみえる。

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Posted by ブクログ 2013年02月15日

財務省うんぬんはともかく、三木武夫が「クリーン」を標榜していたのは見かけ上で、実際は「金権政治」の対極にある「恐怖政治」を敷いていたという筆者の見解は印象的であった。また、竹下登が80年代~90年代の日本を牛耳っていたという件はもう少し他の著書で詳しく知りたいと感じた。

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Posted by ブクログ 2012年04月08日

副題は、政治との闘い150年を読む。
財務省とは、国の歳入と歳出を管理する官庁。前身の大蔵省以来、「戦後最強の官庁」として日本に君臨してきた。
今、財務省はデフレ不況下での増税を企んでいる。「増税やむなし」の空気が流れる中、これは本当に正しい選択なのだろうか。
気鋭の憲政史家が、150年の伝統...続きを読むを検証しながら、知られざる政治との関係を描き出す。

 第1章 大蔵省の誕生
 第2章 日本最強の官庁へ(井上準之助の登場)
 第3章 パンドラの箱  (馬場鍈一蔵相)
 第4章 占領と復興
 第5章 復興から高度経済成長へ(池田勇人の登場)
 第6章 三角大福、赤字国債、消費税
 第7章 失われた十年
 第8章 平成と未来の日本

本書は、従来説とは異なり、新しい見方を示しており大変面白い。
本書を読むと、財務省がいかに政治に翻弄されてきたのかがわかる。
「われわれが本当に強かったら、日本の財政なんてこんなふうになっていませんよ。主計局は、常に敗戦、敗北の歴史です。」という財務官僚のことばもうなずける。

残念なのは、論法の補強の仕方が粗い点である。著者の見方は画期的で面白いが、ひとつ間違えばトンデモ説になりかねない。新書という制限はあるが、もう少し丁寧な描き方をして欲しかったと思う。

以下、気になった点。
著者は、城山三郎の小説「男子の本懐」を事実と異なる世紀の悪書としており、三つの重大な誤りを指摘している。著者は「井上は、元々は高橋の最側近だったが、わざわざ反対党の濱口の内閣に移り、間違った経済政策の推進者となった」という見方を示している。この見方は面白いのだが、なぜ井上がそうしたのかという動機が説明されていない。
戦前の日本は、軍部に支配されていたというイメージが強いが、井上が生きていた時代は、法の支配する時代であるというが、この見方は重要であろう。井上は政党の力を背景に、軍事予算の削減を進める。
軍部に優越していた政治がなぜ逆転したのか。著者は、政治(政党)が自壊
したことをあげている。また、ソ連(共産勢力)の動きに注目している。
これも、面白い見方であるが、もう少し、説得力が欲しい。

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Posted by ブクログ 2012年04月08日

本屋で平積みになっていたので、パラパラと見て、つい買ってしまった一冊。
興味深い史観が展開されて、ところどころ、確かにそういう力学が働いて然るべき、と納得できる点も多い。例えば、強力な与党、衆議院が形成されると、大蔵の主計局が強力な権限をモテるようになるとか、終戦後に強い横暴な陸軍大臣と、逆らえなか...続きを読むった文官達という虚構を創作し、占領軍を騙くらかしたというくだり。歴史は勝者や生き残った者によって紡がれてゆくという典型例だと思う。
近代では、田中角栄ではなく竹下登こそが長きにわたり権力を裏から掌握しきった人物であり、そして、大蔵省の伝統から外れた増税路線=消費税導入を果たし、橋本政権による日銀の独立路線を引いてしまった、日本弱体化を招いた張本人という論も展開される。
グローバル、かつ資金の移動がオープンな中、政策金利や日銀の国債引き受けだけでマイルドインフレを上手く引き起こせるかは、正直、専門外で良く分からないが、国益を考えるならば増税より先にやるべきことであるのは確からしいと感じた。愚かな浜口宰相のように金を国外に流出させ、国益を著しく損なうようなことを繰り返すべきではない。
先達から学ぶべき局面だろう。

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Posted by ブクログ 2018年11月06日

 読みやすく、また読み物としても結構面白い本です。
 ただ、文章の中身は、アーカイブ的なものではなくて、良くも悪くも著者の政治史認識とか、財政金融政策観が披露されておりますので、そういうのが苦手な方はおやめになったほうがよいと思います。
 なんというか、折角多数の参考文献が挙げられているにもかかわら...続きを読むず、いまいち文章が信用ならないというか、大蔵省の正史を紹介しておきながら、著者の考えが惜しみなく書かれておりますので、いったいどこからどこまでがその正史の引用なのかというのがわかりにくくなってしまっているのです。
 もちろん、著者の考えが展開されているところが正史ではないというのはわかるのですが、では本文からそれを控除したものが全て正史準拠かといえば、それがそうは読み取りにくいのがこの本のもったいないところでして、事実の記述はもう少し淡々と書くとか、メリハリのある文章を書いて頂きたかったなと思います。
 学者先生の文章のお堅さは、その信頼性や権威という点でいえば、決して無用の長物ではないのだなと思った本です。
 

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