あらすじ
19の業界別のアジェンダについて、各分野を専門とするコンサルタントが解説
2025年における経営トレンドを掴む
2025年版では、自動車、防衛、船舶、量子コンピュータなどの業界を追加
本書は、可能な限り幅広い産業・サービスをカバーし、そこで起こっている最新のトレンドを俯瞰することに重きを置いています。興味がある産業・サービスに関して、空き時間にクイックに読んでトレンドにキャッチアップする形で活用いただけますし、複数業界を連続して読むことで、それらに通底するメガトレンドを感じてもらうこともできます。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
解像度高すぎ。
GPUクラウドサービスの主な用途は、
①大規模演算処理が必要な生成AIのLLM
②先進運転システム(ADAS)
③創薬シュミレーション等に活用されるマテリアルズ・インフォマティクス(MI)
オンプレミスではなくGPUクラウドが伸びている理由は
①需給バランス崩壊による価格の高騰。NVIDIAのGPUに用いられる半導体不足
②一般事業者による投資採算性の低さ
GPUクラウドサービスと従来のクラウドサービスの違い
①ユースケースの差分
従来のクラウドサービスでは、汎用的なサービスや開発環境を提供することで利用が進んでいるが、GPUクラウドサービスは業界や用途に応じて使い分けられるプライベートLLMが普及するポテンシャルがある。
②政策面での後押し
GPU関連の補助金など
日本企業の勝ち筋
①プライベートLLMとGPUクラウドサービスの抱き合わせニーズを創出
②ルールメーキングによる需要創出
補助金を活用することで規模の小さなGPUクラウドサービス業者が、価格で差別化を図る戦略を取れる。
重要インフラ関連の国産GPUクラウドサービスの利用を促進するルール整備
Posted by ブクログ
業界状況が一気に理解できた。
◉通信
・GPUクラウドがトレンド。伸びてる理由は、①GPUが高くなってるから。NVIDIAによる供給不足。②オンプレで構築しても、企業がGPUの処理能力を使いきれず、宝の持ち腐れになる。KDDIとソフトバンクも投資する。
・既にGPUクラウドは、AWS、Azure、GCPでシェア66%だか、日本に勝ち筋はある。例えば、プライベートLLMとGPUクラウドサービスのセット販売。現在はパブリックLLMの一人勝ちだが、業界特化で企業独自のデータを活用したLLMがニーズとしてありそう。この構築に必要な学習/推論用途で、GPUクラウドサービスを活用する。
◉生成AI
・現場レベルでなく、経営アジェンダとして取り組むべき。理由は、現場に任せると細かい改善しかされず、リターンが見込めず、生成AIへの期待値が落ちるという負のスパイラルだから。
・大きく推進体制を組んで、上位レイヤーが組織間の溝を取り払う動きが必要となる。
◉小売
・商品開発は「惣菜」がテコ入れポイント。
・理由は、①味で「差別化」しやすく、売上構成比が高い。逆に他の冷食とかは味のレベルが全メーカー高く、差別化しづらい。②来店促進の起点になる。他の商品より、リアル店舗購買に適している。販売頻度が多く、消費期限が短いため、気分に合わせた買い周りニーズがある。
・これを実現するには、高品質、高コスト効率が必要で、植物工場への投資が世界では始まってる。ウォルマートとかね。
・新事業として、リテールメディアが言われるも、いまだに黎明期。
◉アパレル
・市場全体は縮小傾向。理由はインフレ。
・消費者は二極化。ラグジュアリー(エルメスとか)は調子いいが、低中価格帯のアパレル厳しい。一方で中古市場は活性化。
・アパレルは自動車産業と同じぐらいCO2排出してる。ファストファッションやグローバルSPAは脱炭素本気で取り組む必要あり。
・アパレルは環境負荷の高い業界なので、上位企業のシェア拡大が加速する。なぜなら、GXは非常にコストが掛かるため、大企業が有利。かつ、M&Aが進む。
・市場としては成長しない。限られた市場を取り合う構造のため、一定規模のある中堅が危ない。
・経営アジェンダとしては、カーボンニュートラルに向けたサプライチェーン改革。特に排出量の可視化。これは日本遅れてる。もう一つは、再生型/循環型のビジネスモデルの構築。
◉消費財
・現在、最も舵取りが難しい状況。クオリティが高まりすぎて、微差しか作れない。
・これまで機能価値に限界が来ると、情緒価値を高める差別化をしていた。おつかれなまです、とかやな。
・今後は「健康」「環境」をテーマに新しい価値を作っていくべし。
・消費財メーカーは大規模生産とマスマーケティングでモノを売る。しかし製品の特性上、あまり差別化ポイントはない。どの歯磨き粉や柔軟剤買っても同じだよね、という感想。なので、個人をターゲティングしデジマケをやっても、広告のROIが成立しない。そのため、いまだにどの単位で、特定の消費者と繋がるべきか?は答えが出ていない論点。
・やはり原点回帰して、本質的な顧客価値を考えていくしかない。という結論。
◉観光
・インバウンドでの一人当たり消費額を上げる必要あり。
・富裕層誘致、顧客ニーズに合わせたサービス作りによる売上アップと、業務効率化のDXを進めて、観光業の待遇改善も必要。一人当たりGDPが宿泊観光業は特に低いから。