【感想・ネタバレ】シャーロック・ホームズの冒険のレビュー

あらすじ

ホームズ物語は、月刊誌『ストランド』に短編が掲載されはじめてから爆発的な人気を得た。ホームズが唯一意識した女性アイリーン・アドラーの登場する「ボヘミアの醜聞」をはじめ、赤毛の男に便宜を図る不思議な団体「赤毛組合」の話、アヘン窟から話が始まる「唇のねじれた男」、ダイイングメッセージもの「まだらの紐」など、最初の短編12編を収録。第1短編集。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

ボヘミアの醜聞
 一発目から最高の話だよ!ボヘミアの王を助けるためにアイリーン・アドラーから写真を奪い返すことを依頼されたホームズ。見つけられないのなら本人に教えてもらえばいい!何てカッコいいやり方だろう!火事にみせかけて隠し場所を確認させるなんてさすがホームズだよ!でもそんなホームズを出しぬいちゃうなんて凄いよアイリーン・アドラー!さすが「あの女性」だね!アイリーン・アドラーが出てくるのはもうこれっきりなのかなぁ。

赤毛組合
 僕は小さい頃に読んだことあるけど一番有名な話な気がするなぁ。確か、第一巻の最初がこれだった気がする。あの、裏表紙がホームズのシルエットのやつ。赤毛のウィルソンが任された割りの良すぎる仕事。その裏にあるのは銀行までのトンネルっていうとんでもない大事件だった。緋色の研究とかよりも話のインパクトは格段に上だと思う。これが第一巻なのはやっぱり正解だよ。何回読んでも印象に残る話だね。

花婿の正体
 父親のウィンディバンクってこんな下衆な奴だったっけ!?メアリーサザーランドの花婿の正体が実は父親だったってことは覚えてたけど、その動機ってこんなゴミクズみたいなもんだったっけ!?何かこう、もっと人情味溢れるもんじゃなかったっけ!?何かショックだったなぁ。

ボスコム谷の謎
 ホームズの中でもザ・推理小説って感じの話だよね。最古のダイイングメッセージなんじゃないかな。死の間際に遺した「A rat」の言葉。それを頼りにジェイムズ・マッカーシーの濡れ衣を晴らせ!誰かが提唱していたダイイングメッセージの意味の3類型のうち、「情報伝達が不十分だった場合」がこれにあたるのかな。実際はバララット出身のターナー老人のことだったわけだけれど。この話でも思ったけど、やっぱりホームズは法よりも人の幸せを望んでいるんだよね。それはある意味で危険だけれど、ある意味で正しい行為でもあると思うな。

オレンジの種五つ
 ほんとにこれはバッドエンドだね。ホームズは殆ど推理することなく依頼人ジョン・オープンショーはKKKに殺されてしまう。ホームズは罠をはるけど黒幕が乗ってた船も難破する(口封じ?)。ホームズの失敗談の中でもこれでもかってくらい失敗談だよね。KKKが実在する組織だって僕は成長するまで知らなかったな。

唇のねじれた男
 アヘン窟で姿を消したネヴィル・セントクレア。彼の居場所を探しだせ!ホームズがワトスンにそっと声をかけるシーン、かっこいいなぁ!ホームズのお茶目さが見えて面白いよね。名物乞食ヒュー・ブーンの正体は変装したセントクレア。乞食でお金を稼いでいるのがばれかけて、咄嗟に乞食に変装し直したら自分が殺されたことになっちゃった。結構コメディっぽい話だよね。現代風にアレンジしても面白そう。パパ活とかそこらへんにはまっちゃったみたいな話になりそう。

青いガーネット
 クリスマスに読みたい話の一つだね。ガチョウの中から出てきた盗まれた宝石。そのガチョウの出所を追ってホームズの大追跡が始まる!ブレッキンリッジの性格を見抜いてそれに適した情報の引き出し方をするところはさすがホームズだよね。僕もああなりたいなぁ。ホームズは今回も犯人を見逃したよね。でもそれはホーナーが無罪になるであろうことや、ジェイムズ・ライダーの性格上捕まってしまえば再犯してしまうかもしれないことが故のことだった。やっぱりホームズは人の幸せを何よりも考えて事件を解いているんだと思うな。

まだらの紐
 ホームズの中でも特に印象に残っている話だね。ジュリア・ストーナーが死の間際に遺した「まだらの紐」という言葉。部屋は密室で誰も出入りできない。探偵ならワクワクする要素が満載の話だよ!結末は「モルグ街の殺人」がモデルなのかな?ヘレン・ストーナーは無事だし暴力に頼るロイロット博士は暴力によって死んだし、文句無しのハッピーエンドだね。

技師の親指
 怖いなぁ。何回読んでも怖いよこの話。肉包丁で親指切られるとか読んでるだけでもゾッとするね。ヴィクター・ハザリーが体験したおぞましい一夜。その真相は偽金造りの一味だった。ミステリーよりかはサスペンスよりの話だけど、馬の調子から犯人達の根城を割り出すところはさすがホームズだよね。

独身の貴族
 あまりにもセント・サイモン卿が報われない話。結婚式直後に姿を消した花嫁ハティ・ドーラン。彼女はどこに消えたのか?確定した事実から蓋然性の高い推論を重ねていけば自と真相が見えてくる。そう教えてくれるような話だったね。花束に手紙を司婚で渡したのは前夫のフランシス・モールトン。死んだと思ってた夫が生きて現れたら、ドーラン嬢があんな行動をとってしまうのも無理ないのかなと思っちゃうな。サイモン卿は本当に気の毒だけど。

緑柱石の宝冠
 やっぱり恋愛感情って不思議なもんだね。あれだけ良い娘のメアリが犯罪に加担しちゃうんだから。アレグザンダー・ホールダーが託された緑柱石の宝冠。それを壊したと思われた息子アーサーは、宝冠を取り返そうとした孝行息子だった。アーサーは真実を話せばメアリの罪が暴かれてしまうことを懸念して沈黙を貫いた。何かこう書くとすごい紳士みたいに見えるけど、メアリって悪女に上手いこと絆されちゃったようにも見えるよね。ホームズもそう思ってるからメアリが凶悪犯の元に駆け落ちしても結構あっさりしてるんだろうな。

ぶな屋敷
 最後を飾るのにぴったりの話だったね。特殊な条件付きだけど割りのいい家庭教師の仕事。不安を感じたヴァイオレット・ハンターはホームズに依頼するけど、このハンターさんすっごい勇敢で強い女性だよね!ルーカッスルの息子の残虐な性格から親も危険な人物と推理したホームズはハンターさんが娘の身代わりだと突き止める。娘さん救出からのトラーのおかみさんがかっこいい!まさしくおかみって感じ!

 今回改めて読み返してみたけれど印象が大きく変わる話がいくつもあったなぁって思う。ただホームズの活躍がかっこいい!じゃなくて登場人物の気持ちに思いを馳せたり、事件の構成に目を向けたりそういったことができるようになったってことだと思う。楽しく読めた。もっと読みたいな。次は回想で。

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2023年08月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

有名なお話だけど、読んでいなかったので、手にとった。短編になっていてすごく面白い。ドルリーレーンより迷うことなく結論を出していてすっきりする。他の話も読みたい。訳がいいのかすっと入ってきた。

0
2024年05月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 ミステリの古典、「シャーロック・ホームズ」シリーズを初読書。光文社の出版順ではこの本が始めなのだが、原書の出版は「緋色の研究」が最初なのだとあとから知った。特にネタバレはなかったので順番を入れ替わるが読む予定。
 短編集なので複雑に絡み合った謎はないが、相談人が持ちこんでくる話は摩訶不思議なものばかり。それを快刀乱麻を断つがごとく鮮やかに推理するホームズにすっかり魅了された。これはシリーズを制覇したい。特に面白かったのは、「赤毛組合」、青いガーネット」、「独身貴族」。
 言うまでもないことかもしれないが、大ヒット漫画の「名探偵コナン」はホームズから多大な影響を受けていることを感じた。

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2015年05月18日

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