あらすじ
ホームズ物語は、月刊誌『ストランド』に短編が掲載されはじめてから爆発的な人気を得た。ホームズが唯一意識した女性アイリーン・アドラーの登場する「ボヘミアの醜聞」をはじめ、赤毛の男に便宜を図る不思議な団体「赤毛組合」の話、アヘン窟から話が始まる「唇のねじれた男」、ダイイングメッセージもの「まだらの紐」など、最初の短編12編を収録。第1短編集。
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Posted by ブクログ
世界で最も有名な探偵は「シャーロック・ホームズ」である、ということに異論を唱える者はいないだろう。小説であれ、漫画であれ、アニメであれ、おそらくかなりの人がホームズの物語に一度は触れているんじゃないかと思う。かくいう自分は、幼い頃にアニメでやってたホームズ(なんか犬のやつ)くらいしか見たことなかったが、、
ミステリー好きを豪語する以上、元祖名探偵ともいうべきホームズの原作を読破することは最低限の嗜みだ。さすがホームズ!邦訳版ですら何種類も出版されていた。現代風に読みやすくなっているのが希望だったが、光文社の文庫本の表紙が一番オシャレだったのでこれに決めた。(並べるとキレイ!)
へー知らんかった、ホームズってほとんどが短編だったんだ。いろんなメディアから刷り込まれたイメージで、頭脳明晰、長身でイケメン、プロ級のボクシング技術、と非の打ち所がない超人と思っていたが、、原作読んでみると、実際は痩せ気味のハゲ気味、ちょっと変わり者、タバコ中毒でときに薬物にも手を出している、となかなかな破天荒人物だった。もちろん鋭い推理力と膨大な知識量、頭脳明晰で運動能力抜群というのは、そのままだったけど。
読み終えて思うことは、ホームズが請け負う事件は殺人事件だけじゃなく、むしろ不思議な出来事や気になる悩み事みたいなものも多く、何でも相談所になってるのが面白い。ただ、それらの相談事のほとんどが後々犯罪へとつながる前触れ的なものになっているのだが。。
そしてもう一つ、、
世に聞こえた名探偵たちは事件が起こったあと、少しづつ手がかりを掴み、ときに連続的に発生する殺人を目の当たりにしながら、最終的に類まれなる推理力を駆使してトリックを暴き、犯人を指摘するという流れが王道だが、ホームズは違う!事件の現場に赴くと、髪の毛一本見落とさんというくらい徹底的に実況見分を行い、得られた情報を検証し、あっという間に事件を解決してしまうのだ。捜査が難航し時間を要することもあるが、むしろそれは珍しいくらい。なので犯行を未然に防いでしまうなんてこともしばしば見られる。よく考えたら、それは究極の理想的な探偵ではないか!
その調査におけるホームズの最も優れた能力は、卓越した推理力ではなく、神がかった観察眼だ。
ホームズの有名な言葉にこんなのがある。
『ワトスン、君は人物や物事をただ見ているだけなんだ、それではだめなんだよ。僕はね、人物や物事を観ているんだよ。観るというのはね、じっくり観察して、そこから得られた情報に推理を働かせることなんだよ。』
……っ!し、痺れる!!!
実際、小説の中でホームズが初対面の人物に対し、観ることにより職業を言い当てたり、直前にしてきたことをエスパーのように見抜いてしまう場面が何度も描かれている。
時が過ぎた現代でも、ホームズの名探偵としての名が色褪せないのも頷ける。
『シャーロック・ホームズの冒険』に収載された全12編の個人的評価(好み?)を載せておく
ボヘミアの醜聞 ★★★★★
赤毛連合 ★★★★★
花婿の正体 ★★★☆☆
ボスコム谷の謎 ★★★★☆
オレンジの種五つ ★★★★☆
唇のねじれた男 ★★★☆☆
青いガーネット ★★★★☆
まだらの紐 ★★★★☆
技師の親指 ★★★★★
独身の貴族 ★★★☆☆
緑柱石の宝冠 ★★★★☆
ぶな屋敷 ★★★★☆
Posted by ブクログ
これでホームズ人気が爆発した、というのもよく分かる短編集。
よくもまあこんなに謎めいたシチュエーションを、何とも言えない恐怖を感じるものから、不思議の国のアリス的なナンセンスなユーモアを感じさせるものまで何パターンも考え付くもんだ。そうはならんやろという状況ばかりなのに全てが解明された後は納得せざるを得ないのだからすごい。
特に印象に残ったのは『赤毛組合』『ボスコム谷の謎』『青いガーネット』『技師の親指』『ぶな屋敷』
Posted by ブクログ
思いっきりハマってしまった。自称ミステリ好きだが、本当に面白いのか長年疑問に思い手に取ってなかった。BBCのドラマSherlock を先に観てから、気になっていた新訳を購入。ドラマで誇張された表現だと思っていた描写も、まさか小説にありとても驚いた。あらゆるマンガ、小説の原点が垣間見えて本当に読んでよかった。
Posted by ブクログ
読みやすくまとめられた光文社のホームズ全集の第一巻。
すごく楽しかった。
ロンドンの街、ホームズの部屋を中心に、イギリスの光景が浮かぶ。
街のにおいのような空気感も感じることができる。
ワトスンとホームズの会話もいい。
挿絵も秀逸。
短編集だからとっても読みやすい。
Posted by ブクログ
20年以上前、英語で読んだシャーロック・ホームズの冒険を日本語で読んでみたいと思い購入しました。自分の英文読解能力がそこそこあることに安心しました。
この本は、当然日本語訳です。翻訳がとても上手で、プロの凄さを感じました。
Posted by ブクログ
ボヘミアの醜聞
一発目から最高の話だよ!ボヘミアの王を助けるためにアイリーン・アドラーから写真を奪い返すことを依頼されたホームズ。見つけられないのなら本人に教えてもらえばいい!何てカッコいいやり方だろう!火事にみせかけて隠し場所を確認させるなんてさすがホームズだよ!でもそんなホームズを出しぬいちゃうなんて凄いよアイリーン・アドラー!さすが「あの女性」だね!アイリーン・アドラーが出てくるのはもうこれっきりなのかなぁ。
赤毛組合
僕は小さい頃に読んだことあるけど一番有名な話な気がするなぁ。確か、第一巻の最初がこれだった気がする。あの、裏表紙がホームズのシルエットのやつ。赤毛のウィルソンが任された割りの良すぎる仕事。その裏にあるのは銀行までのトンネルっていうとんでもない大事件だった。緋色の研究とかよりも話のインパクトは格段に上だと思う。これが第一巻なのはやっぱり正解だよ。何回読んでも印象に残る話だね。
花婿の正体
父親のウィンディバンクってこんな下衆な奴だったっけ!?メアリーサザーランドの花婿の正体が実は父親だったってことは覚えてたけど、その動機ってこんなゴミクズみたいなもんだったっけ!?何かこう、もっと人情味溢れるもんじゃなかったっけ!?何かショックだったなぁ。
ボスコム谷の謎
ホームズの中でもザ・推理小説って感じの話だよね。最古のダイイングメッセージなんじゃないかな。死の間際に遺した「A rat」の言葉。それを頼りにジェイムズ・マッカーシーの濡れ衣を晴らせ!誰かが提唱していたダイイングメッセージの意味の3類型のうち、「情報伝達が不十分だった場合」がこれにあたるのかな。実際はバララット出身のターナー老人のことだったわけだけれど。この話でも思ったけど、やっぱりホームズは法よりも人の幸せを望んでいるんだよね。それはある意味で危険だけれど、ある意味で正しい行為でもあると思うな。
オレンジの種五つ
ほんとにこれはバッドエンドだね。ホームズは殆ど推理することなく依頼人ジョン・オープンショーはKKKに殺されてしまう。ホームズは罠をはるけど黒幕が乗ってた船も難破する(口封じ?)。ホームズの失敗談の中でもこれでもかってくらい失敗談だよね。KKKが実在する組織だって僕は成長するまで知らなかったな。
唇のねじれた男
アヘン窟で姿を消したネヴィル・セントクレア。彼の居場所を探しだせ!ホームズがワトスンにそっと声をかけるシーン、かっこいいなぁ!ホームズのお茶目さが見えて面白いよね。名物乞食ヒュー・ブーンの正体は変装したセントクレア。乞食でお金を稼いでいるのがばれかけて、咄嗟に乞食に変装し直したら自分が殺されたことになっちゃった。結構コメディっぽい話だよね。現代風にアレンジしても面白そう。パパ活とかそこらへんにはまっちゃったみたいな話になりそう。
青いガーネット
クリスマスに読みたい話の一つだね。ガチョウの中から出てきた盗まれた宝石。そのガチョウの出所を追ってホームズの大追跡が始まる!ブレッキンリッジの性格を見抜いてそれに適した情報の引き出し方をするところはさすがホームズだよね。僕もああなりたいなぁ。ホームズは今回も犯人を見逃したよね。でもそれはホーナーが無罪になるであろうことや、ジェイムズ・ライダーの性格上捕まってしまえば再犯してしまうかもしれないことが故のことだった。やっぱりホームズは人の幸せを何よりも考えて事件を解いているんだと思うな。
まだらの紐
ホームズの中でも特に印象に残っている話だね。ジュリア・ストーナーが死の間際に遺した「まだらの紐」という言葉。部屋は密室で誰も出入りできない。探偵ならワクワクする要素が満載の話だよ!結末は「モルグ街の殺人」がモデルなのかな?ヘレン・ストーナーは無事だし暴力に頼るロイロット博士は暴力によって死んだし、文句無しのハッピーエンドだね。
技師の親指
怖いなぁ。何回読んでも怖いよこの話。肉包丁で親指切られるとか読んでるだけでもゾッとするね。ヴィクター・ハザリーが体験したおぞましい一夜。その真相は偽金造りの一味だった。ミステリーよりかはサスペンスよりの話だけど、馬の調子から犯人達の根城を割り出すところはさすがホームズだよね。
独身の貴族
あまりにもセント・サイモン卿が報われない話。結婚式直後に姿を消した花嫁ハティ・ドーラン。彼女はどこに消えたのか?確定した事実から蓋然性の高い推論を重ねていけば自と真相が見えてくる。そう教えてくれるような話だったね。花束に手紙を司婚で渡したのは前夫のフランシス・モールトン。死んだと思ってた夫が生きて現れたら、ドーラン嬢があんな行動をとってしまうのも無理ないのかなと思っちゃうな。サイモン卿は本当に気の毒だけど。
緑柱石の宝冠
やっぱり恋愛感情って不思議なもんだね。あれだけ良い娘のメアリが犯罪に加担しちゃうんだから。アレグザンダー・ホールダーが託された緑柱石の宝冠。それを壊したと思われた息子アーサーは、宝冠を取り返そうとした孝行息子だった。アーサーは真実を話せばメアリの罪が暴かれてしまうことを懸念して沈黙を貫いた。何かこう書くとすごい紳士みたいに見えるけど、メアリって悪女に上手いこと絆されちゃったようにも見えるよね。ホームズもそう思ってるからメアリが凶悪犯の元に駆け落ちしても結構あっさりしてるんだろうな。
ぶな屋敷
最後を飾るのにぴったりの話だったね。特殊な条件付きだけど割りのいい家庭教師の仕事。不安を感じたヴァイオレット・ハンターはホームズに依頼するけど、このハンターさんすっごい勇敢で強い女性だよね!ルーカッスルの息子の残虐な性格から親も危険な人物と推理したホームズはハンターさんが娘の身代わりだと突き止める。娘さん救出からのトラーのおかみさんがかっこいい!まさしくおかみって感じ!
今回改めて読み返してみたけれど印象が大きく変わる話がいくつもあったなぁって思う。ただホームズの活躍がかっこいい!じゃなくて登場人物の気持ちに思いを馳せたり、事件の構成に目を向けたりそういったことができるようになったってことだと思う。楽しく読めた。もっと読みたいな。次は回想で。
Posted by ブクログ
「シャーロック・ホームズ シリーズ」第3作、短編12編を収録した短編集。
月刊誌「ストランド」(1891年1月に創刊されたばかり)の短編連載開始により「ホームズシリーズ」が人気を博した。今作短編集では短編作品掲載順に収録している。
1891年7月号~1892年6月号にて毎月掲載。「ボヘミアの醜聞」「赤毛組合」「花婿の正体」「ボスコム谷の謎」「オレンジの種五つ」「唇のねじれた男」「青いガーネット」「まだらの紐」「技師の親指」「独身の貴族」「緑柱石の宝冠」「ぶな屋敷」。
最初の第1短編集。
★★★★★ 5.0
Posted by ブクログ
さすが読み継がれているミステリー。殺人に限らず予想できない事件と推理でワクワクしながら読み進めました。
訳も難しすぎず、かつ当時の暮らしや情景を大切にしていてとても良かったです。
Posted by ブクログ
ときめく名探偵を求めて、第二弾。
世界一有名な名探偵といえばホームズだ。それは間違いない。
同時平行でエラリー・クイーンの短編も読んでいるが、(引き合いにだして悪いけれど)比べ物にならない面白さだ。さすが人気作品は違う。どんどん読んじゃう。
しかし「ときめき」の観点からいうと、またちょっと違う。ホームズは確かに天才的だが「ホームズかっこいい…!」とはならない。(ていうかこんな話してるのだいぶ恥ずかしい。)
ホームズが人として魅力的だとしたら、それはかなりワトソンのおかげじゃなかろうか。ワトソンを信じて頼って甘えているホームズはすごく好きだ。
作品(群)としての面白さも、ホームズなしでもワトソンなしでもどちらでも成り立たないのだろう。深いぞ。
「コナン・ドイルはホームズシリーズ書くのもうやめたくてホームズ死なせたのにあまりに人気がありすぎて復活させざるを得なかった」みたいな裏話は大人になってから知り、死ぬ話も復活する話もそういえば読んだことがないので、これからの楽しみにしたい。
ときめき度:★★★☆☆
「ワトソンに免じて加点」
Posted by ブクログ
シャーロックホームズものを読むのは初めてでしたが、面白かったです。
短編集なので気楽に読めますし、ホームズとワトスンのやりとりも素敵でした。
今度は緋色の研究や四つの署名などの長編にも挑戦したいと思います。
Posted by ブクログ
新潮文庫版に入ってない短編を読むために2度目の冒険。
やっぱり面白い。話を知ってホームズシリーズの雰囲気が掴めてきたからこその楽しさっていうのもあるね。もちろん技師の親指とか知らない話はドキドキしながら読めるから楽しい。
まだ緋色の研究、四つの署名、シャーロック・ホームズの冒険しか読んでないけど冒険に関してはホームズの冷徹さよりは人間味を感じるような気がする。
光文社は最後に注釈載せてくれてるのとても良いね。当時のイギリス社会の事とか書いてあって当時の雰囲気とか人の考えとかホームズの生きた時代が知れるって凄い楽しい。
最後の「私のホームズ」に「ホームズが阿片中毒だった」という内容が書いてたけどホームズは阿片中毒ではなかったはず...コカイン...
Posted by ブクログ
有名なお話だけど、読んでいなかったので、手にとった。短編になっていてすごく面白い。ドルリーレーンより迷うことなく結論を出していてすっきりする。他の話も読みたい。訳がいいのかすっと入ってきた。
Posted by ブクログ
まず本の作りがいいですよね。光文社さんの文庫全集ものは江戸川乱歩さんも良かったけど、これも素晴らしいです。思わず全部揃えたくなります。
様々な意味でホームズはミステリの原点になっていると思うが、改めて読んでみると大袈裟な犯罪や陰惨な事件でなく、いわゆる日常の謎物が多いので、安心して読めます。
ワトソンももっと間抜け(失礼)かと思ってたけど、結構しっかりしていたり、意外な発見もありました。
古きロンドンの雰囲気を楽しめるのも良いところです。
Posted by ブクログ
シリーズでは一番最初に読むのにオススメされていたのでこちらから。いきなりホームズの失敗談で幕開け。先立つ2辺の長編よりも雑誌ストランドに短編掲載が始まってから爆発的な人気になったと言うだけあってどれも面白い。ただしこの後の作品でも好きなものが結構あるので冒険が突出して高水準の作品集かと言われるとダントツと言うほどでは無い気がする。娘どう受け取る遺産目当てで結婚を妨害する保護者(本物の親も含む)の話が繰り返し出てきて気の毒だなと思った。気にいったのはアイリーン・アドラーが印象的なボヘミアの醜聞と、スリラー要素の強い技師の親指、まだらの紐。動機はわからなかったけれど何が起こっているか推測できたのは唇の曲がった男。
Posted by ブクログ
原点にして頂点。推理小説は殺人が起きるものが多いが、このホームズの短編集は日常の些細な謎が魅力的に描かれていて、その推理もさることながら、世界観が良い。
Posted by ブクログ
映画など映像作品では何度も見てきた
シャーロック・ホームズですが、
ミステリ好きとしては原作も読んでおくべきだと思い
初めて手に取りました。
ホームズの鋭い観察眼と膨大な知識を駆使しながら
謎を解いていく爽快感!
ホームズとワトスンの人間性、関係性も魅力的で、
思わずクスッと笑ってしまうチャーミングさも素敵。
短編集なのでサクサク読めますし、
それぞれの終わり方がとってもオシャレなんです。
古典作品であることを意識しつつ、
現代の読者にとって読みやすいようにと
作られた新訳版。
読みやすさ、言葉選びなど、
訳者の方の手腕も光っています。
もっと早く読めば良かった!
新訳全集、これから読み進めるのが楽しみです。
Posted by ブクログ
イギリスドラマのシャーロックホームズを観てから
原作を読みたい気持ちが抑えきれず。
さすが名作、訳だけでも色んな種類があったのですね。
今回は短編集から手を出してみました。
短編なので謎が解けるスピードも早いですが、
依頼人がホームズに説明するところから始まるので
自分もその場にいるような感じがして
物語に引き込まれます。
まだらの紐、ぶな屋敷、技師の親指など
怖くもありつつ、臨場感溢れる場面はハラハラしました。
訳者のあとがきの考察?なども面白かったです
シャーロックホームズの時代背景などまたひとつ学びました
ドラマは現代風にアレンジはしてましたがドラマで見たシーンが原作のこの場面から来てるんだ〜とわかるのはかなり楽しい。
次は長編に行きたいと思います。
Posted by ブクログ
ホームズはちゃんと読んだことがなかった。多くの人がそうであるように、非常に読みにくかったからだ。
私のような人間からすれば、この新訳版はほんとうにありがたい!タイトルだけ聞いたことのある赤毛連盟、ぶな屋敷のオチをようやく読めた。個人的に好きだったのはまだらの紐かなあ。(これはオチは知ってたけど、思っていたよりストーリーが恐ろしくて印象的だった)
本家ホームズとワトソンはこんな感じなんだとか推理だけでなく雰囲気も楽しめました。
Posted by ブクログ
「緋色の研究」「四つの署名」に続く、シャーロック・ホームズ3冊目。
今回は短編なので、展開が速くてサクサク読めた。12編とボリュームもあり、殺人事件から犯罪とは言えないような奇妙な事件まで、色々あって楽しめた。ホームズが変装の名人でアクティブに捜査するのも面白いし、意外とユーモアもある。自負心が強くてたまに面倒くさいのも含めて、やっぱり良いキャラだなあ。
「ホームズの捜査につきあって、彼が依頼された事件をあざやかな推理で解決するのをながめるのは、わたしにとって無上の喜びだった。」(p.310)
語り手のワトスンが常識人で、共感できるのも良い。
Posted by ブクログ
初っ端からワトソンがいない…。これを最初に読むホームス作品って勘違いしてしまったー。でもこの1冊目にしてシャーロック・ホームズが好きになりました。ポアロより好きです。でも世界中に愛されている彼が薬物…ヽ(´o`;時代背景もあるだろうがびっくりしたわー。
Posted by ブクログ
児童文庫で読んで大好きだったシャーロック・ホームズ。ちゃんと読んでみたいと思い全集を購入しました。
訳が比較的新しく、解説も豊富な光文社文庫(日暮雅道さん訳)のものをチョイス。挿絵も入っていていい感じでした。
12の短編からなる短編集。
特に有名な短編が多く収録されています。
読んだことのある話が多かったせいかサクサク読み進められました。
<収録短編>
・ボヘミアの醜聞
・赤毛組合
・花婿の正体
・ボスコム谷の謎
・オレンジの種五つ
・唇のねじれた男
・青いガーネット
・まだらの紐
・技師の親指
・独身の貴族
・緑柱石の宝冠
・ぶな屋敷
Posted by ブクログ
初ホームズ。海外もの、なかなか馴染めなくて全く読まなくなったんだけど、とても読みやすくて面白かった。みんながホームズ好きなのがちょっと理解できた気がする。なにより全体的にオシャレ。
Posted by ブクログ
いつ買ったか分からないけど実家にあったので再読(?)
色々な探偵のベースになってるんだろうなぁ
■観察眼
初対面の依頼人を観察しただけで、相手の仕事や私生活、性格もズバリ言い当ててしまう。(さすがに他の可能性もあるんじゃ…と思うこともあるが(笑))
地面に這いつくばって虫眼鏡で足跡を探したり、変装して芝居をして証拠をつかんだり、現代の探偵を見てると逆に新鮮だった。
コナンはやっぱり色んな部分でホームズのオマージュしてるなぁ
常に冷静沈着でもなくて意外と人間臭いところも魅力かな
今読むと結構ハチャメチャなところもあって面白かった
■依頼内容
意外と殺人事件と言うより、不思議な事が起こってるから調べて欲しいみたいな依頼が多く、調べてみたら犯罪を企んでるやつがいた、みたいな話が多かった。
短編だからかな??
(赤毛連盟って有名だから長編かと思ったら短編なのね)
罪を犯したやつは必ず警察に引き渡すんだ!ということもなく、結構相手の心情とかを考えて表沙汰にしなかったり、十分な罰を受けてると思えば反省しろ!と注意するだけだったりというのが探偵っぽかった
四つの署名とかバスカビル家の犬とか良く名前を聞く長編もいずれ読みたいなぁ
Posted by ブクログ
現代アレンジされてるドラマや映画をきっかけに興味を持って読み始めた。短編集でサラッと読める。訳も読みやすい。まだホームズやワトソンキャラが掴みきれない感じ。
Posted by ブクログ
今回は長編ではなく短編集。
ホームズの凄いところはなんだろう。
それは恐らく、その病的なまでの観察力だろう。
人を視ただけで相手が発しているであろう情報を確実にキャッチ、それらを解読して分析。
そして親切に相手に教えてあげる。
対象が物でも同じ。
薬品を混ぜたらどうなるのか。
この動物はこうするとどう反応するのか。
血液はどのくらいの速さで固まるのか。
あらゆる事を観察、分析、記録していく。
閃きは、そんなに無い気がする。
凄まじい量の情報を蓄積し、それらを事件の推理という自身の娯楽の為に惜しみなく使っていく。
そこも個人的には凄いところだと思う。
そう、シャーロック・ホームズは正義の為に、
善良な人々の為に日夜戦っているのではないのだ。
Posted by ブクログ
19世紀末から20世紀初頭の英国作家アーサー・コナン・ドイル(1859-1930)によるシャーロック・ホームズ・シリーズの最初の短篇集。19世紀ヴィクトリア朝末期――それはちょうどシャーロック・ホームズの世界観に対する一般的なイメージと合致している時期であるが――の1891-1892年に大衆雑誌「ストランド」に発表されたもの。
ホームズ物と云えば、小学生の頃に読んだ児童向けの翻訳以外にはアニメ「名探偵ホームズ」やジェレミー・ブレットのドラマをテレビで観てきたくらいで、原作を読んだのは今回が初めて。古典的な作品ということもあり、トリックもどこかで聞いたことのあるようなものが殆どだが、あまりに有名なシャーロック・ホームズの世界を手軽に楽しむことができてよかった。最も印象に残ったのは「赤毛組合」で、一般の推理物とはどこか趣の異なる不気味さというか奇妙なおかしみがあるように思う。「オレンジの種五つ」「青いガーネット」も面白かった。
"名探偵"としてのシャーロック・ホームズの性格造形は、ポーが半世紀前の1841年に「モルグ街の殺人」の冒頭で描出したデュパンのそれと概ね一致している。「・・・、分析的知性はその持ち主にとって、つねに、このうえなく溌剌とした楽しみの源泉である・・・。・・・、分析家は錯綜した物事を解明する知的活動を喜ぶのである。彼は、自分の才能を発揮することができるものなら、どんなつまらないことにでも快楽を見出す。彼は謎を好み、判じ物を好み、秘密文字を好む。そしてそれらの解明において、凡庸な人間の眼には超自然的とさえ映ずるような鋭利さを示す。実際、彼の結論は、方法それ自体によってもたらされるのだけれども、直観としか思えないような雰囲気を漂わせているのだ」。"名探偵"を推理に駆り立てる動機は、純粋に知的遊戯に付随する快楽それ自体のためであり、正義のためだとか名誉のためだとか経済的利益のためだとか恋愛の成就のためだとかまして信仰のためだとか、そうした"外部"に根拠を求められるものではない。これはとても近代的な人間像であると云えないか。大衆向けの物語としてこうした知的遊戯に興じる人物が登場するということは、それだけ教育やメディアの普及・発達により社会全体の知的水準が向上したということの徴だろうか。自己の知的快楽に没入する志向は現代的な「おたく」にも通じるように思う。
「・・・、人間は頭脳という屋根裏部屋に使いそうな道具だけをそろえていき、あとは書斎の物置にでも放り込んでおけばいいのさ。必要になったら、物置に取りにいけばいいんだから」(「オレンジの種五つ」)
「ぼくの人生というのは、平凡な生活から逃れようとする果てしない努力の連続だ。こうしたささやかな事件があるので、いくらか助かるがね」(「赤毛組合」)
更に興味深いのは、シャーロック・ホームズ作品が随伴的に生み出したシャーロキアンと呼ばれる愛好家集団の感性である。コナン・ドイルの原作を"聖典"として、外部世界から独立した自律的な虚構世界についての果てしない"お喋り"に興ずることに知的快楽を覚える彼らの美的感性もまた、現代的な「おたく」の先駆であると云える。シャーロキアンと20世紀末以降のアニメやゲームその他の「おたく」との間の、感性や行動様式に於ける共通点/相違点を調べてみるのも、こうした現代的な感性の系譜を考えるうえで面白いのではないだろうか。シャーロック・ホームズ以上に、シャーロキアンという存在に興味が湧くことになってしまった。なお、最初のシャーロキアン団体は1934年にニューヨークで誕生しているという。
Posted by ブクログ
ミステリの古典、「シャーロック・ホームズ」シリーズを初読書。光文社の出版順ではこの本が始めなのだが、原書の出版は「緋色の研究」が最初なのだとあとから知った。特にネタバレはなかったので順番を入れ替わるが読む予定。
短編集なので複雑に絡み合った謎はないが、相談人が持ちこんでくる話は摩訶不思議なものばかり。それを快刀乱麻を断つがごとく鮮やかに推理するホームズにすっかり魅了された。これはシリーズを制覇したい。特に面白かったのは、「赤毛組合」、青いガーネット」、「独身貴族」。
言うまでもないことかもしれないが、大ヒット漫画の「名探偵コナン」はホームズから多大な影響を受けていることを感じた。